偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
1年前の今日、この日はセラスが花帆先輩の配信があった日だ。
ふと思い出してその時のWith×MEETSを見返したのだが、ふふ。最近の100%セラスに比べるとちょっと控え目だったかな。それでも瑞河(女子高等学校)にいた頃に比べると良い意味で遊びがあった。瑞河にいた頃は正直に言えば余裕なんてどこにもなかったからね。
そんなセラスはまた色々と背負おうとしているようだ。今日も一人、蓮ノ湖湖畔でコソ練している。
「セラス」
「泉」
キリのよさそうなタイミングを見計らって姿を見せると有無をいわさずスポーツ飲料をセラスに放った。
「まだまだ季節の変わり目だ。体調の変化が起きやすいから一人で練習するのは関心しないな」
「私だってそのくらい弁えてる。もともと誰が誰のマネジメントしてたと思っているの?」
「人を見るのと自分を見るのとでは勝手が違うからね。それに、去年セラスは私のことを見ててくれたじゃないか」
今度は私の番だよ、とセラスの練習課題を覗き見る。
「・・・しょうがないなぁ泉は。Edel Noteを解散しても私と居たいなんて」
「当たらずとも遠からず、かな」
蓮ノ空でのEdel Noteは一年限定。そして全うした私達はこれ以上なく綺麗に解散した。
今年の私はソロのスクールアイドルとして活動していく。
「もしかして悩んでる?」
「いや、ちょっと頼みごとをね」
「いいよ」
「まだ何も言っていないが?」
「泉が改まって頼み事をするなんて滅多にないじゃん。断らないよ」
セラスは乙女心を持ちながら同時に女気に溢れる時がある。こういう時のセラスは本当に頼りになる。
「私のソロ曲を一曲作ってほしい」
「・・・いいの?」
「ああ。私は私から見える今の桂城泉を表現する曲を作るつもりだ。だからセラスには私ではない視点で桂城泉を表現する曲を作ってほしい」
ちょっとしたコンセプトシングルといった感じだ。
今年の私は背伸びも取り繕ったりもしない、ありのままの桂城泉を魅せるつもりだ。
「なるほど。それで曲を作る変わりに練習を手伝う、と」
「お見通しだね」
「いいよ、乗ってあげる。これからみらぱ曲の練習するつもりだったしね」
素直なのか素直じゃないのか、相変わらずのセラスに苦笑しつつ私もアップを始めた。準備運動もなしにみらぱは出来ない。
「曲は?」
「ばんゆー」
みらくらぱーく!"BANG YOU グラビティ"。トロッコで披露されたりすることが多く、振付はフリーになっている部分が多い。そういう部分でこそみらぱらしさを発揮する必要がある。
今のセラスにどれくらいみらぱ力があるのか?
「全部のユニット、本当にやるんだね」
本当にタフな人だ。