偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
かねてから卒業した先輩方からこの日は開けておけ、と指示されていて一体何をするつもりなのかと戦々恐々としている今日この頃。
特に変わったこともなく授業が終わるや否や教員から校門前のバスに乗って街に行くよう指示された。
一体何があるのだろうと不安半分、ワクワク半分の気持ちで校門まで行くと、スクールアイドルクラブ一同が既に集まっていた。
「先生から言われて来たんだけど、これ何の集まり?」
「みんな分からんのよ」
部長である吟子ちゃんまで分からないとなるともうお手上げ。
まぁ先生方の企画なら変なことにはならないだろうと私達はバスに乗り込む。
「これ、みんな目隠しした方がいいやつ?」
「そこまでするんですか!?」
運転手さんによると別にそこまではしなくてもいいらしい。
ドッキリって程の企画ではないのかなぁと当たりをつけつつ、バスに揺られて到着するのは金沢フォーラス金沢駅すぐ横のショッピングセンターだ。
「なになに?映画館に行け?」
「何を見せられるんでしょうか?」
そういえば以前めぐちゃんは映画館の1スクリーンを貸し切りで使ったことがあるのだ。
そういう類いのサプライズだとして、別に今日が誰かの誕生日だとかそういうものはない。
もしや早くもるりめぐが籍を入れるご報告か!?と思い至った。ここまで大掛かりに仕掛けるのならそれくらいやっても不思議ではない。
遂に遂に、大天使と博愛の聖母神が結ばれ、天地は新たなる地平を切り開き、この世の苦悩は全て取り除かれ、ただだだるりめぐを愛でることで完結する完全世界が大地を覆う。
めーぐ・るり、めーぐ・るり、めーぐ・るり、めーぐ・るりーーーーーー・・・
「何トリップしとん?」
「はっ!?めーぐ・るり!?」
「戻ってないよ!?」
「重症だね」
いつの間にやら手を引かれて貸し切りのスクリーンに入り着席していた。
到着次第の始まりらしい。
「みなさんこんにちは。現蓮ノ空女学院103期生で映像では卒業生の日野下花帆だよ」
「同じく村野さやかと」
「大沢瑠璃乃だよー。今日もよろよろ~」
懐かしい顔触れがスクリーンに映し出される。
まだ一月しか経っていないというのにもう懐かしいと思うなんて自分でも驚きだ。
「みんな驚くかもしれないけど、これから流す動画を今日から公開しまーす」
「現地に来れた人の口コミとかFes×LIVEもあったけど、まだ全貌が見えないって意見も沢山あったしね」
「という訳で、何卒、ご査収ください」
このメッセージは本編の前の前説だったらしい。
一度スクリーンが暗転すると、古めかしいカウントダウンとともに蓮ノ空の校舎が映し出された。見間違える筈もない。Bloom Garden Partyの日のものだ。
そして校舎を背景にタイトルが映し出される。
蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブMaking of
Bloom Garden Partyと。
「いつの間にこんなの」
「確かに、錦上さんと令沢さんにカメラマンさせてたもんねぇ」
これをもって2025年度のBloom Garden Partyは本当に終幕なのかな、とちょっと寂しく思いながらもカメラにはどんな景色が映し出されるのだろうとワクワクしながら動画を観るのだった。