異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜 作:raixip
翌朝。
「旦那ぁ!」
まだ日も昇りきらないうちに、マクダフが飛び起きた。
「今日は稼ぎ時ですぜ!」
「朝から元気だね。」
僕はパンをかじりながら笑う。
「紹介料が入るんですよ!」
「そんなに嬉しいの?」
「一%ですぜ!」
「百人紹介すれば百人分!」
「千人紹介すれば千人分!」
夢が広がっていた。
おっさんはパンをちぎりながら一言。
「算数だけはできるな。」
「でしょ!」
そこだけは自慢げだった。
午前。
マクダフは広場へ立った。
首から板をぶら下げる。
M資金のご案内!
初心者歓迎!
紹介します!
「そこの旦那!」
「一口どうです!」
「採掘ですよ!」
意外にも人が集まる。
「どこで買うんだ?」
「商人ギルドです!」
「銀行にも預けられます!」
「なるほど。」
「紹介ありがとう。」
その日の夕方。
マクダフは紹介料を受け取った。
「銀貨三枚!」
「やったぁ!」
飛び跳ねる。
「旦那ぁ!」
「稼ぎましたぜ!」
僕も嬉しくなる。
「すごい!」
「頑張ったね!」
ところが。
裏社会の親分が帳簿を持ってきた。
「じゃあ精算だ。」
「はい?」
親分は指を折りながら読み上げる。
「紹介人登録料。」
「え?」
「営業用の腕章代。」
「え?」
「帳簿管理費。」
「え?」
「組合協力金。」
「え?」
「親分への相談料。」
「えぇ?」
最後に部下が袋を渡した。
「残りだ。」
中には銅貨が数枚。
「……これだけ?」
「利益だ。」
親分はにっこり笑う。
「手数料って、そういうもんだ。」
マクダフは固まった。
「俺の銀貨ぁぁぁ!」
部屋中に笑い声が響く。
部下たちは腹を抱えて転げ回る。
親分まで涙を流して笑っていた。
その頃。
僕は広場で券を書いていた。
「今日もたくさん集まったね。」
商人ギルドの受付係が帳簿を閉じる。
「ええ。」
「紹介で来た人も多いですよ。」
「紹介?」
「マクダフさんです。」
「へぇ。」
頑張ってるんだ。
僕は素直に嬉しかった。
「あとで褒めよう。」
おっさんは苦笑した。
「……褒めると調子に乗るぞ。」
「でも働いたんでしょ?」
「まあな。」
「だったらいいじゃない。」
その言葉に、おっさんは何も返さなかった。
夜。
宿へ戻る。
マクダフは机に突っ伏していた。
「旦那ぁ……。」
「どうしたの?」
「手数料って怖ぇ……。」
僕は首をかしげる。
「便利な仕組みじゃないの?」
マクダフは涙目でうなずく。
「便利なのは親分だけでした……。」
おっさんが吹き出す。
「ようやく分かったか。」
「世の中はな。」
「儲け話より、手数料の方が先に待ってる。」
マクダフは力なく答えた。
「身に染みました……。」
そのやり取りを聞きながら、キュ太郎が「きゅっ」と小さく鳴いた。
誰も気付かなかった。
その鳴き声に反応するように、懐の奥で「???のスクロール」が一瞬だけ淡く光ったことを。
ジョンはパンを食べながら笑っていた。
「明日も頑張ろう!」
騒動は、まだ始まったばかりだった。
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
171G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))
ジョン
「今日も変わらず!」
おっさん
「財布は平和だな。」
【所持アイテム】
???のスクロール 6枚(※一枚が一瞬だけ光った)
奴隷のマクダフの野郎(紹介料より手数料を学習)
武器破損した剣
???の指輪(バンステ金策で入手)
ゴブリン(テイム)
ケムトレイル群(保護対象)
キュ太郎
(今日はスクロールをじっと見つめていた。)
【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
元本:金貨10枚
状態:運用中
想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
ジョン
「手数料って、便利だけど奥が深いね。」
銀行
「理解が早くなりましたね。」
おっさん
「体験したのはマクダフだがな。」
【M資金の現在】
目的
鉱山採掘資金
利用地域
ポーシャ町
隣町へ流通中
新しい動き
紹介業が始まる
紹介手数料ビジネスが成立
現在の用途
ジョン「採掘!」
商人「決済!」
銀行「保管!」
両替屋「手数料!」
旅商人「運搬!」
マクダフ「紹介……は儲からなかった。」
おっさん「手数料を取る側になるのは難しいんだ。」
※ジョン個人の所持金に変動はありません。
ジョンの一言
ジョン
「頑張ったら、ちゃんと勉強になるんだね!」
マクダフ
「勉強代、高すぎですぜぇ!」