偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
みなさまお待たせしました。お待たせし過ぎたかもしれません。セラス・柳田・リリエンフェルトです。え?名前普通やんって?何言ってるんですか。いつも通りです。
え?ちょっ、カットとか言わないでください。これから!これからですから。
ごほん。106期を迎えた蓮ノ空の新しい姿を、みなさま。是非見に来てください。
OPENING!Fes×LIVEまでーーーーあと3日!
昨日から始まった告知動画が今日も無事に配信されたことを確認した私は部室に足を運んでいた。
部活前に話があるので先輩方にちょっと早めに来て貰う予定になっている。
今回の決断は土壇場ではあるけれども本来あるべき形、というか当初想定していた理想系に戻すという方が近いかもしれない。
「おはようセラス後輩」
「小鈴先輩おはようございます」
部室に入室してお湯でも沸かそうかと思っていたところに一番最初に来たのは小鈴先輩だった。
昨日DOLLCHESTRAに正式メンバーとして紫輪みおんさんが入った。そのことは昨日の部活終わりにDOLLCHESTRAの2人からみんなに報告していた。
今日の私のお話がそれに伴うものだと小鈴先輩は察しているのだろう。
「本当に良いのセラスちゃん?今年の体制を考えるならセラスちゃんが抜ける必要なんて無いと思うけど」
新入部員がいなかったことで今回のライブではDOLLCHESTRAとして、と準備していたけど無事に入ったのであればその前提は崩れる。
「最初が肝心ですし、2人が基礎になりますから、まずはそこを固めてください」
湯沸し器のスイッチを入れてちょっと申し訳なさそうな顔をする小鈴先輩に我ながら可愛げのない返事をした。
「おはよ~」
「おはよう」
なんと言うべきか小鈴先輩が悩んでいる間に姫芽先輩と吟子部長がやってきた。
「Fes×LIVEの方針のこと、かな?」
「そうです。がまだ泉が来ていないので来てからにしましょう」
「泉にも話していないんだ」
「自立して嬉しいと同時に寂しいね」
「おはよう泉」
2人が来て椅子に座ったと思った矢先に泉も来たので思ったより早く全員集合した。
「今年の私は全ユニットを網羅する。それはもうお伝えしてましたね?」
お湯が沸いたので人数分、今回はコーヒーを用意して私は改めて話し始めた。
「想定より予定がずれましたが、無事に昨日、全ユニットに新入部員が入り本格的に106機が始動することになります。なのでここで軌道修正をしようと思っています」
先輩方みんなある程度予想していたのだろう。さほど驚きはなさそうだった。
「今回は各ユニット自分達の基礎を固めて貰うため、私がユニットにお邪魔するのは次回以降にしようと思ってます」
「じゃあセラスが今回やるのは全員曲だけってこと?」
「ちょっと物足りなくない?」
吟子部長と姫芽先輩が心配そうに私を見てくる。小鈴先輩もそうだよ、と見つめてくる。
只でさえ小柄な小鈴先輩が眉毛を困らせて見つめてくるとちょっと魔が差しそうになる。
「ならセラス、私とメドレーをしないかい?」
寧ろ好都合、と言わんばかりに泉が新しい提案をする。
「いずみんの新曲ってせらりんが作ったっていうし、案外ありより?」
「2曲1対ってコンセプトって話だし流れは良さそうだね」
まだそれほど合わせての練習はしていないけどどんなものをやるのかみんなに情報は共有しているため、当然ながら姫芽先輩も小鈴先輩も新曲のことを知っている。
確かに私もDOLLCHESTRAの準備していた手前、そのパートが無くなるのは感情面ではちょっと残念に思っていたのだ。
別に何をしようとDOLLCHESTRAやろうとしてたことの変わりになる訳ではないけれども気は紛れそうだ。
「ちょうど衣装も早着替え様に外装衣装とインナー衣装を仕込んでいたから、ちょっとの直しで使えるだろう」
「いいよ。やってあげる。新しい泉の門出、私が飾ってあげるよ」
Edel Noteは解散したけれども、なんだかんだ泉の隣がしっくりくる。口には出してやらないけどね。