偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話   作:マーケン

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5月3日(日) ティータイム

 折角のゴールデンウィーク、とくれば引き込もってゲーム三昧、と致したいところだけれど蓮ノ空の設備更新が迫っていて残念ながらネットゲームをやる環境ではいずれなくなる。そのため、代替案を考えているのだが、その1つがレトロゲームだ。

 

「というわけで、年上の人にロクヨンって何ですか?って聴いたらいけないんだよ。あのゲーム機が未だに新しい、革新的ゲーム機だと思っている層が結構いるから」

 

「あの、蓮ノ空にいて年上の人と話す機会あまりないのですが」

 

「人生は蓮ノ空だけじゃないからね」

 

 今日は1年生ズの配信録画をアップロードするお使いだ。やり方を覚えるに越したことはないので市街地まで錦上マイカちゃんを連行している。

 金沢駅前にあるワーキングスペースを借り、そこの回線で動画をWith×STATIONにアップすると私達は駅にあるスタバで一息ついていた。

 

「そのうち機会があればWith×MEETSの生配信をしてもらおうと思ってるけど、知識の幅は広いに越したことはないから」

 

「なるほど。一理ありますね」

 

 最初はクールな青い瞳がジト目を向けていたけど、私の雑談が説明の一部だと思考が結び付くと幾分、視線が柔らかくなった。いや、本当はただの雑談なんだけどね。

 

「配信を見る人って趣味人が結構いるからね。時々ディープなワード突っ込んでくるのよ」

 

 くすみ系の赤毛が落ち着いた雰囲気を醸し出す長髪の可愛い系美人。それが対面に座って一緒にお茶していると思うと喋るのが止まらないよね。別にめぐるりが居なくて身近の女にうつつ抜かしているとかじゃなくて、パフェは見るだけでテンションあがる、みたいな

 

「マイカちゃんはゲームとかはあまりしない感じ?」

 

「RPGとかはやってましたけど、なんというかストーリーを読む兼ね合いって感じでしたね」

 

 そういうタイプかぁ、とちょっと残念に思う。ストーリー重視タイプは私の好きなFPSとか、要は対戦要素に力を入れて作られたゲームには手をつけない層が一定数いるからだ。

 

「ま、新天地開拓ってことで、今度試しにゲームしてみようよ。相手に勝つ快感は堪らないぜ~」

 

「物は試し、ですしね」

 

 一見、薄い顔立ちのお嬢様然とした錦上さんだが、聴くところによると人よりも物事に関する興味が薄いのだという。錦上さんの直属の先輩である吟子ちゃんからは、接する時は色々と体験させるようにして欲しいと頼まれている。

 

「女は度胸。なんでも試してみるものだからね」

 

 その性質を聴いてみらくらぱーく!の後輩である令沢葵ちゃんがなぜ錦上さんと腐れ縁なのか少し察するところがあった。

 自分の持たない何かを欲しがる令沢ちゃんからすると大衆的な価値観とずれている錦上さんは読めない相手で飽きないのだろう。

 

「それで、抹茶ティーラテはどう?」

 

「結構、甘いですね。頭使う時にはガツンとして良さそうだと思います」

 

 敬愛するみらくらぱーく!の卒業した上司、藤島慈ことめぐちゃんこと天使が好む抹茶ティーラテ、ミルク多めカスタムをお勧めしたのだが、その返答からしてなるほどなぁと思った。

 これは手強そうな一年生が入ったぞ、と心のなかで吟子ちゃんにエールを送った。

 

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