偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
大望は多くの人を巻き込む。吟子部長の目指すBloom Garden Partyもセラス先輩の目指すラブライブ!フェスも実現すればきっと沢山の人を笑顔にするだろう。
だけど、私はと言えばどうだろう?
BGPで見た日野下花帆先輩の笑顔。蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブのお節介。それに触発されてここでならちゃんと人らしい感受性を持てるかもしれない。取り戻せるかもしれないと入部したけれども、極々個人的な理由過ぎてこれで良いのだろうかとも思ってしまう。
「きっと良くないんだろうな」
誰かの夢を咲かせる場所、Bloom Garden Party。実力の頂点を目指す場所、ラブライブ!。
それらを巻き込んだ大型イベントはきっと多くの人にとって夢のよつなイベントになるだろう。
そこに私がどのような顔付きで参加するのだろう?参加して良いのだろうか?
「でも、きっと良いんだよってあの人は言うんだろうな」
私自身が忘れてしまった笑顔を信じてくれた日野下花帆先輩なら、きっと。
だから私は少ない感受性が受けた刺激を必死に考える。
大きな目標を持つみんなに対して後ろめたい気持ちになったのは何故だ?そんな目標を分かち合いたいと心のどこかで思っているからじゃないのか?
だけど、とふと思い浮かぶのは過去の記憶。
ジュニアアイドルとしてステージに立っていた頃の楽しかった記憶と辛くて耐えきれなくて逃げ出すしか出来なかった消したい記憶。
本当に感受性を、笑顔を取り戻したいのか?
きっと蓮ノ空のスクールアイドルとして配信を重ねたら私のことに気付く人が出てくるかもしれない。それがなによりも、怖い。
本当に続けていて良いのか?何度めか分からない自問自答を今日もまた繰り返してしまう。
大丈夫だ。一つ一つ、私がここに居る理由を再確認すればやり過ごせる。
笑顔を取り戻す。そのために、"笑顔の天才"日野下花帆先輩が居た場所て経験を積む。挫けそうになってもスクールアイドルクラブがきっと助けになってくれる。だからそこで起きることに正直な気持ちで関わる。
本当に自分本意だけど、これが私の今の軸だ。
どうしてもだめそうな時は、その時は先輩に打ち明けるしかない。
私の事情を未だに知らない私の直属の、スリーズブーケの先輩。親身で真面目で、不器用な、百生吟子部長の顔を私はこの時自然と思い浮かべた。
事情も分からないのにいちいち私に問い掛けてくれる、正面から付き合ってくれるお人好しの私の、先輩。