偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
明日の中間テストが終われば部活も再開ということで事前準備に余念の無い徒町は今日から部活に向けて気分を高める作業に勤しみます。
別に勉強から逃げるとかそんな浅い考えでは決して無いです。
とりあえず106期のおさらいを兼ねてOPENING!Fes×LIVEについて振り返る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まるで対戦というか競争というか、お互いがお互いを高め合うみらくらぱーく!のステージは圧巻だった。
舞台袖で次の順番を待つ徒町とみおんちゃんは最初こそ鏡合わせで振付を確認したりしていたが、会場の熱気に当てられて次第にパフォーマンスに目を奪われていた。
「姫芽ちゃん思いきったなぁ」
「いきなりフリーやれてるの令沢さんスゴい」
何でもそつない飄々型の姫芽ちゃんと大抵の事は出来る葵ちゃん。この2人の後にステージに立つのが、2人とは正反対の私とみおんちゃんというのもハードルが高くて昂ります。
「決まった正解はなくても自由に。みらくらぱーく!から学ぶことは沢山ありますね、先輩」
「不完全で未完成でも挫けない。手を伸ばすのをやめない。そうでしょ後輩?」
「分かっちゃいるんですけど。逃げそうになったら捕まえてくれますか?」
「もちろん。絶対に逃がさないし、隠さない」
がんばるぞーチェストー、と2人で無言で拳を突き上げて気合いを入れ直す。流石にみらぱの本番中なのでサイレントチェストだ。
みらぱの出番が終り、私とみおんちゃんがステージの中央で背中合わせに立つ。
ステージ両サイドに分かれてイントロに合わせて入場、というやり方もあるのだが、今回は直前まで一緒にいられるようにセンタースタートだ。
"小さな画面がうるさいのは 知らない人たちが争うから"
ピアノとストリングスが際立つイントロから始まるのは"希望的プリズム"それは求道と揺らぎの色彩だ。
"全ての道が分岐するように 行動で風景は変わるだろう"
自分と他人、数多ある選択肢。それを前にどうするのか。
徒町はひたすらにチャレンジをし続けてきた。出来ることがそもそもなかったから。だから実を言えば他人という存在は私の選択に大きな影響を与えることというのはそれ程なかった。あるとしたら新しい選択肢を作ってくれたさやか先輩や綴理大先輩といったスクールアイドルクラブの仲間だけだ。
"自分だけを置き去りに 世界が進むと思う時の"
だから私にはみおんちゃんの気持ちが分からない。
人を省みない私には、人を気にしすぎるみおんちゃんの気持ちに本当の意味で寄り添えないのかもしれない。
"Crescendo…Crescendo…Lights of my life"
どう接していいのか何て分からないけれど、数ある選択肢の1つの形を見せることならできる。
この手が重なることはなく、別方向へ向くとしても。そんな振付で幕を下ろした。