幼馴染(天使)が幼馴染(偽)だった。天使なのはガチだった   作:ビスマルク

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ネタバレが激しすぎるRPG2のプレイ動画見ました。
いや確かにネタバレはあるけどそこまでの過程がまるで見えなくてワクワクした。
結末も大切だけど過程も大切だよな、と思い直しました。


それはそれとして『病孤涙苦』戦は早く終わらせたい。
コイツの戦闘描写物凄く面倒というか想像しにくいんだよ……!!
『大飢万征』の方が遥かに楽でしたね……。


影法師と『病孤涙苦』 ②

 

 風が流れて『病孤涙苦』の暗い茶髪を揺らす。何の不安も持っていないように薄い笑みを浮かべながら影の中から音もなく出てきたドッペルと相対する。

 

 

「ふふふ。邪魔が来る、とは思っていましたがまさかまさかでしたね。来るのは天使だと思っていましたが……貴方、悪魔ですね?」

 

「好きに考察してろ。どれがテメェの最後の思考になるかは分からねぇがな」

 

 

 普段とはかけ離れた口調にくぐもった声。上級天使であり、強く想っている少女でさえ気付かない擬態は千年を生きた上級悪魔をも騙しきった。

 まさか相対しているのが規格外とはいえただの人間だとは思わない『病孤涙苦』はその思考をただ垂れ流す。ドッペルを敵との力量差を理解出来ていない愚か者と断定して。

 

 

(そんでもってその事実は嘘じゃねぇ。未だに人間体なのに感じる圧がドルザルク並みだ)

 

 

 実力差はその通りだとドッペルも冷静な頭で考える。上級悪魔並みの力を持つと称されるも中には教授のように戦闘力自体はそこまで高くないのもまたいる。

 ドッペルの現在の実力は上級悪魔の中でも中頃だろう。そして『病孤涙苦』は上級悪魔の中でも上澄みの実力者。本来であればドッペルが一方的に命を懸けることになる実力差。

 翼も広げず、ジャネット・シックのマネージャーをやっている時とまるで変わらない姿。ただただ力を抑え込むのをやめた結果ドッペルを威圧する。

 

 

「一応聞いておきましょうか。あなたの名前は何と言うのですか?ああ、本名は名乗らなくても通り名だけでもいいですとも。警戒するのは当然、本名から色々とバレることもありますからね。もっとも、中には通り名を嫌い本名で呼ばれたがるちょっと変な奴もいますが」

 

「『影法師』ドッペル。適当に呼んでくれよ。これから死ぬ奴に呼び方の強制をするほど俺は器が小さくないんでな」

 

「ふむ……。『影法師』にドッペル……。聞いたことがない名前ですね。アルドメラクの所から生まれた悪魔が名前を持っていれば知らないはずがないと思うのですが……」

 

「アルドメラク?」

 

「おや?自身の親の名前を知らないのですか?いえ、彼女のことですから十分にあり得ますが。実験体に自ら名乗るような性格はしていませんからね」

 

 

 『病孤涙苦』が口にした聞き覚えのない名前。思わず口から出た疑問の声を聞いた『病孤涙苦』は心底不思議そうに首を傾げ、その次に納得したように頷いた。

 その様子から交流のある悪魔なのだということは分かる。そして同時に嫌な予感がした。

 ドッペルが影の中から現れたことから察する親元になりうる上級悪魔。リョウの予想が正しければ、その悪魔とは。

 

 

「『炎天渇奪』アルドメラク。貴方の影の中に潜る能力(ちから)は彼女の実験体だったころの名残でしょう?」

 

『ッ――――――――――――――!!!!!!!!!』

 

 

 その二つ名を聞いた瞬間ドッペルの片割れ、リルナの魂が大きく暴れ出す。抑えきれない怒りが漏れ出るようにドッペルの周囲の影を蠢かす。破壊活動を行わないのはただ理性を残しているから。ここで怒り狂おうと復讐対象に届かないと理解しているからだ。

 それでも荒れ狂うその感情をダイレクトに受けるリョウにとってはその影響は大きい。“契約”を通じて漏れ出てくる怒りがリョウの魂にも伝播し怒りの感情を燃え上がらせる。

 

 

「クソが……!!」

 

「おやおや、そこまで強い怒りを持っているとは。私の直感も捨てたものじゃありませんねぇ」

 

 

 心臓のある胸を強く掴んで息を荒げるドッペルを見ながら、感情を抑え込めていない愚かさを嘲笑う。その様子は『病孤涙苦』の予想を裏付けるのには十分だった。

 

 

(このドッペルというのは上級悪魔に成り立て、というところですね。アルドメラクの所から逃げ出し研鑽を重ね、“欲望”を集めて上級になったのでしょう。そこから私に挑むということは……狙いは私の集めた“欲望”と上級との戦闘経験でしょうか。確かに悪魔を悪魔が殺せば“欲望”の半分程度は吸収できますし)

 

 

 若さ、経験の足りなさから偶然知った自分の所に来たのだろうと予想する。アルドメラクに対する反逆、その為の力を得る為だと。怒りという“欲望”を持つならばドッペルは自分とは違う魔王の傘下なのだろう。

 

 

(『憤怒』の魔王様も『怠惰』の魔王様も滅多に表に出てこないし、傘下に知らぬ間に新顔が出来たとしてもまるで不思議じゃないんですよね。もっとも、『憤怒』様が出てきたらこの世界全体が壊滅しうるので困りものですが)

 

 

 現在生き残っている魔王は三人。そのどれもがわざわざ集めようとせず、この星のどこにいようと人間の“欲望”、“負の感情”を自然と吸収してしまうバケモノ。上級悪魔でさえも人間から“負の感情”を集めるには距離という制限があるが、魔王にそれはない。ただ人間が存在するだけでその強さを常に維持し続ける。

 自身の盟主である『強欲』を思い、『病孤涙苦』はドッペルに見えないよう苦い顔をする。横暴さはなくとも一度決めたら必ずやりきる『強欲』はその傘下の悪魔にとっても脅威の一つだった。

 

 

「しかし安心しました。貴方が『強欲』様の傘下でないなら殺しても問題はない。同じ魔王様に仕える身だった場合殺しが厳禁になりますからね」

 

「そんな決まりがあんのか。思ったより不自由なんだな」

 

「当然でしょう?我らは全てあの方の所有物。所有物同士がぶつかり合い壊し合うなどすれば、あの方はどちらも不良品として始末しますよ」

 

「随分と飽きっぽいんだな、『強欲』ってのはよ」

 

 

 瞬間、ドッペルにかかる圧力が倍増した。『病孤涙苦』を中心に木々が揺れ、鳥が暗い空に逃げるように飛び立ち、辺りから動物の気配が消える。

 それまで黒かった瞳は金色に光り、その視線は静かにドッペルを貫く。リルナのように激しくはなくとも、燃え上がる怒りを感じる。

 

 

「私の主を侮辱しない方が身のためですよ。あの方は私を求めてくれている。私を欲してくださっている。私の最も欲しいものを与えてくれているのですから」

 

「生憎ゴミクズが信仰している馬鹿に対して経緯を抱くほど俺は暇じゃねぇし、そんな義理もねぇんだ。お前の下らない願い共々さっさとゴミ箱に叩き込みたいくらいだ」

 

「なにも知らないガキがッ!!!!あの方の在り方を侮辱するなど万死に値するッ!!!!!病で侵しつくし神経を鋭敏にしてあらゆる痛みを与えてやろうか!?」

 

 

 それまでの余裕を、口調をかなぐり捨てて本気の威圧を放つ。中級悪魔以下ならば逃げる為に動こうとする意志さえも奪う。上級悪魔でさえその言葉が本当に実現できることを知っているが故に動くことを躊躇う程の圧力。

 それを笑い、受け流す。それまでまるで見えてこなかった『病孤涙苦』の本質を捉えたが故にドッペルは笑った。

 

 

「おいおい。世界中の人間を長年苦しめ続けてきた大悪魔様がなんでそこまで怒るんだ?怒るのは『憤怒』の専売特許だろうに」

 

 

 白い仮面の下の笑みを『病孤涙苦』は知らない。だが悪魔の本能が、湧き上がる

 

 

「この世界に来て己の“欲望”を理解することが出来たのは私を拾ってくれたのはあの方のおかげだ。あの方が初めて私を求めてくれた。求めて必要としてくれたから私はその“欲望”を理解できた。私は他者に必要とされたい。精神的にも肉体的にも支配して私を求めさせたい。病を操ることが出来る私にはそれが出来る。病気にかかれば人は弱る。肉体的にはもちろん精神的にもだ。そうなれば誰もが他人を求める。私が手を刺し延ばせばその手を掴まざるをえない。そうなれば容易く、心をも侵し冒し犯しつくせる。ああ、ジルを狂わせた時もまた楽しかった!!彼は私を強く信仰していた。それはあるいは彼が信じる神よりも!!!そして私を失ってから狂った!!!それを知ってからはもうただ求められるだけじゃ満足できない!!!!!」

 

 

 理性で覆い尽くしていた本性を曝け出し嗤う。自分と主以外の全てを見下しながら、支配欲と承認欲求によって生み出された悪魔は口から唾液を垂れ流しながらそれに気付くこともなく他者を嘲笑う。

 

 

「私を求めさせたい!!!私を何としても手に入れたいと思わせたい!!!!そして唐突に消えた私の影を追って狂い死ぬその瞬間を見たいッ!!!!高潔であればあるほどいいッ!!!純粋であればあるほどいいッ!!!!ただ私だけを求める彼ら彼女らが私を失って絶望していくその姿こそが私が最も望み欲するものッ!!!壊れる前が綺麗であればあるほどいいッ!!!!」

 

「だからシルフィ・エアロードを狙った、と?」

 

 

 目を大きく開き、引き裂かれたような笑みを作る口からは犬歯以上に鋭い牙が見えている。徐々に悪魔としての本性を抑えきれずに晒していく。ドッペルの質問に対し月を見上げるようにしていた視線を高速で向けた。

 

 

「ええ!!ああ!!そうですともそうなんだそうだよ!!!あの自らの中から湧き出る嫉妬に負けないで友を想い続けるその健気さ!!!!自分の承認欲求を認め正しい方法でそれを得ようとする高潔さ!!!!悪を悪として憎み正しさに溺れる天使ではありえないその葛藤!!!その全てを私色に染め上げたい!!!!彼女が求める全てを私が与えましょう!!!彼女が歩むかもしれないあらゆる未来以上の幸福を与えるともッ!!!そして私に溺れ切った時に私を失ったその時を私は特等席で見るのだッ!!!!!!!!」

 

 

 病は気から。本人の心持ち次第で病気が重くなったり、症状が改善する様。それは決して否定できない。だが、気の持ちようで症状が変わるというのであればその逆もまたありえるのではないだろうか?

 『病孤涙苦』という病に冒された人間は必ず救いを求める。いつ終わるかも分からない病というのはそれだけで人の心を容易くへし折る。もしも、病気を自由に操ることが出来るとすれば、それは人の気持ちも簡単に操れるということに他ならない。

 

 

 人を病で冒し、孤独を与え、涙を流しながら、ただ苦しむ様を嘲笑う。

 故に彼女は自身を『病孤涙苦』と呼称する。名は体を表すことを知っているから。

 

 

「――――失礼しました。私としてもここまで自分を語る機会はあまりありませんので」

 

「ああ。別に構わねぇよ。大半は聞き逃してたしな。それに俺は優しいんだ。最期の自己紹介くらいはさせてやってもいいと思ってたところだ」

 

「その威勢がいつまで続くか見物ですね」

 

 

 躁鬱のように上がっていたテンションを急激に落した『病孤涙苦』はドッペルを力の差も分からない馬鹿だと断定する。その目的を知ろうともせずにただ邪魔ものとして排除することを決めた。

 空気感染には対策をしているようだが、それならば話しは簡単だ。ただ触れればそれでいい。即座に殺すほどの病は難しくとも動けなくすることくらいならば容易い。

 

 

「“光矢”」

 

「っ!!!」

 

 

 その瞬間、遥か上空から土砂降りの雨のように光の矢が降ってくる。その速度は『病孤涙苦』が知覚し回避行動に出ることすら許さずその肉体を光の中に飲み込んだ。

 

 

「遅かったな、エル・ライトガーデン」

 

「……共闘は今日限りですよ、『影法師』ドッペル。私は早くシルフィのライブを見たいんです」

 

「偶然だな。俺も同じだ」

 

 

 静かに隣に降り立った愛しい少女に、そうとは分からないように声を掛けた。

 『病孤涙苦』はシルフィに言った。他の天使にばらしたら被害を広げると。当然監視はつけていた。だからエルを始めた天使達に接触している様子もないのを知っていた。

 『病孤涙苦』の誤算はただ、沢渡リョウというイレギュラーを知らなかった事。彼が天使と手を組むことをまるで厭わないことを知らなかった事だった。





魔王は最初期七大魔王でしたが、天使やその傘下の人間との戦いで討ち取られることがあった為現在は三大魔王になっております。

残っているのは『憤怒』『強欲』『怠惰』。その前に討伐されたのはかなり前で、こちらの世界に来る前のこと。討伐されたのは『傲慢』でした。

性格的にはカスオブカス。強者の家族を人質にして脅して村一つ滅ぼさせておいてその人質も拷問して殺すくらいにはカス。ナチュラルに全ては自分を楽しませるためにあるとか言い出すタイプ。
天使が組織した勇者パーティーにぶっ殺されたけど。盾持った戦士に全ての攻撃防がれてじわじわと削られて。

設定公開はどういう形にすべき?

  • 話しの中で自然にを頑張って欲しい
  • 設定だけで一話使ってほしい
  • 設定とかどうでもいいからストーリー書いて
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