偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
夏休み初日。
気温が上がりきる前の午前中に身体を動かし、中で出来ることについては午後、というのが夏休みのスクールアイドルクラブでの動きの基本だ。
とはいえ流石の金沢ももう連日猛暑、午前の練習だけで汗だくになる。
汗を流し昼を挟んで部室に集まる頃にはかなりリフレッシュ出来ているけれど、全国の運動系の部活をしている人達は大丈夫なのかと心配になるばかりだ。
「夏といったらなんだと思う小鈴ちゃん?」
「え?急に!?」
早目に来ていた蓮ノ小四辺形4人で机を囲んでいつものように軽い打ち合わせをしようかというところでアタシは期末テストで停滞していた空気を打破せんと口を開いた。ちょっと迂遠だったかな?
「うーん、と花火。うん。北國花火!もう週末だもんね」
「それもあるけど、違うんだよなぁ」
「おやおや、手厳しいね」
「なんなん姫芽?」
意外とみんなまったり、というか危機意識が足りないというか、気づいてないのかなぁ?
「ゴホン。今月スクールアイドルクラブは何をしましたか、吟子部長」
「えー、とWith×STATIONと、あ、With×MEETも久し振りにやったね」
「他はいずみん?」
「そうな・・・ふむ?」
「小鈴ちゃん」
「・・・はっ」
みんなしっかりしてるところはあるんだけど、変なところで抜けているので、偶にこういうことがあるんだよね。
今月、スクールアイドルクラブはテスト対策にかまけて"いつも"の活動以外はてんで動きがなかったのだ。
「という訳ですが、夏といったらなんだと思いますか?」
「ライブ」
「新曲」
「新衣装」
いやぁ、夏らしい解答が聞けて熱くなってきたねぇ。
「ユニットだけじゃなく全体曲も作ろうよ。合宿もあるんだから」
蓮ノ大三角がいた頃は部全体がラブライブ!優勝という目標が軸にあったため、スケジュールの濃淡がしっかりとコントロールされていたように思う。去年は暗中模索だったけど、その分フットワークが軽く、毎回初動部分こそノリと勢いなところはあったけど、その時その時の方針が決まったらきっちりスケジュール化されていた。何故か工程は増えるばっかりだったけど。
そう思うと今年はちょっと真面目過ぎるのかもしれない。
「ラブライブ!フェスの出演交渉で各地を回る。各地のイベントに出演して旅費を節約する。旅先で合宿する。帰ってきたら8月末のFes×LIVEの設営、当日までに諸々含めた新曲の準備、あとWith×STATIONの更新は欠かさず」
「冷静に考えるとおかしくないですかこれ?」
「冷静になったらダメなやつだね」
「みんな。水分はこまめに摂ろうね」
「あ、現実逃避した」
優等生みたいに順当に活動していくのも悪いとは思わないけど、やっぱ蓮ノ空はイカれてると思われるくらいの方が好きのんだよね〜