セキチクシティには一時間ほどで到着した。
タマムシシティとセキチクシティにはそれなりに距離があるが、
それだけ私もノワールとの会話を楽しんでいたらしい。
ノワールと手を繋ぎ、仲良くサファリゾーンの中へ。
「モルフォンはセキチクシティのジムリーダーキョウの手持ちで、特性は────」
「ふむふむ」
「歩き疲れたか? どれ、肩車をしてやろう」
「ありがとう、パパ」
サファリゾーンの中ではノワールにポケモン講義をしたり、肩車をしたりしてやった。
端から見れば普通の親子にしか見えなかっただろう。
実は目当てのポケモンが全く見つからずに気落ちした娘をどう慰めるか1週間ほど前から考えていたのだが、そんな心配は全くの杞憂だった。
まるで捕まえてくれと言わんばかりに、ノワールの周囲にポケモン達が集まってきたのだ。
目的だったケンタロスはもちろん、ガルーラ、ラッキー、ストライク、カイロス、ミニリュウ、モルフォン。
ガルーラとラッキー以外はオスメス両方。
しかも3匹捕まえたラッキーのうち、2匹が"しあわせタマゴ"を持っていた。
通常であればあり得ない。
これでノワールを天才と褒め称えても、誰も私を親バカ等とは呼べんだろう。
「この子達、パパにあげる」
「いいのか?」
「うん。私はケンタロスだけでいい」
「分かった。ありがたく頂こう」
「繁殖させて、スロットの新しい景品にする?」
「フフフ、そうだな。早速部下に連絡して準備させるか」
「スロットも今のはつまらない。改良しよう」
「つまらないか? 結構人気なんだが……。ん? ちょっと待て。ノワール、何故スロットについて知っている? 子供にはコインケースを販売しないようにしているはずだが……」
「この前、知らないおじさんがくれた」
「……いいか? 今後は知らないおじさんとは話をするな。もし話し掛けられたらすぐパパに連絡しろ。パパが
「うん、分かったよパパ」
「よし、良い子だ。それで? スロットをどう改良したいんだ?」
「ディスプレイを付けよう」
「ディスプレイ?」
「うん、テレビみたいな。そこに色んな演出を表示するの」
「演出か……。あまり想像が付かんな。例えば?」
「ポケモンバトル。バトルに勝ったら、ボーナス。他にも"どうぐ"を拾ったり、野生のポケモンが出てきたりする」
「なるほど。それは確かに面白いかもしれん」
「四天王とコラボしたら、人気出ると思う。四天王の誰かを倒したらボーナス突入で、ボーナス中はワタルとバトル。ワタルの手持ちを倒したら、ボーナス継続」
「それはいい! だが、ポケモンリーグの奴らは頭が固い。話を持っていっても協力するかどうか分からんぞ?」
「……きっとするよ。ワタルが強すぎるせいで、ここ最近のポケモンリーグは、まったく盛り上がっていない。ずっとチャンピオン不在で、四天王のワタルがチャンピオンを兼任している。彼らとしても、もっとリーグを盛り上げて、収益をあげたいはず」
「ポケモンリーグを盛り上げるためか……。ふむ、
「パパ、違うでしょ? とっても
「フフフ、そうだな。ロケット団のボスの娘に相応しい、とっても
私は愛しい娘の頭をグリグリと撫で回す。
この娘は一体どんな大人になるのだろうか?
何れにせよ、この私以上の大物になるに違いない。
トレーナーとしても、商売人としても、そして────。
────