偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
ゴールデンウィークもあっという間に終わり、元の学院生活が戻った。と言いつつも学生寮で生活しているためオフ感が少なく、これまで経験してきた連休明けよりも休みが終わってしまった感はそれほどなかった。
そして始まった授業では早速というべきか来週の中間テストの告知がされた。連休明けでだらけていないか試してやろう感マシマシである。
とはいえ推薦を狙っている訳でもないので日々の勉強と直前勉強をしておけば赤点以上にはなるだろうと言うのが私の見立てだ。
「秘蔵の教員メタ過去問とかあったりしないかな?」
「ああ~伝統校だし部によってはそういうのありそう」
「っていうか葵はそう言うの使わなくても余裕でしょ?」
令沢葵とは付き合いが長いだけどんな人物か知っている。
知識欲もかなり持っているため、学業においてもどんどんと吸収していくので正直学校でのテストならばかなりの高得点を毎回取っている。
「私も足を引っ張らないようにしないと」
「別に部活停止とか大会出場禁止、とかそういうのは無いらしいよ」
「だとしても赤点取ったら自分のためにもならないからね」
紫輪さんは勉強出来ないアピールをしているけれど蓮ノ空に入学しているのだからそれなりにやれば出来るタイプなのだろうから私はそれほど心配はしていない。
そんなこんな先々の話をしながら部室に集まると既に来ていた先輩方から着席を促され、三人揃って疑問符を浮かべながら拝聴の姿勢を取った。
「一年生諸君にミッションを与えます」
「なんでセラスが進行するん!?」
ドヤ顔で芝居がかった言い回しで話し始めたセラス先輩につっこんだ百生部長は改めて、と咳払いして話を引き継いだ。
「みんなには6月に行われる蓮ノ空の三大文化祭の1つ、撫子祭に向けて部活紹介の記事を書いて貰います」
「毎年各部活に新聞部から依頼があるもので各部活では新部員に書いて貰う伝統になってるんだよねぇ」
「私達も一年生の時に書きました」
「文字数だとかの詳細は新聞部から資料貰ってるから、目を通しておくれ」
用意周到、というべきか、ご丁寧に過去の先輩方が書いた記事も参考資料として用意してあった。
「諸君らがどんな記事にするか・・・楽しみにしてるぜ」
まだやってるよ、と冷ややかな部長の視線にもめげない強さはセラス先輩特有のものだろう。
それはさておき、これはまた中間テスト前に課題を増やすとはやってくれる。
「あ、ちなみにだけど、期日は今月末までだから焦らなくていいからね」
「テスト終わったら私達3年生は修学旅行あるし、そこら辺でやる部活が多いみたい」
期日の件で不安を感じていたらしい紫輪さんが不安そうな顔からあからさまにホッとした顔になっているから分かりやすいなぁ。
「自分達の部活がどんなものだったのか、今一度知る良い機会だと思うし、過去を知ってイマをどうしたいのか想いを馳せるのも悪くないんじゃないかな?」
「どんな記事にするのか、楽しみにしてるからね~」
こうして私達1年生にはじめて主体的に活動するミッションが与えられたのだった。