偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
修学旅行という不可抗力によりすっかり怠けた体で見た後輩達のステージはなんか元気が出るものだった。と同時にいわせてやんよ、という闘争心が沸々と沸いた結果。
「え、嘘でしょ」
「かましてやるんですね。やりますよ徒町」
「ふふ。面白いこと考えるね。姫芽ちゃんは」
今日1日で準備して明日ライブをする。
後輩達のライブ終わりで出した資材をまた出す形にすればよいので設営の位置決めなどを省ける分、準備にそれほどの時間は掛からないだろう。
「それで、何の曲をやるのか決まっているのかい?」
「DEEPNESS、Now or Never、ゲッカビジン」
「の?」
「・・・全部。照れ」
「いやいや照れ、じゃなくて、何考えとるん!?」
蓮ノ空の中でもゴリゴリのダンスナンバー。
フルライブでこんな流れやったらまぁ死ぬけれども、今回はミニライブ。この3曲のみならば話しは変わるというものだ。
「先輩の意地の見せどころですね」
「流石にレーザーとかは準備出来ないから、パフォーマンスの力のみで勝負だね」
「2人も結構乗り気!?」
「吟子ちゃん、だめ?」
こういう時、よくも悪くも吟子ちゃんは推しに弱い。
「仕方ない。ひと肌脱いでやりますよ」
花帆先輩の無茶ぶりに付き合わされて、それを文句言いつつも楽しんでいた吟子ちゃんは今回もそうなるだろうと同意してくれた。
「してやったりのセラスに一矢報いるのが楽しみだ」
「DEEPNESSも先輩達に仕込まれましたからね。ようやく使いどころが来て嬉しいです」
「思えば先輩達、しれっとスパルタだったね」
104期最初のFes×LIVEの初手で披露した"On your mark"。後から聴けば102期生が作ったものの修得までかなり苦戦したとかで、それをド頭にやらせるというのもどうかしてるし、Now or Neverの曲が完成した時も、じゃあこれを身に付けないとだね、なんて言ってDEEPNESSを仕込まれたのだ。
ラブライブ!優勝。それを目指す中で必然的かつ自然にパフォーマンス難易度が上がっていたのだろう。当時はごくごく自然に受け入れていたけどね。
「私は出来る前提かい?」
「だって出来るでしょ?知ってるって」
去年一年で泉もセラスも蓮ノ空の曲を披露するしない関わらず練習していたのを知っている。そして桂城泉という人間が練習して身に付けていない筈がないのだ。
「先輩方はずいぶんスパルタだったみたいだけど、姫芽ちゃん達も大概だね」
まあ言わんとすることは分かるけど、何をするにしてもある程度の水準を保たなければならない。今のうちにそれを後輩に伝えるのも先輩の役割だろう。