特級呪術師・禪院直哉   作:どうでもいいや

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第2話

 両面宿儺の受肉から約数週間が経過した。

 京都校の所有するグラウンド―――そこでは三級術師である三輪霞、準一級の加茂憲紀、究極(アルティメット)メカ丸の三人、そして生徒が自由受講できる授業の臨時講師として呼ばれている禪院直哉がいた。

 

 東堂葵、西宮桃は所用で来ておらず、禪院真依も当然不参加。

 一年の新田新に関しても不参加という惨状である。

 

 

「―――霞ちゃんの戦い方は見たところ、簡易領域によるフルオートの迎撃と居合への転用やろ?まぁパッとせえへんでお馴染みウチの扇君もチマチマと似たようなことやっとるけど……とにかく霞ちゃんは決定打に欠けとる――ていうより、全部が全部欠けとる。ガッタガタや、なんで術師やっとるんか分からんレベル。ぶっちゃけ今すぐ呪術師辞めたほうがええ位や」

 

「うぅ……そんなあ」

 

「……言い過ぎじゃないのカ」

 

「全部ホンマのことやし、詰みの状況……死に際で気付くよりええやろ?後まだ話は終わってへんから、メカ丸君。天与で伸び代ないカスは口挟まんといてや」

 

「……ッ!」

 

「ちょっ……!」

 

「……流石に言い過ぎだろう、私は家柄だけで判断する訳では無いが、特級とは言え、禪院家の当主がソレでは、御三家で一纏めに腐敗していると形容されても可笑しくないぞ」

 

「当主の座も貰っとらん準一級のカスも黙っといてくれへん?」

 

「……」

 

「―――まぁ、コレでまともに教える雰囲気でもないなったしこれが打ち止めやね。最後やけど、星の数程ある霞ちゃんのアカン所の中でも群を抜いてアカンのが縛りのセンスのなさや。何で縛る時に気付かへんのや。両足が動く、もしくはその場から離れると即簡易領域解除て。領域持ちどころか下手な術式持ちの呪いすら祓えんやろ……まぁせやから三級止まりなんやろけどな」

 

 

 そう言いながら身を翻す直哉。

 

 

「……え、具体的な指示というかトレーニングの方法とかは……?」

 

「……無駄ダ。三輪、こいつは最初から俺達に戦い方を教える気が全く無イ」

 

「私も同感だ、実際に顔を合わせて納得がいった。仮にも特級呪術師だというから禪院家といえども、僅かに期待はしていたが……期待外れだったと言わざるを得ないな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あ゛?

 

 

―――突如、背を向けている直哉から膨大な呪力が噴出する。

 

 

「「「ッ!」」」

 

「―――君ら、特級術師が何なのか理解してへんやろ?なんや“仮にも”て……まぁ君らが東京校の乙骨君みたいに、最低でも葵君くらいに伸び代と地力あるんやったら俺も教える気になったかもしれへんわ。―――せやね、今から君ら手加減無しで俺を殺しに来てええで」

 

「へ?どういう……?」

 

 

 困惑している様子の三輪霞に直哉はイラついた様子を見せる。

 

 

「チッ黙ってさっさと殺し来いや。俺が指導したる言うてんねん。本来やったら君らもう全員死んでるで?」

 

「そうカ……じゃあ遠慮なク……砲呪強化形態(モード・アルバトロス)―――呪弾射撃」

 

 

 呪力で変換された熱弾がメカ丸の掌から直哉に向けて直接打ち出される。

 だがそれはノーモーションのまま直哉、ではなく直哉の呪力によって弾かれる。

 

 

「『落花の情』……触れたものを自動で弾く呪力プログラム―――」

 

「正解や、加茂君。座学分で0.01ポイント加点しとくわ。そしてメカ丸君は-10点。掌から打つ時点で狙いが分かりやすすぎるし、そもそも詠唱が長い。そんなアホみたいに長い技名言う時点で対処してください言っとるようなモンや。まぁ代わりに威力とか上げとるんやろけど、普通に落花で凌げるくらいには威力カスやし、それでもどーしても威力上げたいんなら必須の縛りにせんとあんま効果な―――」

 

 

 ニヤニヤと煽るような笑みを浮かべて講釈を垂れ流しながら歩み寄ってくる禪院直哉。

 それを遮るかのように―――

 

 

「苅祓」

 

「タイミングとしてはまぁ正解やね、でも技の選択と狙う場所がカスや。そんなん簡単に避けられんで?-1点」

 

 

 そう言いながら顔を傾けて、高速で飛来する血で形作られた手裏剣を避ける。

 

 

「―――本当にそう思うか?」

 

大祓砲(ウルトラキャノン)

 

―――その言葉と重ねるようにメカ丸の左腕から『大祓砲(ウルトラキャノン)』が放たれる。

 直哉はすぐさま避け、然しながらその隙を狙い、直哉に向けて、駆け出す加茂憲紀。

 

 

「俺の術式説明したやん、それで近接選ぶのはア―――」

 

「百歛―――穿血」

 

 

 直哉が喋っている最中に走りながら血液パックの血を凝縮し、矢として放つ。

 しかし、加茂憲紀は禪院直哉が術式を切り、攻撃を避けると予測し、それに対応するために赤鱗躍動を続けざまに発動する。

 

 だが、その瞬間―――彼の意識に空白が生まれた。

 当然ソレを生み出したのは禪院直哉の投射呪法である―――顔面を殴り飛ばされ、加茂はメカ丸と三輪霞の足元に叩き付けられる。

 脳への強い衝撃で呻き声を上げて、意識を失っている様子の加茂憲紀。

 三輪とメカ丸、二人の間に動揺が広がる。

 

 

「―――こんなん避けるんに術式使うまでも無い。加茂君、俺をナメすぎや。-250点。バッチり赤点やね。補習はせんけど」

 

 

 そんなことを言いながら伎芸天印を結ぶ直哉。

 

 

「―――次、防がんと死ぬで?君ら。領域展開───」

 

 

 半ば反射で三輪は刀に手を掛ける。

 

 

「―――っ!」

 

 

 シン・陰流の簡易領域───だが直前で直哉は構築していた領域を敢えて崩す。

 その結果、周囲に生じるのは空白の空間。

 

 

「───ブラフや。こんなザコ相手に奥の手見せるわけ無いやろ?」

 

 

 直哉の姿が大きくブレる。

 

 

「普通に突破させてもらうで」

 

 

 刀が抜刀される前に接近し、足払いで簡易領域を解除する。

 

 

「っく―――『抜刀』!」

 

「無駄や、威力が足りひん」

 

 

 三輪は空中に浮かびながらも刀を振ろうと試みるが、直哉はその刀を落花の情で弾く。

 

 

「ッ、刀源解―――」

 

「言ったやろ?詠唱有やとホンマ遅すぎんねん君」

 

 

 直哉の掌がメカ丸の頭部を抑え、生じる1秒間のフリーズを利用し頭を蹴り飛ばす。

 たった一発の蹴りで顔の半分が圧壊するメカ丸。

 

 

「メカ丸……!?」

 

「……ガ―――ガ、平気……ダ」

 

「ま、手加減したんやし、そもそも外枠はただの無機物、ただの呪骸(オモチャ)や。そら平気やろ。それよりさっさと今回の振り返りいこか?」

 

「霞ちゃん-205点、メカ丸君は-200点やね。最初の足してメカ丸君は-210点て所や。大方、落花を使った直後やし至近距離やから思て物理攻撃仕掛けてきたんやろけどちょい遅いし見通しが立ってなさすぎやね。モード切替やらに詠唱が居るんなら自分に対しての相手の動きまで常に予測して動かなアカン」

 

「……そうカ」

 

「加茂君は……まだ起き上がれんみたいやね。」

 

「―――舐める、な……!起き上がれる……に決まっている……!」

 

「やせ我慢すんなや、脳への物理的な衝撃なんてどう血操っても無理に決まっとるやろ、君は-250.99点。端数切って-251点やね。どこをどう取ってもカスや。というか限りある血液のストック使うてやる事が手裏剣投げるてなんやねん。しょーもない」

 

「……」

 

「次や、霞ちゃんはまずそのカスみたいな縛りと隙だらけで火力もスピードも皆無な一発芸をどうにかせなアカン」

 

 

 地面に落ちた三輪の刀を拾い、鞘に戻す。

 

 

「まぁ基礎レン積んで単にスピードと威力上げるんもアリやけど、縛りで埋める方法が手っ取り早いやろ。女やし」

 

「……縛りで、埋める」

 

「そ……まぁ、せやね―――せっかくやし、霞ちゃん。君に面白いコト教えたるわ」

 

「……おイ、何するつもりダ」

 

「おっと、そんな睨まんといてや。顔半分潰れとんのに、そんな睨んでも迫力無いで?―――ま、簡単な話、っちゅーより提案言うた方が正しいやろな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なあ、霞ちゃん。俺と―――縛り、組まへん?」

 




ちょっと今回、理性が働いた結果ドブカスマイルドになってるかも。(ドブカス70%くらい。)
参考程度にアンケ設置しとくね。

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