偽典・蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ106期小話 作:マーケン
帰りのホームルームが終わり、使わない教科書類は全部机の引き出しに残す。どうせ帰っても勉強しないし、期末テストはまだ先だし。
晴れていれば日差しの差し込むところだけど、今日はややはっきりしない曇天。お陰で窓から入る風だけでそれなりに涼しい。
そんな風に乗るように姫芽ちゃん、吟子ちゃん、泉ちゃんと教室から部室に向かう。スクールアイドルクラブの生徒はなんだか一緒のクラスにされがちなので話したい事がある時は結構助かってたりする。
フローリングの廊下を進む道中、姫芽ちゃんの玉ねぎポニーが揺れるのを眺めているとふと昨日気になったことを口にした。
「葵ちゃんってどうしてあんなにスクールアイドルが好きなんだろうね?」
器用で、大抵のことは何でも出来る子。自分の強い欲求と相まって大凡のことはこなせてしまう故に退屈を抱えている子。
「ん~、実はそのあたりのこと踏み込んでないんだよね」
「自己申告で自分がどんなのを抱えててってのは入部の時に言ってたし、実際その通りな部分多いから却って深掘りしづらいんだよね」
姫芽ちゃんの言葉に吟子ちゃんが同意していた。
先輩として後輩との距離感の取り方が難しいと思うのは共通の悩みらしい。
「私の場合はセラスは後輩って感じじゃなかったからその辺りの感覚に建設的な意見はだせそうにないな」
Edel Noteは最初の成り立ちもあり、セラス後輩が舵取りしていた。何でも高水準でこなせることに惑わされるけど、その道での話なら泉ちゃんの方が後輩と言っても過言では無いかもしれない。
「ラブライブ!優勝を目指す過程で見えてくるかなぁ?」
令沢葵、錦上マイカ、紫輪みおん、曲者揃いだなぁ、と私達は自分の事を棚にあげてそう思った。
そんな雑談もそこそこに階段を下るとすぐそこにある部室にたどり着く。
中に入ると既に1年生もセラス後輩も揃っていた。
「葵ちゃんってどうしてスクールアイドル好きなの?」
同期達は急にぶっこんだ私に驚いた顔をしているけど、正直この話題は雑談程度のものだと徒町は思っている。それに徒町はバカなので気になったことは聞くに限る。
「急にどうしたんですか?」
「昨日散々語ってたからなんでかなーって思って」
「そうですね・・・自由だからってのもありますし、良い意味で軸が無い、からですかね」
「軸がない?」
「競技ならスコアがあったり、技で基礎点が決まってたりしますよね?でもスクールアイドルってそういうの一切無いじゃないですか?なんとなくみんなが感じるフワッとしたものがそのまま評価になっているみたいな」
言われてみると確かにラブライブ!をはじめとしたスクールアイドル系の大会では点数だとか評価方法を好評していない。
「形が無いからこそずっと味がするというか、飽きないというか。敢えて言語化するならそんなところですかね」
「ってことはスクールアイドルってコンテンツが好きってことになるのかなぁ?」
「あ、そうかもしれないですね。姫芽先輩鋭いですね」
葵ちゃんの返答はなんとなくあの子が、抱えている性質に紐付いたものなのだと感じた。
昨日、執筆中に寝落ちしてて更新が遅れました