偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
昨日は沢山の光に包まれていた卯辰山ふれあい広場は私達が授業を受けている間にスクールアイドル専門業者によるステージのばらしが完了してスッキリと空間が広がっていた。
曇り空の白さがなんとも閑散とした気分を引き立てるが、やるべきことはやらなければならない。私達は今を生きるスクールアイドルなのだから。
「あれだけ人が来てたのにゴミ1つ落ちてなかったの凄いね」
錦上さんが驚いたように感嘆の声を漏らす。
一応、昨日のライブが終わった後に見回りはしたけれども照明があるとは言え夜。暗くて見落としが無かったか気になっていたが、心配は無かったらしい。
「なんか目指せカーボンニュートラル!とか言ってゴミ広いしてる人達がいたみたい」
錦上さんにそう返した令沢さんの言葉に、私は思わずなにそれ、と思いつつそういう無理せずできる善行は見習いたいとも思った。
「それじゃ、持ち込みの装飾と、床材を回収して行こう」
吟子部長の号令で私達スクールアイドルクラブ一同と有志の方々がそれぞれ作業に取りかかる。
枝を使った装飾を外したりといった高所の作業は吟子部長が監督する。
私、セラス・柳田・リリエンフェルトは床材の回収班の監督だ。
「天気が良くなかったからたぶん、持ち上げたら泥だらけだと思います。手袋持ってきたので是非使ってください」
使い捨てのニトリル手袋を一人一人に配る。厚手なので今日の作業の間くらいは保つだろう。たぶん。
「結構重さあるので腰痛めないように気を付けて」
私も率先してパズルのような床材をばらして軽トラまで運ぶ。設営の時と同じ、ひたすら人海戦術による運搬だ。今日はスクールアイドルクラブ全員集合しているため、設営時よりマンパワーマシマシだ。
「昨日はあんなに華やかなステージだったのに、本当に一瞬なんだ」
「足元注意だよ」
ぼうっとした様子の紫輪さんに注意を促すとハッとしたように我に返っていた。
正直、練習の時よりも気を付けなければならないことが多くて気が張っている。
スクールアイドルをやっていく以上常に向き合っていく課題だ。
思えば瑞河と泉とやっていた頃は道場破りのように外へ、外へと出向いていたため、こういった主催の苦労や喜び、そして責任を感じることは無かった。その頃こちらを受け入れてくれた人達には改めてお礼をしないと。
そうこうしている内に、作業も無事に終わる。
1度全体の解散をした後、スクールアイドルクラブだけで総括と今後について吟子部長から話がある。
「無事に最初のライブを終えて、蓮ノ空としてユニットとして、ソロとしてのスタートを切ったと各々感じていると思います。そこで改めて、今年の活動をどうしていきたいのかと自分自信と、悩んだ時に隣にいてくれる人と相談して欲しいと思っています」
「これからゴールデンウィーク。学校からは解放されるし、考えるには丁度良いねぇ」
「たまに実家に行ったりはしますが、基本的に寮で過ごすので何かあったら遠慮せず徒町達に声を掛けてください」
「それじゃあみんな。改めて、お疲れ様でした」
達成感と次への期待を胸に、蓮ノ空の4月は無事に終わった。