偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
なんの因果かBloom Garden Partyのメイキング動画の噂を聞き付けた校内人達から観たいという声がそれなりにあったため、ちょっとした上映会をすることとなった。
データは先輩方から貰っているし、視聴覚室を使えば出来ないことはない。
映像系の部活も視聴覚室は普段使いしていないのですんなり仕様許可も貰えた。
折角なので入り口とホワイトスクリーン回りに邪魔になら無い程度にちょっとした装飾をした。だいたいお誕生日配信で使うものの流用だけど、こういうのがあるだけでちょっと特別感が出るものだ。
装飾が終ったら遮光カーテンを締め切りプロジェクターのチェックだ。時々連動が上手くいかなくて延々とEPSONの文字を見せられることもあるからだ。
「他に手伝うこととかあります?」
「あとは映像流すだけだから大丈夫だよ。ありがとうね」
私はスリーズブーケの、つまり直属の後輩である錦上さんを付き合わせて準備を追えた。正直1人でもできる準備だったけど、こういうなんとなくでやれちゃって資料とかに落とし込まないようなことが馬鹿に出来ない時もあるのだ。
「あ、折角ですし、百生部長前説とかやってみたらどうです?なんかマイク置いてますし」
「ストップ映画ドロボウみたいな?」
「他にもちょっとしたエピソードトークとか。メイキング観たいなんて言うような人達ですし、聞いてみたいこともあると思うんですよね」
錦上さんは物事に対する関心が薄い割に結構色々と気付くし、物怖じせずに言葉にしてくれる。卒業して花帆先輩とは逆方向の現実路線で見てくれるので本当に助かっている。
「じゃあ上映前と上映後に質問コーナーとしてちょっと来てくれた人に問い掛けるようにしようかな」
上映前後にやるのは見る前と後で違う気付きとかあるかもしれないからだ。
「あ、それなら錦上さんも居て貰ってもいい?」
「何かありました?」
「泉の分のインタビュー録画してなかったでしょ?その部分の質問があったら答えて欲しいなって」
錦上さんは露骨にやっちまった顔をして、見るのが申し訳無くなるようなぎこちない笑顔でこう言った。
「逃げるのは悪いことではないですよね?」
「あ、コラっ」
「お疲れ様でした」
脱兎の如く、視聴覚室を去る錦上さんの姿を私は唖然として見送るしかなかった。
昨日、体育祭やコスプレイベントから散々逃げ回ろうとしたバチが当たったのかもしれない。変に似たところのある後輩の姿に私は鏡を見せられている気分になった。
虹ヶ咲8thでボコボコにされながらも更新できてエライ