幼馴染(天使)が幼馴染(偽)だった。天使なのはガチだった 作:ビスマルク
そして回想は終わり時はプロローグに戻る。これまでのことを思い出しこれからやることを改めて再認識した僕は休憩中のエアロードさんの髪を丁寧にセットし直している。
この音楽フェスは他にも幾つも会場がありその一つ一つで各々のグループが歌ったりしているとのことだ。そして最後の締めに歌姫であるジャネット・シックが設置されている全画面を使用して会場全体に向けて歌う。
この人の手で作られた人工島はいろんなイベントの為に使われるという土台があったからこそ短期間で開催できたらしい。
『お兄さん、教授から連絡来たよ。『病孤涙苦』単独行動中だってさ。例の場所に向かってるって』
『分かった。エアロードさんが来る前に終わらせる』
エアロードさんを手に入れる為に彼女の答えを聞きに来る『病孤涙苦』は必ず単独で移動する。奴はエアロードさんが天界組織に自分のことを伝えているとは考えていない。それはそうだろう、何せこの場にいる全員を人質に取っているようなものだから。
優しく、誰もに自分のことを認めて欲しいと思っているエアロードさんは誰一人として見捨てられるわけがない。それが分かっているからこその単独行動。自分のやっていることに絶対の自信がある、上級悪魔らしい動きだ。
教授と手を組んでいてよかった。保護している悪魔達が非常に協力的だったが故にこちらの手札も増えている。戦うこと以外何も出来ない僕に必要な情報収集などを悪魔達の能力で補ってくれている。事前に動くことを話しているから後のフォローもきっとできるだろう。
「さーて、それじゃあもうひと頑張り行ってきますか!!」
「うん、行ってらっしゃい。みんなを魅せてあげて。さっきくらいに、さっき以上に。君のことを待っているみんなにさ」
「任せなさい。だからアンタも目を離すんじゃないわよ?」
「もちろんだよ。目が離せないくらいに輝いてね」
僕は嘘を吐いている。頑張っている彼女の成果を目にしないのにこんなこと言っている。約束を破っていることに酷く腹が立つけれど、それでも行かなくてはならない。
あと1時間もすればこのステージも終わってしまう。そうなればエアロードさんは『病孤涙苦』の元に向かうことになる。返事が着いていくだった場合間違いなく彼女はろくな目に合わない。ノーだった場合一人で奴と戦うことになる。
どちらであろうとここで歌っているアイドルに傷がつく。そんなものは見たくはない。ならばその前に奴を倒す。
「リョウさん。いえ、ドッペル様。もう行くのね?」
「うん。ここは任せるねヒルダ。それと僕の代わりの人形も」
「ええ、任せてちょうだい。この二週間でドッペル様の仕草や癖も完璧に模倣しているから。抜かりはない。絶対ミスしないから」
スタッフとして紛れ込んでいたヒルダにここを任せる。彼女が操作する僕そっくりの人形ならば誤魔化すことも容易だろう。ヒルダの
その能力ゆえんだろうか。ヒルダは人を良く見ている。それこそ僕そっくりの人形に僕そのものの動きをさせることも出来るくらいに。
上級悪魔である教授が作った人形はその中身まで精巧に作られている。例えその中を調べたとしても絶対にバレないという保証付きだ。人形が見て聞いたことを本体である教授を経由してだが僕にも流せることも確認済み。これならばエルやエアロードさんにバレる心配もない、と断言したいところだが、どうなるかは正直分からない。
「どのみち試してる余裕もなかったんだ。ぶっつけ本番だけど頼むね、ヒルダ」
「そちらも絶対帰ってきてちょうだい。あなたが死んだってなったらあの光天使がどうなるか分からないから」
「闇堕ちしたりするのかな?いやでもエルだからなぁ……。そこまで行くとは思えないし……」
「……私が言うのもなんだけど貴方、周囲の人間天使悪魔関係なく惹き付ける自覚を持った方が良いと思うわ。その言葉と行動に救われていることに気付いてちょうだい」
『アタシも結構毎回言ってる気がするんだけどねー。ほら、二人目だから反省して?』
二人にそう言われても自覚はないのだが、それで済ませていいことはないだろう。彼女達の言うことに頷きながら仕事場を離れる。静かに誰にもバレないように、ただ影のように。誰にも見られていない物陰でドッペルに変化しそのまま音も立てずに影の中に潜る。
「待ってたデスよドッペルさん。いやぁ影の中は快適デスね。ここ暑くも寒くもないし真っ暗だからよく眠れるデスよ」
「仕事が終わったら好きに眠っていいから今は手伝ってくれ。『病孤涙苦』の所まで頼む」
「了解デスよ」
影の中に潜んで着いてきてくれていたディアンナは眠気眼をそのままに俺の手を握る。瞬間身体が浮遊感に包まれる。恐らく影の外であれば光景も一瞬で変わっていただろう。
彼女の
「着いたデスよ」
「ああ、ありがとうな。後一回仕事してもらうが、それまではこの中で隠れててくれ」
「そうするデス。ここまで来て他にアレコレ言うのも面倒デスけど一応言っておくデス。今の環境わたしにとってかなり理想的なんで絶対死なないで欲しいデスよ。仕事ない時はどれだけ寝てても教授も何も言わないんデス」
「それなら終わった後影の中に一週間くらい招待してやるよ。出たかったら言ってくれたらすぐ出られるようにしてな」
「本当デスか!?そりゃ益々ドッペルさんには死んでもらうわけにはいかないデスね!!!お二人共頑張って生きてくださいデス!!!わたしの四六時中寝の為にも!!!!」
俺の発言にディアンナは心底喜んでその場で小躍りをし始める。好きに出入り出来る温調完璧な影空間とは彼女にとって理想郷のような物らしい。
こんな性格だから動かなくても移動出来る能力を手に入れることが出来たのだろうか。
『いやぁ、本当に清々しいくらいに自分本位というか“欲望”に忠実というか。ヒルダもディアンナも実に悪魔してるねぇ……』
「悪魔なのに未だに自分の“欲望”を形に出来てないリルナちゃんにも問題あるデスよ。それを手に入れればこの影の能力が拡張されるか、あるいは他の能力にも目覚めるデス」
『そう言われても「こう!!」って決められるようなのが見つからなくてさぁ』
「“欲望”は決めつけるものじゃなくて湧き出てくるものデスよ。それを否定せず受け入れればリルナちゃんも上に上がれるはずデス」
『んー。アタシ的に今の立場気に入ってるからなぁ。正直“欲望”とか分かんないし』
「先が思いやられるデスよ。ま、終わった後に精々悩めばいいと思うデスよ」
そう言って俺の背中をバシバシ叩いてくる。リルナに対してやっているのは分かるんだけど表に出てこないからか代わりに俺がダメージを受けることになっていた。
だけどリルナにこうして突っ込んでくれる仲間がいることはいいことだと白い仮面の中で笑う。彼女は繋がりを失ったことがあるせいか俺以外と関係を築くということに臆病な所がある。悪魔の仲間達はリルナにいい影響を与えてくれる。
「――――じゃあ行ってくる」
「さっさと終わってライブ見るデス。ダフネの奴、意外とこう言うの好きなのか今回ばかしはさっさと終わらないかぼやいてたデスよ」
ディアンナの言葉に苦笑しつつ影の中から音もなく浮かび上がる。月が照らしているそこは人口林の中。人の喧騒も遠く離れてその声だけが聞こえてくる場所。
月だけが照らしている世界に俺ともう一人、『病孤涙苦』がそこにはいた。突然現れた俺に対してもまるで動揺せずに立って、薄ら笑いを浮かべている奴は面白いものを見つけたかのように笑みを深める。
「テメェを殺しに来たぞ、『病孤涙苦』」
「実に、実に解体し甲斐があるというものです。そうは思いませんかイレギュラー君?」
後この章も5話、いや8話くらいでおわら、終わらせ……終わるかこれ……?
設定公開はどういう形にすべき?
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話しの中で自然にを頑張って欲しい
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設定だけで一話使ってほしい
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設定とかどうでもいいからストーリー書いて