ロケット団首領の娘   作:ポコポコぱんぱん

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第08話 シルフカンパニー襲撃①

 

何で私がこんな目に遭わないといけないの……!?

 

 

「我々はロケット団! このビルは我々が占拠した! 痛い目に遭いたくなければ抵抗するなよ!?」

 

 

私はここ、シルフカンパニーに勤める受付嬢。

愛するポケモンのピッピちゃんとヤマブキシティで暮らしている。

 

今まで彼氏も作らず真面目に頑張って勉強して、何とかこのシルフカンパニーに就職した。

そして厳しい新人研修を終え、やっと今日から本社の受付嬢として配属されたっていうのに……!

 

まさかこんな日に、あの悪名高きロケット団に会社が襲撃されるなんて……!

 

 

「おいお前! 社長室まで案内しろ!」

 

「は、はい。でも、す、すみません、私達今日配属されたばかりで、まだ場所が……」

 

 

そう、丁度私達の指導係の先輩が席を外したタイミングで襲撃されたので、ここには新人の私達しかいない。

食堂とかならまだしも、社長室なんて新人の私達とは縁が無い所の場所なんて覚えていない。

 

 

「なんだとッ!? この役立たずがッ!」

 

「きゃあッ!?」

 

 

私の同期の子がロケット団の男にビンタをされ、その衝撃で倒れ込む。

 

 

「おい、何泣いてるんだ? 泣いたって誰も助けに来ないぞ! さぁ、さっさと立てっ!」

 

「いやぁ! 痛い痛い! お願いやめて!」

 

 

泣いている子が髪を掴まれ、無理矢理立たされようとしている。

ひ、ひどい!

私は思わず立ち上がった。

 

 

「あ、あなた達! 止めなさい!」

 

「なんだぁお前は?」

 

「そ、その子、痛がってるじゃない! 乱暴しないで!」

 

「じゃあお前が代わるか? あ゙ぁ゙ッ!?」

 

 

こ、怖い……。

私は思わずモンスターボールを構えてしまった。

 

 

「お、なんだ? ポケモンバトルか? いいぜ、相手になってやるよ」

 

「お、お願いピッピちゃん! 助けて!」

 

 

私は震える手でなんとかボールを投げ、相棒のピッピちゃんを出した。

私は一応トレーナー資格を持っているが、ピッピちゃんを所持する為だけに取得したペーパートレーナーなのでバトルの経験は全くない。

 

ボールから出たピッピちゃんは私を守るようにその小さな両手を広げるが、その身体は私同様少し震えている。

 

 

「おぉ! ピッピじゃないか! こいつはマニアに高く売れるぞ! よし、そいつは俺達ロケット団が貰ってやるよ! もちろん、バトルでブチのめした後になぁ! 出てこい! アーボック!」

 

「シャアーーーッ!」

 

 

ロケット団の男はアーボックを繰り出した。

 

お、大きい……!

うちのピッピちゃんはピッピの中でも小柄で、身長は50cmもない。

一方、ロケット団の男のアーボックは頭が天井に届きそうな程の大きさだ。

 

ポケモンバトルに身体の大きさは関係ないが、きっとピッピちゃんでは勝てない。

もしかしたら酷い怪我をしてしまうかも……!

 

だからって抵抗しなければピッピちゃんは奪われ、私も何をされるか分からない……!

 

一体どうすれば……。

誰か…………助けて…………。

 

 

 

 

 

「────そこまでだ」

 

 

 

途方に暮れる私の耳に、低くて渋い男性の声が聞こえてきた。

 

 

「女性の扱いがなっていないな」

 

 

真っ白なシャツに真っ黒なスーツ。

髪型もビシッとオールバックにキメた、ナイスミドルなおじ様がそこに立っていた。

 

 

「なんだぁてめぇは? オッサンがカッコつけやがって……!」

 

「勇敢なお嬢さん。私が来たからにはもう大丈夫。何も心配いらないから、少し下がっていなさい」

 

「……は、はい! ありがとうございます!」

 

 

そのおじ様はロケット団の男を無視し、私に向かって優しく微笑みながら気遣ってくれた。

 

カ、カッコいい……!!!

 

私は別に年上趣味ではなかったのだけれど、今の笑顔にはこの状況も忘れてトキメイてしまった。

 

 

「この野郎ッ! 俺達は泣く子も黙るロケット団だぞ!」

 

「泣く子も黙る、か……。ならば、私の事も力尽くで黙らせてみたまえ。あぁそうそう、時間が勿体ないので君達全員で掛かって来てくれて構わんよ」

 

「どこまでも俺達を舐めやがって……! おい、全員ポケモンを出せ!」

 

 

ロケット団の男が繰り出したポケモンは、ベトベトンやマタドガス、スリーパーやラッタなど、いずれも最終進化している凶悪なポケモンだ。

それにも関わらず、相手の数も多いし多勢に無勢……なんて事は全く考えなかった。

 

どんな悪意からも必ず護ってくれる。

おじ様には、そう思わせるオーラがあった。

 

 

「そういえば、自己紹介がまだだったな。私はトキワジムのジムリーダー。カントー最強の"じめん"タイプ使い、サカキだ!」

 

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