お腹の中にジャシン様がいるらしい件   作:笑嘲嗤

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第11話 新人交流BBQ

 火の国政庁の一つにて会議が行われていた。

 

「では次の議題を。ガトーの逮捕に成功。火の国におけるガトーコーポレーションの持っていた経済利権はすべて『ほむら』の手中に収めることに成功いたしました。同時に波の国の資源開発利権に食い込むことに成功いたしました」

 

 会議に集いていたのは金髪に金眼の男女たち。そして一人の黒髪の老婆。金髪の者たちはみな老婆を崇敬の目で見ていた。

 

「よろしい。ガトーについては刑務所ないのギャングにでも始末させるように仕組んでおきなさい。あれは放っておくと危険な男だからね」

 

「了解いたしました。ではさっそく本日の本題に入りたいと思います。うちはサスケが写輪眼を開眼したことを正式に確認いたしました」

 

「くくく、さすがは兇眼フガクの息子ね。では誰かプランがあるものはいる?」

 

 一人の女が手を挙げる。

 

「一ついい事件が起きています。木の葉に依頼が行くように誘導させます。サスケ君へのいい環境負荷になりましょう。早く三つ巴、そして万華鏡に至らせるために」

 

「ただの任務では難しいと思うけど?」

 

「大丈夫です。利益相反を起こさせます。仕込みはばっちりですわ族長」

 

「ならいいわ。任せるわね」

 

 老婆はにっこり笑って頷く。

 

「はい。了解したしました」

 

 影は若者たちを飲み込んでいく。

 

「すべては火の意志を超えんとする我ら炎の名のもとに!」

 

 老婆はそう叫ぶ。金髪の者たちのも続く。彼らの野望は止まらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 休暇を終えて頃ヒヨリ先生から連絡が入った。メッセンジャーの鳩が持ってきたのはメモ。

 

『明日、新人アカデミー卒下忍と担当上忍たちでBBQをやります。必ず出席するように』

 

 勘弁してほしいなぁ。とは謂えどもこれも多分チームワークってやつなんだろう。出ざるを得ないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 BBQは綺麗な清流のほとりでやることになった。早めに来るとヒヨリ先生が浴衣を着てサングラスをかけて川で涼んでいた。なおなにも準備はなかった。

 

「あの。BBQですよね」

 

「私の仕事は場所取り。準備は下忍がやりなさい」

 

「……わかりましたよ。はぁ」

 

 仕方がないから近くの小屋にBBQセットを借りに行った。自分でもてきぱきと準備が進んでると思う。

 

「あれ?まだ皆来てないの?」

 

 サクラがやってきた。

 

「下忍は下準備しなさい」

 

「ええー」

 

「いいからやりなさい命令よ」

 

 サクラはしぶしぶと俺の手伝いを始める。なんかサクラは居心地悪そう。

 

「あなたってこの間ガトーを拘束した子よね」

 

「……うん」

 

「じゃあずっと見てたのにサスケ君を助けてくれなかったの?」

 

「任務だから……ごめんね」

 

 サクラは俺の顔をまじまじと見ていた。

 

「……そっか。こっちこそごめん。わたしは何の役にも立たなかったの。……あなたを責めるの何て八つ当たりよね」

 

「仕方ないと思う。それが普通だよ。俺たちの方がおかしいんだよ。きっと」

 

 会話はそれっきり途切れてしまった。

 

「やっほー!げ!?サクラ?なんでナナシと一緒にいるのよ!?」

 

「いのぶた!たまたまよ。あんたも手伝いなさい!!」

 

 いのも作業に加わる。

 

「ふー!」

 

 何気に驚いたのはサクラの作業の効率の良さだった。火遁で火を熾し、すいとんで水道水を空中で回転させて野菜を洗い、土遁でみんなが座れそうな岩を持ち上げて、風遁で風を起こしてお掃除して、雷遁を通した指ですぱすぱと綺麗にお肉を切っていく。

 

『カグヤの娘。似てる』

 

 ジャシンがなんか変なこと言ってる。

 

「サクラさん器用だね。五属性全部使えるんだ」

 

「うん。最近頑張って覚えたんだ。だけど実戦に使えるほど出力はないの……器用貧乏かな」

 

「そんなことないと思うけどな。俺なんかは多分忍者の中じゃスタミナはギリギリレベルだよ。すごいよサクラさんは」

 

「そっか。うん。ありがとうね」

 

 サクラは可愛らしく微笑んだ。

 

「今度こそ……足手まといにならない。サスケ君は私が助ける……」

 

 だけどなにか焦りを感じる。良くない方に転ばないといいけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 時間ごろになってみんながやってきた。

 

「乾杯しようか」

 

 アスマ先生がもう缶ビールを開けて飲んでいた。

 

「でもカカシが来てないわよ」

 

 くれない先生はアスマ先生の傍に座っている。仲良さそう。

 

「あいつがまともな時間に来るもんか」

 

 そういうわけで俺たちは先に乾杯することになった。

 

『『『『『乾杯ー!』』』』』

 

 歓談が結構進んでいる。アカデミー卒同士は仲がいい。だけどいのが中心になってハナコやリノイをうまく話しに混ぜてくれた。交流っていうのはいいものかも知れない。男子たちは川辺でふざけ合ってた。時たまナルトが俺の方を睨んでいるのを感じた。

 

「よう。ちょっといいか」

 

 サスケに話しかけられた。

 

「あー。うん。なにかな」

 

 責められると思った。それでとっさに身構えた。

 

「お前あの時の戦いずっと見てたんだな。俺だけじゃなくてカカシにも気づかせないのはすごい。里の外から来たんだろう?誰が師だったんだ?」

 

「え?あーっとね。ほむらゲンジさんていう大名の弟さん。本人は侍って言ってたけど」

 

「ふーん。そうか」

 

「あの俺のこと責めないの」

 

「そんなことして何になる?俺はお前を恨んでなんていない。いや。お前を恨むほど……暇じゃない……」

 

 なにか悲壮な感じを受けた。なにかあったのかな。それはうかがい知れないし、気軽に立ち入っていいとは思えない。

 

『憎しみ。ひとり。かなしい』

 

 ジャシンが何かを呟いた。だけど少し思うところはある。だから口にしてしまった。

 

「あの。サクラさんがね。君のこと護るんだって頑張ってた」

 

「いきなりどうした?」

 

「その。……俺は……本当はね。憎みたい人たちがいる……でも憎んだらきっと一人になっちゃう。だから出来なくて。帰りたくて、でも出来なくて。その。ごめん」

 

「……謝る必要なんてないだろう」

 

「……でも何かを伝えたかった。その気にしないで。忘れて」

 

 俺は言葉がうまく練れないなって思った。きっとだからうまく人の心に残れない。残れるならきっと俺はまだあの村にいられたはずなのに。俺は串だけもってサスケの傍から離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一人で木にもたれかかって肉を食べていた。ジュースも美味しい。こんなの故郷じゃ食べられなかった味だ。だけどすこし空腹を感じていた。休暇で任務がない。だからチャクラを吸い取れる機会がなくて。でもあんな満腹は気持ち悪いのに。

 

「お前、さっきサスケと何話してたんだってばよ?」

 

 いつの間にかナルトが俺の前に立っていた。

 

「なにって。何でもないよ」

 

「サスケを見捨てたくせに?」

 

「……俺は君に謝れて言われてる?」

 

「そんなんじゃねーよ。見殺しにしたんだからサスケに近づくなってばよ。サスケは俺の……大事な……」

 

「そう。……わかったからもう離れてくれよ。俺には君が眩しすぎる……」

 

 ナルトは俺がふさぎ込んですぐにいなくなった。誰ともうまくつながれてない。そんな気だけがした。やることをやって一人になっていく。うまく生きることのやり方を誰か教えてくれよ。

 

 

 

 

 

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