異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜 作:raixip
朝。
「旦那ぁ!」
マクダフが慌てて宿へ飛び込んできた。
「大変ですぜ!」
「どうしたの?」
「紙が売ってません!」
「え?」
僕は首をかしげた。
「昨日買ったばかりじゃない。」
「全部売り切れです!」
「そんなに?」
「町中ですぜ!」
僕は急いで紙屋へ向かった。
「すみません!」
店の扉を開ける。
棚を見る。
何もない。
いつも積まれていた紙の山が消えていた。
「あれ?」
「紙は?」
店主は申し訳なさそうに頭を下げた。
「すまん。」
「今日は一枚もない。」
「えぇっ!」
「全部予約なんだ。」
「予約?」
「商人ギルド。」
「銀行。」
「両替屋。」
「役所。」
「全部まとめて買っていった。」
僕は青ざめた。
「計画書が書けない……。」
店主は笑った。
「また来週だ。」
「職人が昼も夜も漉いてる。」
「間に合わなくてな。」
帰り道。
「困った。」
「紙がない。」
僕は頭を抱える。
おっさんは肩をすくめた。
「人気商品だからな。」
「でも。」
「紙がなきゃ券も書けない。」
「帳簿も書けない。」
「採掘計画も書けない。」
「全部止まっちゃう。」
「そうだな。」
珍しく。
おっさんも真面目な顔だった。
その頃。
紙問屋。
「追加で千枚。」
「無理です!」
「五百枚。」
「無理です!」
「百枚!」
「それも無理です!」
職人が叫ぶ。
「木が足りません!」
「水車も止まりません!」
「これ以上は作れません!」
紙問屋の主人は頭を抱えた。
「紙で儲かる時代が来るなんて……。」
一方。
銀行。
支店長は新しい報告書を読んでいた。
「紙不足?」
部下が頷く。
「M資金関連の帳簿。」
「契約書。」
「証明書。」
「全部紙です。」
「その結果。」
「紙そのものが不足しています。」
支店長はため息をついた。
「今度は紙か。」
夕方。
道具屋。
僕は店先でツルハシを眺めていた。
「まだ買えないなぁ。」
店主が笑う。
「今日は紙を探してたんだって?」
「うん。」
「紙がないと困る。」
店主は腕を組んだ。
「面白い時代だ。」
「昔は鉄が足りなかった。」
「今は紙が足りん。」
「そうなんだ。」
僕は真剣に頷く。
「じゃあ。」
「紙も大事な資源なんだね。」
「そういうことだ。」
夜。
宿。
今日の帳簿を書く。
……紙がない。
最後の一枚。
僕は慎重に文字を書く。
失敗できない。
「ふぅ。」
書き終える。
「これで終わり。」
「明日からどうしよう。」
キュ太郎が最後の余白を見つめる。
「きゅ。」
危ない。
肉球が近づく。
「あっ!」
僕は慌てて帳簿を抱えた。
「ここだけはダメ!」
キュ太郎は不満そうに丸くなる。
おっさんは吹き出した。
「町中が紙を欲しがってる。」
「お前は最後の一枚を守ってる。」
「どっちも必死だな。」
僕は真面目に頷いた。
「だって。」
「採掘の夢が書いてあるから。」
その言葉を。
宿の窓の外で聞いていたエドガーは、小さく目を閉じた。
「……夢。」
彼は手帳に一行だけ記した。
紙を奪い合っている者たちの中で、発行者だけが鉱山を見ている。
夜風がページをめくる。
その一枚一枚が、いつしか町の未来を書き換え始めていた。
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
171G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))
ジョン
「紙の方が貴重になってきたよ。」
おっさん
「そのうち紙を金庫に入れる時代が来るかもな。」
【所持アイテム】
???のスクロール 6枚
新しい帳簿 5冊(中身を書く紙が不足)
奴隷のマクダフの野郎
(紙屋を三軒回って全滅)
武器破損した剣
???の指輪(バンステ金策で入手)
ゴブリン(テイム)
ケムトレイル群(保護対象)
キュ太郎
(最後の一枚に肉球を押しかけて怒られた)
【投資・契約】
中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
元本:金貨10枚
状態:運用中
ジョン
「銀行も紙が足りないのかな?」
銀行
「……実は困っております。」
おっさん
「珍しく本音が出たな。」
【M資金速報】
発行券種
100G券 ★★★★★
500G券 ★★★★
1000G券 ★★★★
5000G券 ★★★
新たな影響
✅ 紙不足発生
✅ 紙職人フル稼働
✅ 銀行・商人が紙を確保
⬜ 鉱山(まだ準備中)
現在のみんなの目的
ジョン「紙を確保して採掘計画を書く!」
町人「券が欲しい!」
商人「契約書!」
銀行「帳簿!」
紙屋「寝る暇がない!」
王都「紙不足まで報告案件?」
※ジョン個人の所持金に変動はありません。
ジョンの一言
ジョン
「次は紙を買うお金も貯めなきゃ!」
おっさん
「その前にツルハシだろ。」
マクダフ
「紙が金より高くなったら、俺も紙屋になりますぜ!」