異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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第122話 視察

朝。

 

宿。

 

僕は古地図を机へ広げた。

 

「旧マーカット鉱山。」

 

何度見ても。

 

わくわくする。

 

「旦那ぁ。」

 

マクダフが地図を覗き込む。

 

「結構遠いですな。」

 

「歩きなら一日半くらいですかね。」

 

「行こう。」

 

僕は迷わず答えた。

 

「実際に見てみたい。」

 

おっさんは腕を組む。

 

「見るだけなら賛成だ。」

 

「無理はするな。」

 

「うん。」

 

「橋も崩れてるしね。」

 

採掘計画書を開く。

 

新しく書き加える。

 

『現地を見て、安全を確認する。』

 

「これで準備が一つ進んだ。」

 

昼。

 

商人ギルド。

 

「ジョン君。」

 

ギルド長が声を掛けてきた。

 

「どこかへ行くんですか?」

 

「マーカット鉱山。」

 

「見に行こうと思って。」

 

ギルド長の笑顔が固まる。

 

「……本当に?」

 

「はい。」

 

「場所も分かったので。」

 

ギルド長は慌てて奥へ走った。

 

「ちょっと待ってください!」

 

「え?」

 

何が起きたのか分からない。

 

十分後。

 

会議室。

 

ギルド長。

 

紙屋。

 

道具屋。

 

荷馬車組合の親方。

 

なぜか全員集まっていた。

 

「ジョン君。」

 

「視察に行くそうですね。」

 

「うん。」

 

「橋を見て。」

 

「危なくなかったら。」

 

「みんなで掘れるか確認したい。」

 

全員が顔を見合わせる。

 

道具屋が口を開いた。

 

「橋が通れたら。」

 

「本当に始まるのか。」

 

「うん。」

 

「そのための準備だから。」

 

紙屋の主人が小さく息をのむ。

 

「……始まる。」

 

その頃。

 

銀行。

 

「支店長!」

 

「ジョンが。」

 

「マーカット鉱山を視察します!」

 

支店長は立ち上がる。

 

「視察?」

 

「はい!」

 

「現地確認です!」

 

支店長は窓の外を見る。

 

「とうとう。」

 

「動き始めたか。」

 

王都。

 

契約監査官エドガーも報告書を受け取る。

 

発行者、旧マーカット鉱山を視察予定。

 

エドガーは思わず立ち上がった。

 

「視察?」

 

部下が頷く。

 

「本人は橋を見に行くだけです。」

 

「……。」

 

「そうだろうな。」

 

エドガーは苦笑する。

 

「本人は。」

 

「だが。」

 

「周囲はそう受け取らない。」

 

市場。

 

噂はあっという間に広がる。

 

「ジョンが動く!」

 

「鉱山が始まる!」

 

「準備しろ!」

 

鍛冶屋では。

 

ツルハシの注文が増えた。

 

紙屋では。

 

帳簿が追加で発注された。

 

宿屋では。

 

「視察団」という名前で部屋の予約が入り始める。

 

主人が首をかしげる。

 

「視察団?」

 

「誰が来るんだ?」

 

誰も知らない。

 

でも。

 

予約だけは増えていく。

 

夕方。

 

僕は荷物をまとめていた。

 

ロープ。

 

水筒。

 

お弁当。

 

古地図。

 

採掘計画書。

 

「忘れ物はないかな。」

 

マクダフが荷物を持ち上げる。

 

「重いですぜ。」

 

「夢がいっぱい入ってるから。」

 

僕は笑った。

 

おっさんも少しだけ笑う。

 

「夢は軽い。」

 

「荷物は重い。」

 

「ははは。」

 

その時だった。

 

宿の外が騒がしい。

 

「ジョンさん!」

 

「頑張ってください!」

 

「鉱山をお願いします!」

 

窓の外を見る。

 

町の人が集まっている。

 

パン屋。

 

魚屋。

 

紙屋。

 

荷馬車組合。

 

みんな手を振っていた。

 

「え?」

 

僕はびっくりした。

 

「見に行くだけなんだけど。」

 

その言葉は。

 

歓声にかき消された。

 

「頑張れー!」

 

「応援してるぞー!」

 

ジョンは照れくさそうに頭をかいた。

 

「みんな優しいなぁ。」

 

おっさんは空を見上げる。

 

「……。」

 

「優しい。」

 

「だから止まらない。」

 

誰も悪意はない。

 

誰も騙そうとしていない。

 

それでも。

 

町はもう。

 

「マーカット鉱山が再び動き出す日」を信じ始めていた。




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
171G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「やっと鉱山を見に行ける!」
おっさん
「まずは無事に帰って来い。」

【所持アイテム】
???のスクロール 6枚
採掘計画書(「現地を見て、安全を確認する」を追記)
旧マーカット鉱山の古地図
新しい帳簿 5冊
余り紙
ロープ
水筒
弁当
奴隷のマクダフの野郎
(荷物持ち兼、文句担当)
武器破損した剣
???の指輪(バンステ金策で入手)
ゴブリン(テイム)
ケムトレイル群(保護対象)
キュ太郎
(荷物の一番上で丸くなって出発準備完了)

【投資・契約】
中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
元本:金貨10枚
状態:運用中

ジョン
「帰ってきたら増えてるかな?」
銀行
「運用中でございます。」
おっさん
「その返事も運用中だな。」

【本日の収支】
なし

ジョン
「今日は準備だけ!」
マクダフ
「出発前日は財布も休暇ですぜ。」

【M資金速報】
発行券種
100G券 ★★★★★
500G券 ★★★★☆
1000G券 ★★★★☆
5000G券 ★★★☆☆

今回の出来事
✅ ジョンが旧マーカット鉱山の視察を決定
✅ 町では「いよいよ採掘開始」と噂が広がる
✅ 宿屋・鍛冶屋・紙屋まで視察需要で活気づく
⬜ マーカット鉱山到着
⬜ 崩れた橋の確認
⬜ ツルハシ購入

※ジョン個人の所持金に変動はありません。
ジョンの一言

ジョン
「まずは見に行くだけ! 安全第一!」
おっさん
「お前の一歩で、町は十歩くらい先へ走ってる。」
マクダフ
「旦那ぁ、帰ってきた頃には『視察記念M資金券』とか売られてそうですぜ……。」
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