偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
いうて前回福岡公演で同じこと告知して更新したやん今回も出来るだろう、とは思わないでください
昨日やったライブに向けてのアンケート結果は意外にも365 Daysだった。蓮ノ空のこと好き好きクラブのみなさんはゴリゴリ系が好みかと思いきやだ。
これはこの1年をしっかり見届けるという意思の現れなのだとするとしっかりやらねばと改めて思ったものだ。
昨日、放課後に先輩方が帰ってきたため、予定通りにライブを披露したのだが、その時の映像を見返して見るとまぁ纏まりも無いしフリーな部分もぎこちなかったと思う。
けど令沢さんはステージ前の人を虜にしてやるって気概があったし、錦上さんの表情は笑顔こそなかったけど固さは無かったように思う。セラス先輩は一つの曲の中で各ユニットを行ったりきたりとステージを駆け抜けていたし、私も楽しかった。ほんの少しだけど106期生同士の距離も近くなった気がする。
「と言うわけで、私からお願いがありまして」
一緒に私の部屋で映像を見直してた令沢さんと錦上さんはモニターから私に視線を移した。
「なんといいましょうか、お二人の付き合いが長いのは分かっているのですが、いっちょ噛みしたいと言いますか」
「何言ってるんの?分かる葵?」
「わかんないなー。ちゃんと言葉にしてくれないとわかんないなー」
とぼけた様子の令沢さんの様子に錦上さんはめんどくせーみたいな怪訝な顔をしていた。
そんな私達遠慮もないし分かりあってます感が羨ましいのだ。
「呼び方をですね、私もお二人をしたの名前で呼びたいなーって」
「そう?いいよ」
「マイカちゃん!?折角意気込んでくれてたのにあっさりしすぎじゃない?」
「勿体ぶってもしょうがないし。それに」
錦上さんは不意に言葉を詰まらせた。
「表面的なことはそれなりに上手くやれてるでしょ」
「マイカちゃん、その言いぐさは流石に無いと思うよ」
たぶん錦上さん、いやマイカさんの言う通りだ。
別にこれまでの経歴だとか、趣味はどうで、とか深い話しそこまでしてないけれども、部活を通して見える部分については傾向が分かるようになってきている。友達、かはともかくとして同期としてはそれなりに関係が作れていると思う。
「マイカさん、葵さん」
「そんなに嬉しそうにされるとこっちが何か恥ずかしいんだけど」
「あらためてよろしくね、みおんちゃん」
人と仲良くなったと、そう確信を持つまで距離を詰められない。気軽にそういうのが出来る人を羨ましいと思うし、自分の性格が難儀だとも思う。けれどもこの二人はそんな私の性格を良い意味でどうでもいいものと思ってる。それが私には気楽で、だからこそ近付きたいと、そう思う。
いつか"さん"という距離感も自分から詰められたらと、と一年後の自分を想像する。そしたらきっと毎日がキラキラであふれるのだろう。