偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
来る4月29日に106期生入部お披露目となるOPENING!Fes×LIVEが行われる。あと2週間。時間がないけれども、私 令沢葵としてはそれくらいの方がコンディションが良かったりする。ただ、所属ユニットをどうするか問題がまだはっきりと決められなかった。
「DOLLCHESTRAかみらくらぱーく!か」
「ドラフト会議と行こうじゃありませんか」
マイカはスリーズブーケ。となると残りの2ユニットのどちらか、となるのは自然な流れだ。
どちらに行っても上手くやる自信はあるのだが、どちらがいいか決定打がない。
「DOLLCHESTRAに来たら色々とチャレンジできるよ!」
「チャレンジは好きですよ。すぐ終っちゃうこと多いけど」
部室に行って早々、身振り手振り大きくプレゼンする小柄な徒町小鈴先輩と
「みらくらぱーく!はねぇ。めぐるりの聖地なんだよ?」
「宗教勧誘はちょっと・・・」
何を言っているのか分からない(分かりたくない)安養寺姫芽先輩それぞれからアピール合戦を浴びている。
本音を言えばユニットはEdel Noteに惹かれているのだけど、それはもう手が届かないからこそだ。セラス先輩、桂城先輩の2人だけの宝物だからこそ綺麗で美しい。だからこそ欲しくなる。
「ちょっとまって。マイカさんが入るからって葵さんがスリーズブーケ入っちゃだめってことないんだからね」
「ここに来て興味そそること言う!」
百生吟子部長の介入でまた風向きが変わったことにちょっと面白さを感じる。確かにそれは予想してなかった展開だし真面目に検討するのもありかもしれない。マイカは嫌がりそうだけど。
「DOLLCHESTRAはきっと葵ちゃんの居場所になるよ」
「みらくらぱーく!で世界中を夢中にさせようぜ~」
「ーーーーー世界中を」
安養寺先輩は軽いノリで言うからあまり感情が読めないのだけど、少なくともその言葉はここ数年のみらくらぱーく!の根幹なんだとか。
正直その謳い文句には心惹かれた。だってそれは今の私とは正反対のスタンスだからだ。
「ちょっともう少し考えさせて貰えますか?」
「それとも私と同じようにソロなんてどうかな?」
「いずみん、ここで更に選択肢増やしちゃう?」
桂城先輩も加わった104期生に囲まれ、さながら四面楚歌だ。
「一人は嫌ですね」
「嫌、と来たか」
ふむ、と何もかも見通すような目で私の目を覗いてくる。まるで心を見るかのように。
「Fes×LIVEの事は気にしないで自分の一番やりたいことを選びなね」
セラス先輩はフンス、と私に頼れよ、と言ってくれる。
一番やりたいことを選ぶのが一番難しいんですけど