偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
徒町とセラス後輩の約束。それを一年生には話をしていなかった。まさかこんなに早くその時が来るとは思っていなかったからだ。
「どういう事なんすか、昨日のは?」
今日の練習開始前、徒町とセラス後輩、みおんちゃん3人のDOLLCHESTRAで集まって説明をしていた。
みおんちゃんにこんな風に気まそうな顔をさせるつもりはなかったのだが。
「私が欲張ったから悪いの」
「これは悪いとかの話じゃないよ、セラスちゃん」
「元々は今年度入る前にはDOLLCHESTRAに入ると、そう決めてたんだけど・・・」
Bloom Garden Partyが余りにも華々しくて、目が眩んだとでも言うのか。セラス後輩は他のユニットもやはりやるべきなのではないかと相談を持ち掛けてきた。
DOLLCHESTRAを選ぶ前には、1つのユニットを選んでしまったら選ばれなかったユニットが、と悩んでいたのだが、真逆の発想は前向きだったし、BGPの冷めやらぬテンションでついつい私がOKを出したのも今思うとブレブレな対応だった。
そこまで説明すると、みおんちゃんはまぁ分からんでもない、みたいな顔をしていた。
真似してしまうくらい103期DOLLCHESTRAが好きになったみおんちゃんにも、良いものを見て影響されるということに身に覚えがあるのだろう。
「それで約束っていうのは?」
「それは前例があるとはいえ流石に無理が過ぎるから、小鈴先輩がこれ以上はもうダメだと判断したら止めるって約束」
前例?と小首を傾げるみおんちゃん。知らなくても無理はない。
蓮ノ大三角と呼ばれる103期生に教えを授けた101期生の大賀美沙知先輩は3ユニット兼任していたのだが、もう3年前に卒業した先輩の事だし、配信とかでも名前や姿を出して触れられることがほぼ無かったのだから。
「ラブライブ!フェスはセラスちゃん発案だから中心になって動くことになるだろうし、無事に各ユニットに一人ずつ新入生が来たから」
「こんな時に言うのもなんだけど、改めて入部してくれてありがとう」
「あ~まぁ、別に迷惑を被ったわけでも無いですし、経緯は分かりましたから」
「改めてよろしくお願いします」
「先輩がそんな易々土下座しないでください」
「じゃあ、こう?」
「土下寝も!」
あぁ~と濁点付きで頭を抱えるみおんちゃんがポツリとこう呟いた。
「この流れだと絶対コミックユニットになるじゃん。その内筋トレ曲とか、絶対作るやつだよ」
そんなことは、たぶん、無い、かもしれなくもない?