【二章完結】いずれ神成る恋物語   作:ビスマルク

81 / 81
改行多くて読みにくいというアドバイスを受けたのでちょっと変えてます。

どっちがいいかとか意見くれると嬉しいかも。


影法師と悪魔達 ②

 僕のバイト先、『スメラギ製薬』では様々な業務が待っている。例えば趣味人な研究員達を何とか制御して進捗状況を逐一確認する。例えば部署同士でバチバチやり合っている所に介入して何とか落としどころを見つけたり。バイトの仕事じゃないよねコレと誰もが思う仕事が多い。

 ここの社員、天使と悪魔について全員知っているからそこは気楽なのだが社長が社長だからなのかとんでもない人格の人が多い。

 

「待遇改善を要求するデス」

「他人をダメにするソファに沈み込んで言ってるのなんかシュールだね」

「いやぁ、これは本当にいい買い物したデスよ。ドッペルさんもお金半分出してくれてありがとうデス」

 

 それらを考えた上で僕の最も大切な仕事は協力者たる悪魔達のモチベーション維持なのかもしれないが。ここ最近滅茶苦茶働かせた反動かディアンナが液体のようにソファに沈み込んでいる。

 移動要因として本当に助けられている。影の中に入り込んでからの転移は時間的制約がある僕のような学生にとっては神に等しい能力なんだ……!!

 

「頼られるのは別にいいんデスが、仕事が多いのは死ぬほど嫌デス。わたしは生涯堕落して生きていきたいのデス。出来ればヒモになりたい」

『ある意味悪魔の本能に忠実過ぎるほど忠実だね……。怠惰ってこういうのをいうんじゃないかなぁ……?』

「あまり甘やかしたら駄目よ。その子、暇さえあれば寝てるか食べるかしかしてないんだから。教授の作ったメイド人形のせいでろくに動きもしないのよ」

「労働の対価なのデス。というか飛行機に乗せられて二ヵ月間やれあっち行けだのこっち行けだの文字通り全国飛ばされたデスよ?これくらいの堕落は許されるくらい働いたデス」

「うん、それに関しては本当にそうだと思う。本当に感謝してます、はい」

「分かればいいのデスよ」

 

 フフンと笑っているが、実際ディアンナの言っていることは正しい。ドッペルとして活動し始めて二ヵ月以上経っているが、活動範囲を日本に絞らないで海外まで行けるのは彼女のおかげだ。

 酷使した影響か“欲望”のチャージさえあれば距離関係なくマーキングした場所に一瞬でいける。最初の頃は何度か間に挟まなければ遠くまで行けなかったことを考えると本当によく成長してくれたと軽く崇めたくなるくらいだ。

 

「初海外がドッペルとして行ったから観光も何も出来なかったのが残念だったなぁ。いつかもう一回行ってちゃんと見て回りたい」

『悪魔の活動目的からして人が多いところで色々とやらかすから自然と観光名所とかに近い所で戦ったりするもんねぇ』

「タワーブリッジがぶっ壊されそうになったのは流石に焦ったよ。天使達が急行して認識阻害してくれたからニュースとかにならなかったけど……」

「ドッペルさんが戦ってるところを眺めながら食べるお菓子は美味しかったデスよ。イギリスって料理不味いイメージあったデスけど食べれる物もいっぱいあったデスね」

「お前ドッペル様が戦ってる時に何してるの?」

「イダダダダダダダ!!???ちょっ!?やめるデスマジで頭割れるデスよこの馬鹿力っ!!!」

 

 人をダメにするソファでゆったりとしていたディアンナの頭をアイアンクローで掴み上げたヒルダのこめかみには血管が浮き上がっている。彼女にも助けられている。僕がいない間の身代わりとしてアリバイ工作をしてくれているおかげでエル達に疑われずに済んでいる。

 

「お前ら何やってんの?喧嘩か?喧嘩なら参戦していいか???」

「ふざけんなデス!!お前みたいな脳筋とやり合うとか命がいくつあっても足りないデスよ!!」

「今私達は大切な話をしてるのよ、ダフネ。貴女は……なんで汗だくになってるのよ。さっさとシャワー浴びてきなさい」

「今まで模擬戦やってたからなッ!!!いやぁ、ドールの奴が結構強くなってきてやり甲斐があるってもんだ!!!今回は両者ノックアウトだったぜ!!!」

 

 褐色肌の筋肉美女が豪快に笑いながら教授特性のバトルルームから出てくる。汗をかいたからか上半身を脱いでいる。タオルで大事な部分は隠されてはいるが咄嗟に目を逸らした僕をヘタレと言える奴はいないはずだ。

 アイアンクローしているヒルダに、上半身裸のダフネ、頭を鷲掴みにされて身体をぶらぶらと揺らしているディアンナ。なんともまぁシュールな光景だ。

 

「そもそもわたしは戦闘得意なタイプじゃないデスからドッペルさん手伝おうとしても邪魔になるだけデス!!だから見ていただけなのはチームプレイって奴デス!!適材適所デス!!!」

「見ていただけなのはいいとして、お菓子を食べながら観戦ムーブなのはどういう事よ。野次まで飛ばしていたって話じゃない、ええ?」

「いやだって凄く見応えがあっだだだだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!?!!!!?」

「なんだ、喧嘩じゃねぇなら興味ねぇや」

 

 凄い、ヒルダの指がディアンナの頭に沈み込みそうになってる。あれは相当痛いだろう。僕は別に構わないんだけど誰かが怒っている理由を否定するというのはちょっと躊躇ってしまう。

 そしてダフネは我関せずと言わんばかりにシャワールームに向かう。ここ二ヵ月で分かったが、この三人ベクトルが違うだけで全員マイペースである。

 

「ふむ、なんだか大変なことになっているみたいだ。帰った方が良いかね?」

「教授、この状況を見て即座に撤退を選択するのやめてくれません?」

 

 扉が開きまずこの惨状を目撃したこの実験室の主はそのままUターンして消えようとしていたので即座に影を使い捕まえる。この二ヵ月でリルナ抜きでも簡単な操作くらいなら出来るようになった。とはいえ戦闘の時にはやはり補助をしてもらった方が圧倒的に戦いやすいのだが。

 

「教授!!教授!!それにリョウさんも助けてくださいデス!!わたしの頭の中身がザクロみたいに飛び散るデスよ!!!」

「まだまだ余裕があるらしい。ヒルダ君、ここでやると汚れるかもしれないから続きは隣の部屋で頼むのだよ。そちらの方ならさっきのダフネ君達の模擬戦の影響で酷いことになっている分好きにしてくれても問題ないはずだ」

「可憐な小悪魔系美少女がグロいことになるのになんだその反応はデスぅ!!!??!」

「まだ余裕があるみたいね。続きはあっちでやるわよ」

 

 ディアンナがズルズルと引きずられていく。隣の部屋に行った時が彼女の最後になるのかもしれない。もし戻ってきたら彼女の好きなマカロン辺りを作ってきてあげようと思う。

 

『自分の“欲望”に関する事になるとやっぱり悪魔って暴走しやすいよねぇ』

「本能的にそうなっているのだろうな。吾輩とて出来ることなら煩わしいことなど投げ捨てて実験とドール君の新機能について考えたいところだ」

「仕事があるからこそメリハリがつくもんだと思いますけど……」

『好きな事だけして生きていける程世の中甘くないってことだね』

 

 心の中にいるリルナと共に頷き合う。好きな事だけする、それはそれできっとつまらないことになると思う。そんな風になったことがないので絶対とは言えないけれど。

 

「相も変わらず君達は仲がいいのだな。その仲を取り持つ一助になれれば幸いである」

 

 うんうん頷いている教授に色々と言いたいことはあるが、多分言っても暖簾に腕押しなのでやめておく。この人は僕達の関係性を間違えていると感じる日が度々ある。

 そんなことを考えているとはまるで知らない教授はそのまま腕を大きく広げて自身の研究成果を大きく発表した。

 

「では始めよう。リルナ君の解放実験だ」

各章終わりにネタバレ含むキャラ紹介&ストーリー紹介書いていい?

  • いいとも!!
  • それより本編書くのじゃ
  • キャラ紹介だけでいい
  • ストーリーネタバレOK
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

厄ネタヒロインたちとラブコメをすることになった(作者:灰鉄蝸)(オリジナル現代/恋愛)

「キミが好きだよ。だから殺すね」▼「あなたが好きです。好きなので洗脳しますね」▼「俺の死因多すぎるだろ…」▼異能バトルも伝奇ホラーもある世界で、バッドエンドの元凶になるような厄い美少女に好意を抱かれる――好意全開の金髪巨乳幼馴染み、ややホラーな超能力者の黒髪ロング同級生、彼女たちが引き起こす破滅の未来に巻き込まれる少年。▼愛が重くて、死の原因になる厄ネタヒロ…


総合評価:4597/評価:8.83/連載:41話/更新日時:2026年07月04日(土) 19:41 小説情報

夢現世界の災凶姫~Disastress in the Parasomnias~(作者:サッドライプ)(オリジナルファンタジー/冒険・バトル)

或いは異世界転移して閉じ込められた遺跡ダンジョンで意味深に封印されていた眠り姫を勝手に脳内彼女にしていちゃこらする妄想電波を毎日垂れ流していたら実は意識があったので全部聞かれていた話。▼「はい♪あなた様が言っていた恋人同士の睦み合い、全部ぜーんぶやりましょうね!!」「え゛」▼脱出不可能なダンジョンに放り出されてモンスターとバトるか可愛い美少女を眺めるかしかや…


総合評価:5736/評価:8.79/連載:46話/更新日時:2026年07月08日(水) 06:01 小説情報

家事代行先は闇堕ち寸前魔法少女の家でした~貧乏一人暮らしの俺は生活力を買われて内緒の焦れ甘同棲生活を始めることになる~(作者:水瓶シロン)(オリジナル現代/恋愛)

「ぎゅって、して……?」▼「構ってくれないと闇落ちしちゃうよ……?」▼ 高校入学を機に一人暮らしを始めた『御守望』は、青春を勉強とバイトに費やすような限界貧乏生活を送っていた。▼ 幼くして両親を失っている望が頼れる人は、田舎に住む祖父母くらいだが、なるべく負担は掛けたくない。▼ そのため、睡眠時間を犠牲にして死に物狂いで勉強することによって好成績を維持し、入…


総合評価:4677/評価:8.71/連載:89話/更新日時:2026年07月03日(金) 12:07 小説情報

底辺退魔師、ボロボロの魔法少女を拾う(作者:非表示)(オリジナル現代/冒険・バトル)

退魔師「魔法少女って霊力の生成効率悪くね?」▼魔法少女「退魔師って随分非効率な術式の使い方してるんですね」


総合評価:3045/評価:8.45/連載:9話/更新日時:2026年05月19日(火) 05:39 小説情報

和風陰陽師漫画の終盤で死ぬ親友枠に転生した俺はどうすりゃいいですか?(作者:鬼怒藍落)(オリジナル現代/冒険・バトル)

一般和風好き転生者VS曇らせと理不尽と絶望▼ファイ!▼カクヨムにも出します


総合評価:4035/評価:8/連載:42話/更新日時:2026年05月07日(木) 07:10 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>