素敵なボーイフレンドを求めて!Traveler of newcomer!   作:THE・STRENGTH

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奇跡の親子

 エンポリオ・イワンコフ、カマバッカ王国女王(永久欠番)にして革命軍所属偉大なる航路(グランドライン)軍軍隊長の彼は赤子の治療を施した後思案に耽っていた

 

 (久し振りに面白いものを見たわね…。ここまで奇跡に愛されてる子は初めて見たわよ?)

 

 復唱するが偉大なる航路(グランドライン)は雷雨、雪、は勿論、晴天が僅か数秒で嵐へ変わるなど目まぐるしく、自然の理を超えている。

 無論それによる津波の数と大きさ、そして種類も様々存在し、さらにカームベルト(凪の帯)には巨大な海王類が多く生息しているため、船に特殊な加工を施したりしなければその圧倒的な質量に潰されておしまいだ

 

 (…故に付いた名前が海賊の墓場、そんな海をこんな揺り籠一つで生き延びた赤ん坊…ふふふ…まさしく奇跡ね…本当に…ふふふふふ…)

 

 赤子の入れられていた揺り籠には何の加工もされていなかった。麦わらとパイン材、そして綿だけで作られた簡素な揺り籠。当たり前だがこんなもので偉大なる航路(グランドライン)を超えることは"絶対"に不可能である

 

 (その不可能を可能にし…ここ、カマバッカ王国にまで辿り着き、さらに奇跡はあの赤ん坊に微笑み続ける…このヴァターシが"偶然"帰郷していたのだから!)

 

 

「ヒ―――ハ―――――!!!」

 

 カマバッカ王国に辿り着いた赤子の体は衰弱しきっていた。"偶然"そばを通りがかった新人類(ニューカマー)の手により拾い上げられたが…拾い上げた所で何の意味がある?いくら治癒力の高い赤子といえど衰弱すれば免疫は加速度的に落ちる。いくら栄養を与え、温かい毛布に包もうと…赤子は死ぬ…

 

 「イワ様!例の赤ちゃんが!」

 

 「すぐに行くわ!ヒーハー!」

 

 ◆

 

 「うおぉん!おんおん…!うおぉぉ…!!」

 

 「来たわよ!奇跡のベイ…ビー…?」

 

 「…………」

 

 「…スッ…!い、息が…!」

 

 「グスッ…グスッ…あ、ああぁ…!!」

 

 「ある」

 

 「「「「「息あんのかよ!一本取られたよ!」」」」」ズコー!

 

 「…相当疲れたみたいね。寝息がほぼ聞こえないほどに静かに眠っているわ」

 

 「い、イワ様!それじゃあこの子は…!」

 

 「峠は越えたわ。もう安心して大丈夫よ」ナテナデ

 

 「あ〜ん!イワ様だけズルい!アタシもナデナデした〜い!」

 

 「「「私も私もぉ〜!」」」

 

 「こ〜ら!ベイビーが眠っているのだから静かに!お触りはこの子が元気に目を覚ましてから!」

 

 「「「「「は〜い♡」」」」」

 

 「…全く、本当にこの子は奇跡に愛されているわね」

 

 偶然流れ着いた島の住民が幸運なことに平和思考で、尚且つ蚊の鳴くような小さな泣き声が聞こえるほどに地獄耳を持ち、さらに住民同士の連携も良好…だがこれでは赤子は助からなかった。

 "偶然"にも王国の統治者が帰郷しており、さらに"偶然"にも統治者の食した悪魔の実が体内ホルモンに干渉するホルホルの実だった。そして"幸運"なことにその統治者は自ら出向いて助けに来る程にお人好しで治癒処置されるまでの時間がとても早かった…

 

 「最後に赤ん坊の体には莫大な負荷のかかる治癒&テンションホルモンをこの子は耐えきった…どれかひとつでも欠けていたら落としていたのは己の命、決して諦めないど根性が全ての奇跡を掴んだ…!オマケに…サワサワ…ふふふ…」

 

 傷ついた組織は治癒ホルモンによって急ピッチの破壊と再生を繰り返され、これまた"偶然"か赤子元来の成長ホルモンと治癒ホルモンが化学反応を起こし…赤子の肉体を強靭に仕立て上げた

 

 (耳を澄ませば骨同士が結合する音がはっきりと聞こえる…肉体の成長スピードもかなり速くなっているわ…これは強い子に育つわよぉ?)

 

 「…こんな逸材、腐らせるのは勿体ないにも程がある…!よし!ヴァターシ決めたわ!」

 

 ◆

 

 ザワ…ザワザワ…

 

 「イワ様の重大発表って何かしら?」

 

 「そうねぇ!ニューカマー拳法の新しい型ができたとか?!」

 

 「バイタルレシピの新作本が発行されるのかも〜♡」

 

 ザワザワ…ザワザワ…ザワザワ…

 

 「キャー♡イワ様よ!イワ様〜♡」

 

 「見て!イワ様が抱いているのを!例のあの子よ!キャー可愛いぃ♡」

 

 「皆静かに!イワ様がお喋りになるから傾聴なさい!」

 

 「「「は〜い♡」」」

 

 「ん゛ん゛!ヴァターシの愛するカマバッカ王国新人類(ニューカマー)乙女達(キャンディーズ)へ、今日集まってもらったのには大きく2つある。先ず1つ目、この子の名前が決定したわ!師範!」

 

 「はい♡偉大なる航路(グランドライン)の荒波をその類まれなる奇跡によって生き延びた奇跡の子…命名!」

 

 「エンポリオ・テラス!」

 

 「いや〜ん♡テラスちゃ〜ん!」「よろしくねぇ♡」「たっぷり可愛がってあげるわ〜♡」

 

 「皆待って!テラスちゃんの前にエンポリオって名前があったわ!」

 

 「「「それってつまり…!」」」

 

 「ふふふ…気付いたようね。そう…2つ目の報告は!」

 

 「奇跡の子、エンポリオ・テラスを ヴァターシの養子とするっチャブル!ヒーーハーーー!!!」

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