異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜 作:raixip
朝。
宿の食堂。
僕は採掘計画書を広げていた。
「鉱山の場所……。」
何も書けない。
分からないからだ。
「旦那ぁ。」
マクダフがパンをかじりながら言う。
「町で一番古い話を知ってるのは誰だと思います?」
「誰?」
「古道具屋ですぜ。」
「古道具屋?」
「古い物には古い話が付いてきますから。」
おっさんが頷いた。
「珍しくまともなことを言ったな。」
「へへっ。」
昼。
町外れの古道具屋。
ギィ……
古い扉を開ける。
店の中は薄暗い。
棚には古びたランタン。
錆びた剣。
欠けた皿。
そして。
丸められた古い紙が何本も並んでいた。
「いらっしゃい。」
白髪の老人がゆっくり顔を上げる。
「何を探しておる。」
「鉱山です。」
老人の眉が少し動いた。
「……鉱山?」
「はい。」
「みんなで掘ろうと思って。」
老人はしばらく黙っていた。
そして店の奥へ消える。
ゴソ……
ゴソ……
古い木箱を開ける音がする。
やがて一本の巻物を持って戻ってきた。
「これを見ろ。」
机に広げる。
黄ばんだ紙。
ところどころ破れている。
「地図だ。」
「わぁ!」
僕は思わず声を上げた。
「昔の鉱山道だ。」
地図には山道が描かれていた。
小川。
森。
岩場。
そして。
山の奥に、小さく印がある。
『旧マーカット鉱山』
「ここ!」
「ここだ!」
僕は目を輝かせる。
老人は静かに頷く。
「昔は銀が採れた。」
「今は閉山しておる。」
「なんで?」
「儲からなくなった。」
その一言に。
おっさんが苦笑する。
「世の中らしい理由だ。」
僕は地図を見つめた。
「ここなら。」
「掘れるかな。」
老人は首を横に振る。
「簡単じゃない。」
「道が崩れておる。」
「橋も落ちた。」
「中も危ない。」
「それでも。」
「行きたいか?」
僕は迷わなかった。
「はい!」
「みんなで掘りたいです!」
老人は少し笑った。
「若いな。」
その頃。
市場。
「聞いたか?」
「ジョンが鉱山を見つけたらしい。」
「本当か?」
「いや。」
「古い地図を見つけただけ。」
「でも。」
「本当に掘る気なんだ。」
町人たちは顔を見合わせる。
「最初からそう言ってたな。」
「俺たち。」
「忘れてた。」
銀行。
支店長も報告を受ける。
「旧マーカット鉱山。」
「閉山済みです。」
「理由は。」
「採算悪化。」
支店長は小さく笑った。
「皮肉だ。」
「利益が出ない鉱山を掘るための券が。」
「町一番の利益を生んでいる。」
部下は返す言葉がなかった。
夕方。
宿。
僕は地図を何度も見返していた。
「旧マーカット鉱山。」
「まずは行ってみよう。」
マクダフが頷く。
「旦那ぁ。」
「冒険らしくなってきましたぜ。」
「うん!」
おっさんは腕を組む。
「その前に。」
「橋だな。」
「橋?」
「落ちてるんだろ。」
「あっ。」
計画書を開く。
新しい一行を書く。
『橋を直す方法を考える。』
「また増えた。」
僕は笑う。
「でも。」
「少しずつ前に進んでる。」
懐では。
キュ太郎が地図の上に丸くなる。
ちょうど。
鉱山の印の上だった。
「きゅ。」
誰も気付かなかった。
その小さな毛玉が。
本当は、地図など必要ない存在だということを。
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
171G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))
ジョン
「地図を手に入れたよ!」
おっさん
「金は増えんが、情報は増えたな。」
【所持アイテム】
???のスクロール 6枚
採掘計画書(「橋を直す方法」を追記)
旧バンステ鉱山の古地図(NEW)
新しい帳簿 5冊
余り紙
奴隷のマクダフの野郎
(古道具屋で値切ろうとして怒られた)
武器破損した剣
???の指輪(バンステ金策で入手)
ゴブリン(テイム)
ケムトレイル群(保護対象)
キュ太郎
(鉱山の印の上で昼寝)
【投資・契約】
中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
元本:金貨10枚
状態:運用中
ジョン
「地図にも手数料ってあるの?」
銀行
「それは古道具屋に聞いてください。」
おっさん
「珍しく銀行の仕事じゃないな。」
【M資金速報】
発行券種
100G券 ★★★★★
500G券 ★★★★☆
1000G券 ★★★★☆
5000G券 ★★★☆☆
今回の出来事
✅ 旧バンステ鉱山の古地図を発見
✅ 鉱山への道が崩落していることが判明
✅ 町では「本当に掘る気だった」と再認識
⬜ 橋の修復
⬜ ツルハシ購入
⬜ 採掘開始
※ジョン個人の所持金に変動はありません。
ジョンの一言
ジョン
「地図まで手に入った! 次は橋だ!」
おっさん
「一歩進むたびに課題が一つ増えるな。」
マクダフ
「旦那ぁ、そのうち橋を直す資金まで『B資金』とか言い出さないでくださいよ……。」