偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
ラブライブ!出場を目指す。とは言ったものの、蓮ノ空のスクールアイドルクラブはやることが兎に角多い。
今月は体育祭のチアパフォーマンス、そして撫子祭が待っている。というか年3回も文化祭があるあたりクラブ以前に学校からしてどうかしている。
「姫芽先輩まんまと百生部長を言いくるめたんですね」
「蓮ノ空生徒としての本分を果たしただけだよ」
言うまでもないけど体育祭の件だ。
お陰で私もチア衣装を着る羽目になったけどマイカちゃんのその姿を見られるなら実質コスト0。そもそも私はそれほどチア衣装に抵抗は無いし。
「ところでそろそろ撫子祭の準備もしなきゃなんだけど、スリブ同様みらぱも伝統曲やっておこうかなって」
「その心は?」
「先々、ラブライブ!出場に向けて動くと伝統曲やるタイミングがあまりなさそうだからやれる時にやっておこうかなって」
これまでの蓮ノ空の、みらくらぱーく!らしさを知らずしてその肩書きを名乗れない。まぁ練習とか個人の時間で昔の曲を聴き込んだりしているけど、実際にステージに立つ人としての表現は身に付いてない。
「アレンジとかします?104期New verみたいな感じで」
「ん~・・・今回は原曲でやろうか」
「その心は?」
「おや?そうだなぁ。知って欲しい。というのが大きいかな。戦略にもよるけどラブライブ!に出るってなると、自分達らしさを貫くか流行りとかに合わせて作るとか選択を迫られるからさ。そういうのに縛られない時に私の知っている"みらぱらしさ"を味わって欲しいんだ」
とは言うけれど、103期、104期の曲を聴いているとラブライブ!目指してても自分達らしさを貫いていたんだろうなと感じる。
「みらくらぱーく!って時期によって癖がかなり違いますもんね」
「今年の癖はどんな風になるのか楽しみだね」
私と姫芽先輩が作ったものが蓮ノ空の伝統の一部になっていくと思うとなんだか不思議な感覚がした。自分が何かを残す、なんてのを今まで考えたこともなかったと気付いた。
自分を取り巻くものを自分の物に吸収していく。そんなことばかり考えていたからだ。
「なんか珍しい顔してるねぇ」
「いやー、なんかちょっと自分の中に思わぬ発見があったというか」
「私との会話切っ掛けで新しい発見があったなら先輩冥利に尽きるよ」
やけにしみじみと言うなと思ったけど、そう言えば姫芽先輩の直属の後輩って私が初めてなんだと思い至った。去年のセラス先輩はみんなの後輩って感じだったようだし。
「それなら後輩冥利に尽きますね」
「言うね~この~」
先達にして越えるべき相手であり、高め合うライバル。そんな風に思っていたけど、先達っていうのはもしかしたらそれだけでは無いのかもしれない。
先達、後輩の関係って不思議だなぁ。