幼馴染(天使)が幼馴染(偽)だった。天使なのはガチだった   作:ビスマルク

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デート回書いてる時が一番筆が止まりやすい。服のことなんか何もわかんねぇ……!!

ラブコメ作品なのにそれでいいのか?と思いつつ色んな漫画を参考にして頑張ります

一番好きな恋愛漫画はフルーツバスケット、かな。後半かなり重かった気がしますが気のせいでしょう多分。

夾君と透君はいいですね、時に「幻滅だ」からのすれ違いからの和解&告白は最高です


光天使とお出かけ ③

 

 

「3着頑張って絞り込もうとしたけどどう頑張っても10着までしか無理だったわ……!!無力な私を許してちょうだい……!!」

 

「そんな……顔を上げてください店員さん!!エルに似合う服なんて難題に対してそこまで絞り込めたのは間違いなく店員さんの実力ですよ!!可愛いと綺麗の二つを併せ持つエルの魅力が過ぎるのが問題なんです!!!」

 

「リョウ君っ!!!」

 

 

 色んな服を持ってきてくれた店員さんを頑張ってフォローしていたら横からエルに怒られた。おかしい、本当のことを言ってるだけなのに。それも褒めてるはずなのになぜ僕は怒られているのだろう。

 

 

「とりあえずこっちが普段着用の物ね。聞いた限りお嬢さんは周囲の視線に疎いみたいだから動きやすさと隠しやすさをってことでズボンにしてあるわ」

 

「あまり締め付けられるような感覚は好きではないのですが……」

 

「それじゃあこっちのジーンズはなしね。で、こっちの2枚は締め付けもなく、緩めで着られる奴よ。感覚的にはパジャマみたいな感じでゆったりしているからお嬢さんの要望にも応えられると思うわ」

 

 

 エルの追加要望に対して即座に二の矢を持ってくる。これがプロの接客、恐ろしいと言わざるをえない。ちなみにエルの反応的にズボンはあまり、という感じだ。確かに今もそうだが彼女はスカートを着るのを楽しんでいる節がある。

 ドルなんとかとかいう上級悪魔と戦っている時の天使衣装もヒラヒラしていたから種族的にそっちの方が好きなのかもしれない。ヒラヒラしてる服装は実に似合っていたので間近で見たいが頼んでも多分恥ずかしがると思うので我慢することにする。

 

 いやでも数ヵ月後にある学園祭でメイド喫茶を捻じ込めば……いやダメだ、僕とエルはクラスが違うのでこちらでメイド喫茶をやったとしてもエルがメイド服を着ることはない。

 そうなると来年、三年生になった時がラストチャンスかもしれない。同じクラスに入り、その上で学園祭でメイド喫茶を提案し、捻じ込む。これが僕のヴィクトリーロードということになる。今から協力者を集め外堀を埋めて、いざその時になったら一気に攻め込むのが常道だろうか。

 

 

「リョウ君、試着が済みました。この二着のズボンは買おうと思います」

 

「えっ!?僕見てないんだけど!!!」

 

「はい。リョウ君が考え事をしている時を見計らって着てきました。……普段着ですから、リョウ君は家で見れます。なのでそんなに落ち込まなくても……」

 

「こういうところで見るって言うのも乙なものだと思うんだ!!」

 

「甘いわね少年……。ちゃんと恋人のことを見ていないから後悔することになるのよ?」

 

「こ、恋人じゃありません!!!…………まだ、ですけど……」

 

 

 そんな大きい声で否定しなくてもいいじゃないかと思い更に落ち込む。後半は小さすぎて聞こえなかったが僕は難聴系主人公ではないと主張したい。いきなりの大声で耳がちょっとキーンとするくらいには耳がいいはずなのだ。

 

 

「さて、それじゃあ次は少年とお嬢さんのご要望に合わせた服の試着と行きましょうか。少し時間はかかると思うけど、覚悟はいいかしら?」

 

「いえ、エルの為に使う時間ならいくら使ってもいいですけど。半日でも一日でも使いますけど」

 

「リョウ君……!!」

 

 

 なんだか今日のエルはリョウ君botになっている気がする。あと顔に血が上りやすくなってる気もする。天使ならば身体も強いし病気にはなりにくいと思うんだがもし病気の場合って普通のお医者さんじゃダメだろうし病院どこに行けばいいんだろうか……。

 

 

「じゃあお嬢さん、こちらの試着室へ。数が多いけど貴女の覚悟はいいかしら」

 

「あの、服を着るだけですよね?何故、そんな覚悟が必要になるんですか……?」

 

「だってあの少年、色んな服着た貴女を見る度に褒めまくるわよ?大丈夫?耐えられるの?」

 

「…………が、頑張ります……」

 

 

 そのままエルは店員さんが用意した服を持ち試着室の中に消えた。言葉もなくその姿を網膜と脳に焼き付けようとする僕の耳に衣擦れの音が届く。楽しみ過ぎて体感時間が100倍にも達しそうだった。

 

 

「えっと、まずはこれで……」

 

 

 そこから先はもう、言葉にならなかった。多種多様な外に出掛ける用の服を着たエルに見惚れるだけではいけないと本気で褒めまくったが、それでも言葉と語彙が足りている気がしなかった。

 

 簡素な服はエルの素の魅力を際立たせている。今日エアロードさんの友達から借りてきたというワンピースを着てきた時にも思ったが、変な装飾はない方が良いと思わせる美少女っぷりに言葉も出ない。もうこれで良いんじゃないかと何度も思ったくらいだ。

 

 だが後半ではそんな僕の安易な考えを打ち壊しに来た。エルの要望通り、動きやすさを重視しつつ服にリボンやヒラヒラが付いている服を着たエルはこれまた別の魅力を見せつけてきたのだ。下手な例えになるが、スイカの甘さを際立たせるために塩を少しかけるようなものだろうか。装飾があるからこそエルの美しさがより映える。

 

 

「店員さん、貴方は神だ……!!そしてエルは天使だ……!!!」

 

「ここまでの逸材は私の長い接客歴の中でもダントツだったわ……。こちらも、お嬢さんを着飾る手伝いが出来て楽しかった。今日はこの店を選んでくれてありがとう、お客さん」

 

「……服を選ぶ、着るというのも楽しいものですね」

 

 

 そう呟いた彼女の手には何もない。これは服を買わなかったというわけではなく、むしろ逆で欲しい物が多かったため郵送してもらうことになったからだ。この後他にも色々と回りたい、という僕の要望を聞いた店員さんが気を遣ってくれた結果だ。郵送料などはかかるが持ち運ぶよりは大分いいだろう。

 

 

「あの、リョウ君」

 

「ん?なにかな」

 

「……また、服を買う時は一緒に来てもらえますか」

 

「……僕でよければ、喜んで」

 

 

 店員さんの目が「初々しいわ……」と言っている気がするが無視をする。いやだってこんなこと言われたら頷くしかないじゃないか。エルも楽しんだみたいだが、僕だって彼女同様楽しんだのだから。

 

 

「この店は服だけじゃなくて他にもリボンとか売っているけど、そういうのは見るかしら?」

 

 

 店員さんに言われてふと思い出した。エルが試着している間、少しその場を見て回り買った物が二つあり、そのうちの一個を服を買って心なしかウキウキしているエルに差し出す。

 

 

「エル、これ良かったら貰ってくれる?」

 

「えっ、リョウ君これは……」

 

「ちょっと待ってる時間が勿体ないと思って、エルに似合いそうなのを探してきたんだ」

 

 

 そう言って手渡した綺麗なケースに入っているのは花を模った髪飾り。彼女の銀髪に合うかなと思って選んだ白いサザンカを模した物だった。

 驚いているエルに少しは甲斐性というものを見せることが出来たかもしれない。服を買いに来ておいて他を選ぶというのはどうかと思ったが、服に関しては店員さんの方が適任だろう。だからといってそれで僕が何もしないというのは選択としてはありえないと思ったのだ。

 僕が選んだ物をエルに付けて欲しいと思って買った物。もちろん受け取ってもらえるかはわからないけれど喜んでくれればいいなと思ってそれを渡す。

 

 

「…………」

 

「受け取ってくれると嬉しい、かな」

 

「えっ、っと……凄く、凄く嬉しい、です。あの、リョウ君の手で、付けてもらっても、いいですか」

 

「いいけど、髪に触ってもいいの?」

 

「はい。リョウ君なら、触ってもいいです」

 

 

 こちらを下から見上げてる彼女の手に買ったばかりのケースから取り出した髪飾りを付ける。つけ方は店員さんから聞いていたのでスムーズにいくかと思ったが、エルの髪に触れる時は恐る恐るだったので少し時間がかかった。ふわっとしたいい匂いもして脳をくらくらさせながら付けたそれは、エルによく似合っていると思う。

 

 

「どうですか?」

 

「うん、似合うよ。凄く可愛いと思う。僕はだけど」

 

「リョウ君がそう思ってくれるなら、それでいいです」

 

 

 互いに顔が赤くなったまま、手を繋いで店を後にする。店員さんのこちらを見る目は物凄く暖かった。店の外まで見送ってくれて「またのお越しをお待ちしております」と姿勢を正して言っているところは凄く格好良く、少し憧れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見てて胸焼けするし、聞いてるだけで砂糖吐きそうなんすけど。なんすかあの初々しいカップル。エルっちパイセンがあんなになってるとか恋って凄いっすね」

 

 

 そりゃ十年来の初恋を未だに引きずった結果だもの。口から出そうになったその言葉を無理矢理押し込んでアリナの言葉にシルフィは黙って頷いた。

 実際やってる側はいいが見ている側は色んな意味で心が持たない。彼女達は知らないがリョウの中にいるリルナは気遣いもあるにはあるが、眠ることにした一番の理由はこの二人のやり取りを見ていたら砂糖の過剰摂取で体調不良になりそうだと判断したからだ。

 

 

「しっかし相手側も大分入れ込んでるじゃないすか。いやエルっちパイセンと一緒の家で同棲したらそりゃそうなるかもっすけど」

 

「あとは、まぁ面倒見がいいのよね沢渡君。一人暮らししてたからか家事も全部やろうとしてたらしいし。流石に全部を任せるというのは嫌だって言って掃除洗濯はエルがやってるらしいけど」

 

「掃除はともかく洗濯は……下着とかもあるっすし……当然というべきでは?」

 

 

 ちなみにだが、まだ認識阻害が効いていた時期のリョウは顔色も変えずにエルの下着を含めた全てをちゃんと丁寧にそれぞれの方法で洗濯していた。彼曰く「女性が着けてない下着とかただの布じゃん」とのことらしい。処理も完璧だったが、それを見たエルが流石に羞恥心が湧いて珍しく大声を出して怒ったことからリョウも反省しているが。

 

 

「そういえば……沢渡先輩でいいか、呼び方。あの花の髪飾り以外も買ったみたいなんすけどエルっちパイセンには渡さなかったすね」

 

「自分用に買ったんじゃないの?別に買った物全部エルに渡すべきってわけでもないし」

 

「それもそうっすね。そこまで行ったら最早恋人とかじゃなくて貢ぐのが趣味の人になっちゃうっすし」

 

「しかし……全部知ってアレが反転したと思ったら……それは確かに言えないわよねぇ……」

 

「この件に関してはエルっちパイセンを強く責められないっすね……」

 

 

 実際には自分の記憶が弄られていることを知ってなお相手を想っている異常者の部類だがそうとは知らない二人はエルの判断に一定の理解を示した。

 心地いい関係から踏み出せない、踏み出せば壊れるかもしれないとの想いはエルの立場を考えれば考える程分かると天使二人は頷いていた。

 

 

「いやしかしあのお店の店員さん凄かったすね」

 

「ええ、凄い気さくだったわ。見た目でっかいゴリラみたいな筋肉してるのに所作が綺麗だったわ」

 

「エルっちパイセンとは別の意味で一度見たら忘れられないっすわ」

 

 

 もっともその後一番印象に残った人物の話に移るが。

 我妻源才38歳。リピーターも多い名物店員であった。

 




服屋の店員さんが予想以上に動いてくれて大分助かった……。

一章完結目前 ヒロイン誰が推し?

  • 無表情赤面幼馴染天使エル
  • ツッコミ系メスガキ詐欺悪魔リルナ
  • 承認欲求アイドル天使シルフィ
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