【三章開始】いずれ神成る恋物語-天使と悪魔とラブコメ生活- 作:ビスマルク
やっぱりみんなこういうの好きなんやねぇ……。
この瞬間を待っていたんだー!!!
大岡裁きの子争いというものを知っているだろうか。聞いたことがある人も多いだろう。簡単に言うととある子供の母親を名乗る人物が二人いて、その二人が子供の両腕を同時に引っ張った時に痛がった子供を見て手を離した方が本物の母親だとかそういう話だったはずだ。
「早く離したらどうですか。リョウ君の腕を引きちぎるつもりですか馬鹿力」
「そっちこそ離したらどうかなぁ?それとも無表情ツンドラ女は他人の痛みにも鈍感だったり?だとしたら悪いこと言ったね謝るよ」
僕の手を引っ張り合いながら言い争う二人に手を離すという選択肢はないらしい。いやまぁ別に痛くないからいいんだけど。それどころか二人の柔らかい掌の温もりを感じられて幸せともいえる。見ている人がいるのならドヤ顔したくなるくらいだ。
そんな感じで結構楽しんでいる僕だったが、エルとリルナの二人は逆にどんどんヒートアップしていく。この二人の相性がここまで悪いとは、読めなかった!!この影法師のドッペルの目をもってしても……!!
「えっと、二人共?そろそろちょっと落ち着いて……」
「謝罪は必要ありませんので行動で示してください。それに無表情とは酷く心外な評価ですね。リョウ君は私のことをよく理解してくれてますし可愛いとよく言ってくれます」
「それはただ単にリョウちゃんが機微に敏いだけでしょ?それにアンタを可愛いって言ってるのリョウちゃん以外にいるの?いないでしょ?たった一人の例外の評価だけを参考にそれが一般論みたいに語られてもねぇ」
「貴女はもしかして頭がかわいそうなのでしょうか?。今話題にしているのはそのリョウ君についてでしょう。リョウ君が私を可愛いと言ってくれたのならばこの場の話はそれで終わりです。違いますか?」
「ううん、違わないよぉ?たーだーしー、リョウちゃんに可愛いって言われたことがあるのは私も同じだけどね!!!というかあのシルフィっていうのもよく言われてるんだからさぁ、自分だけが特別扱いされてるみたいなのは痛いと思うなぁ!!!」
「私は十分特別に想われています。その確信がありますし、リョウ君の態度を見れば余人でも理解出来るはずです。それともその色の違う両目はガラス玉で出来ているのでしょうか。その場合はこちらも謝罪をしましょう」
「はぁ!?この目はリョウちゃんが綺麗って褒めてくれたんですけどぉ!!そりゃアタシだってこの目が嫌いだったけどさぁ!!!リョウちゃんが褒めてくれて、綺麗だって言ってくれたからこうやって見せられる勇気が出たんだよ!!!この髪留めだってその為にリョウちゃんが買ってくれた物なんだから!!!」
「うっ、それは……謝罪しましょう。人の身体的特徴をあげつらうのは失礼な事でした。ですが私のこの髪飾りを見てください。これはリョウ君が選んでくれた物なのですよ。初めて服を買いに来た時に私の為だけに選んでくれた物です。貴方のその髪留めと同じかそれ以上の逸品だと私は判断します。しかもこの髪飾りに合う服まで一緒に買いに来たのですから私の方が数歩リードしていると言っても過言ではないのでは?」
「ぬぐっ!!へ、へー。言うだけはあるって感じかなぁ?確かに?確かにその髪にそれは似合うと思うけどさぁ。アタシだって今回ここにリョウちゃんと一緒に来てるわけで?だったらリョウちゃんの性格上似たようなのを買ってくれる可能性は非常に高いと思うんだけどどう思う?」
「否定はしません。リョウ君は好意を持っている相手にはとことん優しいですし貢ぎ体質でもありますから。しかも本人はそれを自覚しておらず、自分がやりたいからやっていると言い出す始末。放っておいたら何をしでかすか分からないレベルです」
「あー、それは同感。リョウちゃんはもう少し理性的に考えてほしい時あるもん。そりゃ性格的に難しいかもしれないけどさぁ。誰にでも手を伸ばすっていうのは度が過ぎているというかさぁ。見てて不安になるこっちの身にもなってほしいというか」
「ふむ、貴女もリョウ君への知識はそこそこあるようですね。私もそこに関しては同意します。リョウ君は時折無茶なことをしでかす癖があるので。止めたいと思って言葉を尽くしてもいつの間にか論破されてごり押しされて……」
「分かる分かる。やめた方が良いって言っても絶対折れないから困ったもんだよねぇ。それでリョウちゃんが傷ついたらこっちも困るっていうのにさぁ」
「……ところでどこでリョウ君とそのようなことを?」
「それ言う必要、あると思うかなぁ?」
なんかすっごいバチバチやり合ってる。武器を持たない戦場とはこういうものをいうのだろうか。二人に引っ張られてる僕の腕もかなり痺れてきたのだが。二人共自分の方に寄せようと体重まで使い始めたんだが。
「ね、ねぇ。エルにリルナも少し落ち着いて話しをしよう。会話は人間に与えられた素晴らしき文化。人は言葉を交わすことでここまで進化して来たんだしs」
「聞きましたか!!!「エルとリルナ」と言いました!!!私の方が先に呼ばれたということでもう優劣は決まりましたね!!!さぁ早くその手を離してください!!!!」
「はぁ!?それはただ単に呼びやすいようにしただけでしょ!!それで勝敗だの優劣だのを語る時点で片腹痛いと思わないかな!!?」
「負け犬の遠吠えとはこのことですね!!!そのままキャンキャン言ってていいですよ!!!」
「むっかぁー!!!上等だよ、このままとことんやり合おうじゃんか!!!!」
「…………やめよう、って言ったのが聞こえなかったのかな、二人共」
「「っ!!??」」
基本的に二人に対して僕は甘いことを自覚している。彼女達のやりたいことは優先したいと思っているし、その為に力を尽くすことについて苦労だと思わないところもある。だけど今の二人はダメだ。いや、三人の時とか、家とかでやるのなら問題はない。プライベートな空間ならいつまでだって付き合おうと思う。
「だけど、ここはどこ?お店の中だよね?他の人にも迷惑がかかるよね?ほら、他のお客さんがこっち見てる。写真を撮ってる人もいるんだよ?それだけ僕達はお客さんにもお店にも迷惑をかけてるんだよ。そうですよね店員さん」
「そんなことないわよ?今写真をツイートしてる人を追いかけてみたら二人の容姿が良すぎるせいでお店に来ようとしてる人もいるわ。それに外のお客さん達もなんだなんだと見学しに来て結果的にお店も繁盛し始めてるもの」
「マジですか」
「エル様の写真エル様の写真エル様の写真……!!保存保存保存……!!」
「こっちはこっちでなんか暴走し始めてるし」
エルの後輩って時点で予測はしていたけど様付けしているということは彼女も天使だろうか。物凄い形相でスマホの画面を睨み続けながら指を動かし続けているけど。とはいえ見られていることに気付いたのかエルもリルナも気まずそうな顔をして止まってくれた。
「まずはリルナの服の代金を払って、その後はご飯を食べながらお話ししようか。今回の件に関しては僕にも問題点があったからそこも含めて色々とね。二人とも、いいよね?」
「はい……すみませんでした……」
「こ、これからは場所を考えてやるね……」
「やらないって選択肢はないの???」
「「無理(です)。この人気に入らないから(です)」」
思った以上に水と油だった。僕はこの二人を止めることが出来るのだろうか。いやでもあれだな、美少女二人に取り合いされるって滅茶苦茶嬉しいな!!!人に迷惑かけない場所だったらいくらでもやればいいと思う。言いたいことを言えない関係は、歪だと僕は思うから。
話しがまるで進んでない?それはそう。
でも滅茶苦茶書いてて楽しいんだ
各章終わりにネタバレ含むキャラ紹介&ストーリー紹介書いていい?
-
いいとも!!
-
それより本編書くのじゃ
-
キャラ紹介だけでいい
-
ストーリーネタバレOK