偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
去年一昨年に比べて今期はセラスと一緒にいる時間が少なくなった。お互いに掛け替えのない存在であることは変わらないけれどEdel Noteを解散したことで距離感が変わったのだ。
ただし、その距離感は余裕の表れとも思っている。
「みおん君はセラスのDOLLCHESTRA適性はどれほどだと思う?」
寮の廊下を歩いている時に偶然みおん君と遭遇したのでこれも何かの縁だと思い雑談に興じようと声を掛けた。
「その内容、今日は天気が良いね、くらいのノリで聴くことっすか?」
「それは悪かったね。ならちょっとお茶でもどうかな?」
これがジゴロかぁ、とみおん君は呆れを通り越してちょっと感動した様子で言った。喜んでくれたようで何よりだ。
幸い急ぎの用事も無いのかみおん君は一緒にラウンジまで来てくれた。
「回りくどい言い方してましたけど、要するにセラス先輩がDOLLCHESTRAとして上手くやれるのかって聞きたいんですよね?」
「物事の核心を掴むのが上手いね。小鈴さんの影響かな?」
返答に困ったのだろう。みおん君はミルクたっぷりのカフェオレを啜った。
「方向性はどうあれセラス先輩はやれると思いますよ。徒町先輩とも仲良いですし」
「小鈴さんの人徳の賜物だね。セラスは蓮ノ空に入る前から小鈴さんのことを慕っていたからね」
付け加えるなら私も小鈴さんを尊敬している。彼女の在り方はありのままで、真っ直ぐで、眩しいくらいだ。それこそ蓮ノ空の太陽と言っても過言ではないだろう。
「それで、みおん君はどうかな?仲良くやれそうかい?」
「・・・正直まだそこまでガッツリ絡んでないので何ともです。クラブの人ですし、ああいう感じの人なんで取り繕わなくて良いのは助かります」
「君の好きな103期のDOLLCHESTRAとは随分と変わりそうだけどそれはどう思っているんだい?」
「それはそれ、ですね。小鈴先輩の受け売りですが」
ほう、と私は黙って続きを促す。
「憧れはどうしたって憧れのままですが、それを真似ても自分らしさではないし、きっとそれを見てもあの頃の私は心動かされないと思います。だから、私達は自分らしく、ただ繋いでいくだけです」
それが例え料理の歌とか、魚だとか筋トレだとかだとしても。と随分と愉快な想像をしているようで、すっかりその気のようなので敢えて訂正はしないでおいた。
「欲を言えば、自分みたいな人の気持ちを軽くしてあげられたら嬉しいっす」
さっきまでの威勢は成りを潜め、急にしおらしくお団子から生えているチョロ毛をイジイジしはじめた。
「まだまだ虚勢は張り切れないみたいだね」
些か話が逸れてしまった気がするけど、この心根が真っ直ぐな子だ。セラスとも上手くやれるだろう。
そう。私は安心した。がんばれ、セラス。
明日はリスアニ!LIVEでラブライブ!サンシャイン!!チーム(Guilty Kiss,Saint Snow)を見てきますので更新が滞る可能性があります。あらかじめご了承ください