幼馴染(天使)が幼馴染(偽)だった。天使なのはガチだった   作:ビスマルク

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一度躓くと別作品を書きたくなる病、あると思います。完全ファンタジー世界書きたい。
ステータスとかスキルとか設定としては好きだけどそれを登場人物が把握しているって言うのは便利すぎねぇかなって毎度思う。

いやそれよりなんとか二章にケリをつけろ俺……!!!



影法師と悪魔達

 作られた街の中で二つの人影がぶつかり合う。黒い蝙蝠を思わせる翼を広げた女悪魔は手に持った双剣を振るい、ドッペルは黒い影を腕に纏わせ受け止める。激しい金属音が二人の鼓膜を揺らすも互いの動きに一切の乱れはない。

 

 

「“突影(とかげ)”」

 

「チッ!!!」

 

 

 足を止めた瞬間に自身の影がその顔を狙ってくる。警戒はしていても近距離戦を繰り広げればどうしても足元が疎かになってしまう。女悪魔は咄嗟に顔を逸らして避けるも体勢を崩したその瞬間ドッペルが強烈な蹴りを腹部に打ち込み瓦礫の中へ吹き飛ばす。

 

 

「一人目」

 

「隙、ありデス!!」

 

 

 瓦礫に埋まった女悪魔は意識を失くしこの空間から消える。それを見届けて少し気を抜いた隙を突いて上空から猛スピードで落ちてくる二人目の悪魔。この速度でぶつかれば上級悪魔と互角以上に戦ったドッペルですら無視できないダメージを負う。そもそも“欲望”の力で強化しているとはいえ人間の身体の為、限界はあるのだから。

 

 

「デスっ!?」

 

 

 だから狙いは悪くなかった。ただ彼女達は意識していなかっただけだ。ドッペルは沢渡亮という人間とリルナという下級悪魔二人による存在だと。例え一人が気を抜いたとしてもその隙をカバーする相棒がいる。それがその強さの一端だということを。

 

 

『残念気付いてるよ』

 

「先に言ってくれ、リルナ」

 

 

 上空から突撃して来た悪魔を“影牢(かげろう)”を自身を中心に形成することで防ぐ。ドッペルの技の中で最も硬度に特化したその技は上級悪魔であるドルザルクですら力づくでは破れない。力を取り戻したとはいえ元々中級悪魔だった女悪魔では破れず、かといって止まることも出来ないでガラスにぶつかった鳥のように声を上げて意識を失う。

 

 

「二人目」

 

『残り一人だね。“影感知”の範囲内にはいないみたいだけど』

 

 

 二人目の悪魔が光に包まれて消えるのを見届けて“影牢”を解除したドッペルは周囲を見渡すもあと一人が見つからない。自身の影を広げることでそれと接触した者を感知するも反応は無機物ばかりであり生物の反応は一切ない。

 

 

「こうやって隠れられると面倒なんだよな……」

 

『“影形(えいぎょう)”を使って探そうとするとその分他の影技の強化が甘くなるからねぇ。これに関してはアタシも模擬戦で知ったばっかりで改善方法探してるけど……』

 

「三人目の能力(ちから)がどんなものか知らない以上あまりリスクは負いたくないしな……」

 

 

 リョウが呟いたと同時にそのひとり言をかき消すほどの大音量が破壊力を持って襲い掛かる。思わず耳を塞ぎその場に膝をつくドッペルを周囲の建物が崩落し降りかかる瓦礫が圧し潰そうと迫ってくる。“影牢”を形成する間もなくドッペルは瓦礫の下に消えていった。

 瓦礫がぶつかり合う激しい音と土埃が収まるのをドッペルの“影感知”の範囲外の離れた場所から観察していた最後の女悪魔は強く手を握り締めてガッツポーズを取る。

 

 

「おっしゃああああああ!!!俺の勝ちだぁあああああああ!!!!!」

 

 

 影を操る能力と無尽蔵の“欲望”からくる戦闘経験の差を容易に踏み越えてくるドッペルを倒すことこそが今の彼女にとっては全てだった。自分を倒し捕らえたドルザルクをいつか必ず打ち倒し殺すことを目的にしていた彼女にとってドッペルとは恩人という以上に自分の実力を発揮する機会を奪った敵だった。とはいえこういった模擬戦でしか戦うことをしない程度には感謝はしていたが。

 

 

「はんっ!!これならすぐにでも上級悪魔になれるな、俺も……!!」

 

「――――勝ち誇るのが早いんじゃないか?」

 

 

 勝利を確信したその時、足を掴まれ無理矢理影の中に引きずり込まれる。

 降りかかる瓦礫を防ぐのを諦めたドッペルは咄嗟に影の中に身を隠すことでその被害を避けた。そして音が発生源の元へ影の中を走り辿りき、そのまま引きずり込んだのだ。

 一瞬で視界全てが黒に染まり、その急激な変化に追いつけない女悪魔目掛けてドッペルはその拳を振るう。

 

 

「グホォッ!?」

 

 

 上級悪魔のドルザルクにさえダメージを与える影を纏わせた拳の威力は混乱していた女悪魔の腹部に突き刺さり一気にその身体を浮かし影の中から飛び出させた。悶絶しながら錐もみし、翼を広げることも出来ない女悪魔の元に追撃で伸ばされた影が襲い掛かる。

 

 

「“突影”」

 

『これで終わりィ!!!』

 

 

 最後の三人目が光に包まれて消えると同時にドッペルの身体もまた光始める。1対3という話だったが1対1を三回繰り返しただけだったなと思いながら自身の反省点も考える。今のままでは協力している複数人を相手にするのは難しいと考えながら。

 

 

 

 

 

 

 視界が光から解放されると見えてきたのは最近見慣れてきたバイト先の地下実験施設の光景。そこに用意された訓練用の部屋だった。

 悪魔の能力を限定的にだが底上げするというこの部屋を、空間操作の能力を持つ中級悪魔が使用することで別空間を作り出すことに成功したとかなんとか。正直理論はあまり分からないが、これを聞いたリルナが物凄い驚いていたので凄いことなのだろう。

 

 

「チクショウ負けたァ!!!!」

 

「ドッペルさんに勝てると思う方がおかしいデス。真正面から上級悪魔をぶちのめした人間なのデスよ。しかもそれが初実戦とかありえないデス」

 

「だからって負けたら悔しいだろうがよ。勝ったら自由にしていいって話だしな」

 

「ここから出て行ってどこ行くって言うデスか。頭悪いにも程があるデス」

 

 

 部屋から出るとそこには二人の悪魔が言い争っていた。先程模擬戦をしていた二人はドルザルクに捕らえられていたところを助けられ、教授によって衣食住を保証される代わりにここで暮らしているらしい。

 

 口調が荒々しいのはダフネ。彼女は僕にとってここで接する悪魔の中では大分やりやすい相手だ。恩義はあれどそれはそれこれはこれで普通に接してくれる。他の子達は助けられた状況が状況の為なのか凄いキラキラした目で見てくるのでちょっと困る。

 

 そのダフネと特徴的な語尾で言い争いをしているのはディアンナ。こちらも僕にとってはやりやすい。非常にやる気がないというか漁夫の利で美味しい所だけをいただきたいというのが透けて見えるというか。分かりやすく怠惰な彼女はそれを与えてくれる今の環境をかなり気に入っているらしく、外に出たがっているダフネとは度々言い争いになっている。

 

 

『一ヵ所にこんだけ悪魔がいるって言うのは凄く珍しいことなんだよねぇ。少なくとも上級悪魔がこれだけ揃っていたら殺し合いになるだろうし』

 

「それはもう組織としては致命的なんじゃないかな……?」

 

「悪魔は階位が上がるごとにその欲と自我が強くなる傾向がありますのでぶつかり合いになる可能性が高くなるのよドッペル様。中級悪魔である我々も本来ならば同じなんだけど……まぁあのカスに捕らえられた同士ということでそこそこの協調性はあるの」

 

「ことあるごとにあの二人は喧嘩してるけど」

 

「人間にも気が合う合わないがあるでしょう?それと同じであの二人はどうにもスタンスからしてぶつかり合いになるというか……」

 

「まぁ別に全員と仲良くしろとは言わないけど模擬戦とはいえ戦いの中で協力する姿勢を見せないのはちょっと……」

 

「そこは、ええ、反省点よね……」

 

 

 そして三人目、模擬戦では最初にぶつかった彼女がヒルダ。魔女と言えばこんなイメージ、みたいなとんがり帽子を被っている悪魔だった。

 彼女は他の二人とは違いちょっと接しにくいというか、明らかに尊敬と恩義が入ったキラキラ目をしてくるので少し苦手である。別に凄いのは僕ではないというか、リルナがいるからこそ戦えているだけで僕自身はただの人間なのだが。

 ただまぁ初バイトで貰った給料で買った帽子をいつも着けてくれているのは嬉しい。いつも帽子がないのが違和感あって寂しいと言っていたのでプレゼントしたのだが、気に入ってくれてるようだ。

 

 

「終わったみたいだな。それではこちらのシアタールームに来てくれたまえ。映像を見ながら反省点を共に洗い出そうではないか」

 

「チッ……、わーったよ」

 

「今回はこれくらいにしてやるデス」

 

 

 ワイワイ騒いでいる所に教授の声が響く。上級悪魔としての格があるというのは本当なのだろう。互いに獲物を取り出して今にも戦いそうになっていたダフネとディアンナは本当に渋々ではあるが矛を収めて言われたとおりに行動する。

 

 ヒルダは僕の後ろをニコニコしてついてくる。その目で見られるとなんか凄く背中がムズムズしてくるのだが、流石に視線を向けるのをやめて欲しいとは言えないので我慢する。これもなれる日が来るのだろうか。

 

 ここ最近の僕のバイト先での日常はこんな感じだった。




 悪魔達の容姿。この章ではゲストのような扱い。次の三章が悪魔メインになるので先行登場。

ヒルダ
 黒髪を長く伸ばしている美女。目の色は黒。長身でありリョウ君より背が高いモデル体型。脚が長くて胸も大きい。ドルザルクに捕らえられていた中では最年長。
 ドッペルに心酔している。助けられた恩義もあるが彼女の“欲望”の方向性が誰かに尽くすことなのも大きく影響している。仕え甲斐のある上に気遣ってくれる、更には並の上級悪魔以上の戦闘力を持っているドッペル様最高状態。プレゼントされた魔女帽子をいつも身に着けている。
 リョウ君だけではなくリルナに対してもかなり好感度高し。エルのことは大嫌い。


ディアンナ
 水色の髪をポニーテールにしている少女。目の色も髪と同じ。三人の悪魔の中では一番背が低い。ドルザルクに捕らえられていた中では最年少。
 ドッペルに対しては逆らったらヤベー人。助けられたことに関しては感謝してはいるがその中ではかなりドライな方であり、命懸けで戦ったりはしない。ただそれ以外だったら力を貸そうとは思うくらいのスタンス。
 実験に協力したり模擬戦すれば美味しい物を食べたりできる今の環境が大好き。教授の能力で作られたお世話人形がいる生活からはもう抜け出せないと考えている。エルに関しては無関心。


ダフネ
 赤髪を短く揃えている筋肉質な女悪魔。両目とも金目。三人の悪魔の中では最も好戦的であり、ドルザルクに捕らえられていた期間が一番短い。
 ドッペルに対しては自分の獲物を奪ったとして執着状態。ドルザルクはいずれ自分が倒していたとすら思っている。他の捕らえられていた悪魔からの評価は「あの状況から抜け出せるわけないじゃん。馬鹿じゃねーの?」で一致している。その印象通り基本的に脳筋の馬鹿である。
 だが基準が強さと分かりやすい為比較的に扱いやすい。自分を負かしたのであれば従うという条件でドッペルと最初に模擬戦して手も足も出ずに負けた結果、“契約”により勝つまで教授たちには逆らえない。でもまぁ強い奴と戦えるならいいかと元気に今日も肉を喰っている。エルは強いらしいので戦ってぶちのめしたいと言ったらリョウ君がブチギレてトラウマになっている。関わることすら恐怖の対象。

どのパートが一番面白い?

  • ラブコメ、甘すぎるラブコメ!!
  • 設定語り。もっと見せろぉ!!
  • バトルよバトル。もっと濃密に!!
  • その他ァ!!!
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