幼馴染(天使)が幼馴染(偽)だった。天使なのはガチだった   作:ビスマルク

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投稿速度上げろ!!感謝祭だ!!!



光天使とお出かけ ②

 

 

 手を繋ぎながら歩いて着くのはシオンモール新都、この街に存在する最も大きく品ぞろえも豊富なショッピングセンターだ。当然中には服屋がある、その数は1や2ではない。色んな服を見て買うという目的にはこれ以上ないくらいに合致しているだろう。

 

 

「じゃ、じゃあ行きましょうか」

 

「そうだね。とりあえず二階が衣料品店が集中してるみたいだからそこに行けばいいか」

 

 

 心臓がバクバクしているのを気付かれないように何でもないように言う。手を繋ぐというだけでここまで照れるとは思わなかった。デートしようと軽くいったがこれは軽く済む問題じゃない。少なくとも今夜はエルの柔らかい手の感触を思い出して眠れなくなりそうだ。

 

 後ろをチラリと覗き見するとエルの方はエルの方で顔を下に向けて表情が見えない。が、髪の隙間から見える耳が真っ赤になっているので多分同じ気持ちでいてくれると思う。異性と手を握るってなんでこんなに照れ臭いんだろう。世のカップル達はどうしてこれを平然と行えるのか不思議で仕方ない。

 

 

「えっと、このマルクロという店に行きましょうか?安いと評判ですし」

 

「エルの私服買いに来たのにマルクロで済ませるとか僕が許せなくなるのでNGで。いやいい店なんだけど今回の目的にはそぐわないから」

 

「ですけど服にお金をかけるのはちょっと……」

 

 

 エルの言葉に内心頷く。正直言って服に関して僕はド素人だ。しかもそもそも自分の服に関しても変じゃなければいいと思って無難な物を安くていい店のマルクロで揃えている。なので彼女の言っていることには全面的に賛同できる。それが自分のものならという注釈がつくが。

 

 

「やだ。エルが着飾ってるところを僕が見たい。綺麗な服着たエルを見たいから、ちょっと高くても買いに行く」

 

「りょりょ、りょ、りょうくんがそういうなら、そうしましょう」

 

 

 凄いことを言ってしまった気がするが気にする余裕はない。マルクロの前を通り過ぎてネットで事前に調べていたレディース専門店に向かう。口コミ評判では店員さんの対応がとてもしっかりしているとのことだ。服に関して僕が口だし出来ることが少ないのであればもう店員さんに頼んで選んでもらい、そこからエルの好きそうな物を買うという形で行くべきだろう。

 

 

「い、色々とありますね。ズボンとかも種類がありますし……あ、あのスカート可愛いかもです……」

 

「服が多すぎる、不味い。片っ端から選んだとしてもエルなら似合うという確信がある……!!」

 

「あ、あのリョウ君?は、恥ずかしいのでそう言う事は出来るだけ口にしないように……!!」

 

 

 つい思ったことを口にしてしまう癖は直さなければと思っているが一向に改善しない。恐らくこの癖のおかげでエルの恥ずかしがっている表情が見れるからだと思う。直す気は本当はないと言い替えてもいいだろう。

 しかしやはり予想通りだ。僕もエルもこういう場で服を選ぶということが全く出来ない。放っておけば店の中心で二人して立っているだけの置物になりかねない。ということで早速最後の手段に出ることにする。

 

 

「すみません店員さん!!僕の隣にいるこの天使みたいな娘に最高に可愛い服を着せたいんですが構いませんね!!」

 

「えっ!?」

 

「あら、あらあらあら!!!本当天使みたいな娘ね!!!ちょっと貴方物凄い可愛い彼女じゃないのよぉ!!!」

 

「えっあの、なんで私が天使っt」

 

「本当に天使みたいに可愛い子ですよねッ!!!!」

 

 

 エルが混乱して自らの正体を言い出しそうになるのを言葉を被せることで防ぐ。認識阻害があるから大丈夫だとは思うがそれでも万が一ということがある以上止めることが正解だと思いたい。

 

 

「うーん、本当に可愛らしいわ……。色んな服が似合いそうだから試したくなるのも分かるわね……」

 

「そうなんですよ。ただ僕達こういう店に来たことないから全く分からなくて……是非彼女に似合う服を用意して欲しいんです」

 

「それはいいけど予算はどれくらいにするのかしら?それによって選べる服も変わってくるわよ?」

 

「これくらいでお願いします」

 

 

 一人暮らしで色々と節約した結果溜まった10万円が入った財布を開く。うちの親は仕送りしてくれるのはいいのだが色々と適当なのでこれくらいでいいだろうと入金してくる。そう、生活費にしては大分多いのだ。彼女が出来たらそっちに使ってもいいと言われてるし喜んで使わせてもらおう。

 

 

「りょ、リョウ君!?どうしたんですかそのお金!?」

 

「何って、生活費兼お小遣いを溜めた結果だけど……。僕のお金だから大丈夫だよ」

 

「いえ自分のお金なら自分で使わないと駄目ですよ!!それはリョウ君の努力の証でしょう。自分の分くらいは自分で」

 

「えっ、だから自分の為に使ってるんだけど……。何度も言うけど、エルが綺麗な服着てるところ見たいからだし……完全な私欲だよ?」

 

 

 何を言ってるんだろうこの子は。そもそも服を欲しがっていないエルに色々と着てほしいって考えで誘ったんだから完全に僕の都合なのに。

 エルがその小さい口をパクパクと開け閉めしているが、凄くレアな光景なので是非映像で残したくなった。見つかったら絶対怒られるのでやらないけど。

 

 

「お嬢さん、諦めなさい。この手の男は数は少ないけどまず主導権を握るのは不可能よ。波を乗りこなすように慣れていくしかないわ」

 

「りょ、リョウ君の言葉に慣れ、慣れるのは無理、無理です……!!」

 

「まるで僕を常識外のように言うじゃないか……?」

 

「そこで疑問を持つ辺り自覚が足りていない証拠よ?貴方、もう少し自分が強火なのを理解しておきなさい。じゃないと…………いつか刺されるわよ」

 

「わ、分かりました」

 

 

 何故僕は初対面の店員さんに本心からの警告を貰っているんだろう。その言葉の重みに思わずうなずくが何をどう理解すればいいのかが分からない。やはり本心を垂れ流しにする癖をやめるべきという事だろうか。非常に難しいが刺されるのは困るので頑張るとしよう。

 

 

「それじゃあこの娘に合う服を幾つか持ってくるわ。どんなのがいいか、イメージでもいいからリクエストはあるかしら」

 

「えっと、あまりゴテゴテした飾り物がついた物は、ちょっと……。普段着に使える感じの服をお願いしたいです」

 

「これから暑くなると思うんで出来るだけ涼しい感じの奴でお願いしようかな。あとこう見えて結構動くので中身が見えないようにお願いします」

 

「リョウ君?私そんな印象なんですか?」

 

「…………エル、ちょっと無防備なところあるから。制服でも時々見えそうになってるよ、スカートの中」

 

「っ!??!??!」

 

「二人の要望は分かったわ。それじゃあちょっとそこの椅子で座って待っててちょうだいね。すぐに三着くらい用意するわ」

 

 

 瞬間湯沸かし器のごとく顔を瞬時に真っ赤にさせるエルを尻目に店員さんが笑いながら服を取りに行く。いやはや、こういう店に来たのは初めてだけど凄い話し易かった。やはりプロというのはお客さんに対する対応というものが違う。

 ノリが良く見えたのも恐らくは相手が僕達だからであって全員にあのように対応してるわけではない。相手に合わせて話し方を変えて、お客さんの情報や要望をちゃんと聞く話術の達人だろう。ああいう人を格好いいと本気で思う。

 

 

「…………あの、リョウ君。本当に見えそうだったりするんですか?」

 

「僕は見ないけど、ハンバーグとか用意してる日とかルンルン気分で階段上がっていくでしょ。スカート、結構捲れてたから気を付けた方が良いよ」

 

「リョウ君のえっち」

 

「ぐほっ!?」

 

 

 その表情とその言葉のコンボは不味い。何が不味い言ってみろ。いやだって赤い顔でこっちをチラチラ見ながらボソッとえっちって呟くってそれこそ煩悩刺激してくるよ。

 相手が僕でここがお店の中でよかった。理性の弱い奴だったらあの表情を見た時点で告白からのゴールインを目指すところだろう。(自称)理性の鬼である僕だからこそ致命傷で済んだと言える。でももう少しエルは自分の魅力を分かっててほしいです。僕のような犠牲者が出る前に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっわぁ……あの表情滅多に変えないエルっちパイセンが滅茶苦茶レアな顔してる……。これヒャンちゃん辺りが見たらあの男の人ぶん殴られそうっすね……」

 

「気持ちは分からないでもないけど人の恋路……いや人じゃなくて天使だけど。その恋路邪魔したら馬に蹴られて死ぬわよ」

 

 

 服屋の外からリョウとエルの様子を見る二人の天使はその身体能力と強化術を使い視力と聴力をアップ、二人の様子を完璧に覗き見&聞き耳を立てていた。

 アリナはいつも見ている姿からは想像出来ないレベルの“乙女”な顔をしているエルを見てひとり戦慄している。一方のシルフィはよくリョウの話をエルから聞いているからかさもありなんという表情を隠しもしない。

 

 

「しっかしエルっちパイセン、あれであの人『ツガイ』にするつもりないってマジっすか。もうあの人以外選べる相手いないでしょ、あの様子からするに」

 

「『ツガイ』にするには相手に全部曝け出す必要があるでしょ。あの子、それを怖がってんのよ。自分が天使だってバレたら嫌われるかもしれないって」

 

「いやぁ、あそこまで尽くすタイプなら平気で受け入れると思うんすけど」

 

 

 呆れた様子で呟くアリナは最早さっさとくっついて欲しいという感情を隠しもしない。彼女の好みのシチュエーションは結構ドロドロしてる感じだ。それを考えるといつまでもくっつく直前でイチャついているというのは胃もたれする。

 

 アリナには三角関係とか見るだけでも腹がよじれる程に笑う自信があるし、その後死んでも後悔はしないというタイプでもある。自分の性格と趣味が悪いことは自覚していた。

 もっとも、最後はハッピーなエンドだと確信できない修羅場を目にすると逆にお腹を痛めるタイプでもあるが。弱いオタクともいえるかもしれない。

 

 

「そうやって大丈夫だと思って言ったら拒絶されて戦えなくなった天使が何人いるか分かってんの?一人から貰う“愛”は質がいいけど、失った時即座に戦力外になるわ。あとメンタルガタガタになったエルを慰めるとか私やりたくないの」

 

「あー、それはアタイもごめんっすわ。ヒャンちゃんなら喜んでやると思うんすけど」

 

「あの子は……うん、沢渡君とは会わせない方が良いわね。興奮して認識阻害を貫通するレベルのぶっちゃけをするのが容易に想像できるし」

 

「今回の件も知ってたら介入して来たんすかねぇ」

 

「それはないわね。エルがデートとはいえ色んな服を買うってことに感動して気絶すると思うわ」

 

 

 酷い言われようだが天使の中にもぶっ飛んだキャラの仲間がいるらしい。辟易とした表情のシルフィと、それとは正反対の溌剌とした笑顔のアリナは対照的と言えるだろう。

 

 

「しかし、なんというかこう、酷く手馴れてるように見えるわね……」

 

「調査の段階では女性関係とか目立ってなかったはずなんすけど。いや真っ赤なエルっちパイセンとか見れたし写真も撮れたんでアタイとしては万々歳すけど……」

 

「沢渡君、多分だけど天使に対して相性良すぎるのよねぇ。あそこまで尽くされて“愛”を感じたら天使としては応えたくなるだろうし」

 

「本能みたいなもんすからねぇ。エルっちパイセン以外の天使はあんまり関わらない方が良いと思うっす」

 

 その種族特性上、彼女達天使は愛の量を大まかにだが把握できる。自分に向けられたものではないとはいえエルの反応を見る限り相当本気で向けてくれてるのが分かる。

 同じ天使としてあれは相当嬉しいだろうなと察する二人は同時に思った。あの人天使に近づけたらどんな化学反応起こすか分からないと。

 もうとっくに悪魔と出会い覚醒している為化学反応を起こすことが確定していることを二人は知らずに何もないことを祈っていた。

 





 次話は今日の19時頃に投稿しまーす

 いつ頃がいいのかちょっと分かんないですけど一日二話投稿するならちょっと時間離した方が良いかなって。

一章完結目前 ヒロイン誰が推し?

  • 無表情赤面幼馴染天使エル
  • ツッコミ系メスガキ詐欺悪魔リルナ
  • 承認欲求アイドル天使シルフィ
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