偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
ドラマとかアニメを観て、文化祭とか体育祭は凄い規模でみんな楽しそうでそんな中にいたらきっと楽しいだろうな、と私はそう思っていた。
中学になると段々と現実的な情報が入るようになって、ドラマのような華やかで大それた文化祭なんてまぁ見つからないし、アニメで見た合戦のような体育祭で大盛り上がり、なんてところも半ばスポーツ専門みたいな極々極々稀の稀にしか無いらしいという事が判明した。
現実を知ることって知らない場所に光を照らしていくことだって、そう思ってたのに、照らせば照らすほど、見えてくるものは期待してたものじゃなくて、輝きは減っていく。そんな気分になったのをよく覚えている。
同級生のみんなはそんなものだって、大したことないみたいな顔しているから、私もへらへらしてがっかりした気持ちを隠して、鈍くなっていった。
退屈と退廃をDOLLCHESTRAを支えにやり過ごしていたけれど、中学最後の年に蓮ノ空がやってくれた。
Bloom Garden Party、そしてその前段のStarring Bloom。数多のフィクションで見たそれが現実に現れたものだった。
昨日から公開されたBloom Garden Partyのメイキングを観て、ふとそんな事を思い出した。
「お二人は現地に来てたんだね。画面のなかに出てきて驚きましたわ」
「そっか。紫輪さんには話してなかったんだったね」
「私はみおんに連れられて来ただけだったんだけどね」
近づく中間テストに向けて相互監視で勉強しようと机を囲んでいる私達106期生だが、小休止している間は自然と昨日のBGPメイキングの話題になった。
「楽しかった?」
「そりゃもう最高だったよ。渋滞にハマってからの一発逆転だからね」
「そうだね。色々刺激になった・・・かな」
今年はそんなBGP渦中の、それも中心に居ることになる。BGPはまだまだ先だけど、来月6月には蓮ノ空の三大文化祭の1つである撫子祭が開催される。
新聞の部活紹介の記事や当日にやるであろうスクールアイドルクラブのパフォーマンスも勿論頑張りたいが、もっと何かやれることがないのか今の内から考えてもいいのかもしれない。
「ちょっと何か企んでる?顔に出てるけど?」
「企んむのはこれからだから!」
「正直者か。でもまぁ・・・」
と言葉を止めた錦上さんに令沢さんがニヤニヤしながらつつく。物理的にも
「で・も・まぁ何かなー?」
「それも悪くないかなって、昨日の観てそう思ったの!」
やっぱあの熱に当てられちゃうよねぇとしみじみと共感した。
なんていうか、生命力に溢れているというか、なにか"ある"のだあのメイキングには。動き出したくなる衝動みたいなものが。
「色々やっていこうね。中間テストの後にだけど」
中間テストなんて娯楽の1つかのように言う令沢さんは余裕綽々である。
「はぁ、じゃあまた30分集中」
「スタート」
タイマーを押して私達は一斉に教科書やノートとのにらめっこを再開した。
要領の悪い私はこの気持ちを忘れないように、ノートの一番上に撫子祭、なにか案、とだけサッと書き、勉強に移るのだった。
劇場版ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブBloom Garden Party素晴らしかったです。
事前予告にあった通り錦上マイカ・令沢葵の出演シーンもありましたが、当小説の全面改修しなくてもギリいける気がするので修正しないでこのままいこうと思ってます。