異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜 作:raixip
朝。
市場は今日も賑わっていた。
「百G券で。」
「ありがとうございます。」
「五百G券を両替。」
「少々お待ちください。」
いつもと同じ。
何も変わらない朝。
でも。
「そういえば。」
魚屋のおじさんが口を開く。
「これって鉱山を掘る券なんだよな。」
八百屋のおばさんも頷く。
「昨日聞いたよ。」
「Mining資金なんだって。」
「へぇ。」
パン屋のお兄さんも笑う。
「知らなかった。」
みんな知った。
でも。
誰も券を使うのはやめなかった。
僕は商人ギルドへ向かう。
「おはようございます!」
受付係が笑顔で迎えてくれる。
「ジョン君。」
「鉱山の場所は見つかりました?」
「まだ。」
「でも探してる!」
「頑張ってください。」
その後ろでは。
次々と券の確認が続いている。
「百八十五番。」
「確認しました。」
「本物です。」
「ありがとうございます。」
僕は首をかしげた。
「今日も忙しいね。」
「はい。」
「昨日より多いです。」
「え?」
「鉱山の話が広まって。」
「安心して使う人が増えました。」
「良かった!」
僕は素直に喜んだ。
おっさんだけが頭を抱えた。
「逆か……。」
昼。
道具屋。
僕はまたツルハシを見に来た。
「こんにちは!」
店主が笑う。
「また来たか。」
「うん。」
「まだ買えないけど。」
ツルハシを眺めるだけで嬉しい。
店主は少し真面目な顔になる。
「ジョン。」
「最近。」
「ツルハシが売れ始めた。」
「え?」
「なんで?」
「鉱山を掘るって聞いた連中が。」
「先に買ってる。」
「本当?」
「昨日だけで五本。」
僕は目を輝かせた。
「仲間が増えた!」
店主は苦笑した。
「……そう思うか。」
その頃。
両替屋。
「忙しい!」
「次!」
「確認!」
「番号一致!」
店主が汗をぬぐう。
「最近。」
「券を持つ人が増えた。」
若い店員が笑う。
「鉱山が始まるからですね!」
「いや。」
店主は首を振る。
「始まる前から忙しい。」
「始まったら。」
「どうなるんだろうな。」
夕方。
銀行ポーシャ支店。
支店長は町の様子を窓から見ていた。
部下が報告する。
「住民は目的を理解しました。」
「そうか。」
「ですが。」
「利用は増えています。」
「……。」
支店長は静かに笑った。
「信用とは。」
「そういうものだ。」
「一度動き始めると。」
「簡単には止まらない。」
宿。
僕は採掘計画書へ新しい一行を書き加えた。
『鉱山の場所を探す。』
「これで少し進んだ!」
マクダフが笑う。
「旦那ぁ。」
「一歩前進ですな。」
「うん!」
僕は嬉しかった。
やっと。
採掘へ近付いた気がした。
窓の外では。
商人が券を受け取り。
銀行員が帳簿を書き。
紙屋では水車が回り続ける。
町は。
もうM資金なしでは回らなくなり始めていた。
ジョンだけは。
そんなことを知らず。
計画書の次の空欄へ、小さく書いた。
『みんなで掘る。』
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
171G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))
ジョン
「みんながツルハシを買い始めたよ!」
おっさん
「お前はまだ買えてないがな。」
ジョン
「……頑張る。」
【所持アイテム】
???のスクロール 6枚
採掘計画書(「鉱山の場所を探す」を追記)
新しい帳簿 5冊
余り紙
奴隷のマクダフの野郎
(ツルハシの値札を見て静かに棚へ戻した)
武器破損した剣
???の指輪(バンステ金策で入手)
ゴブリン(テイム)
ケムトレイル群(保護対象)
キュ太郎
(ツルハシの柄にじゃれて怒られた)
【投資・契約】
中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
元本:金貨10枚
状態:運用中
ジョン
「投資も止まらないの?」
銀行
「契約が続く限り。」
おっさん
「町も同じだ。」
【M資金速報】
発行券種
100G券 ★★★★★
500G券 ★★★★☆
1000G券 ★★★★☆
5000G券 ★★★☆☆
今回の出来事
✅ 町全体が「M資金=採掘資金」と理解
✅ それでも流通はさらに増加
✅ ツルハシの需要が増え始める
⬜ ジョンのツルハシ購入(まだ)
⬜ 鉱山発見(まだ)
※ジョン個人の所持金に変動はありません。
ジョンの一言
ジョン
「次は本当に鉱山を見つけよう!」
おっさん
「町は紙で動き、お前は夢で動く。不思議なもんだ。」
マクダフ
「旦那ぁ、鉱山が見つかったら俺もちゃんと働きますぜ! ……たぶん。」