異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜 作:raixip
朝。
まだ日も昇りきらない。
宿の前には荷物が並んでいた。
ロープ。
水筒。
弁当。
古地図。
採掘計画書。
そして。
武器破損した剣。
「よし。」
僕は大きく伸びをした。
「出発だ。」
キュ太郎が胸ポケットから顔を出す。
「きゅ。」
「今日は遠出だからね。」
頭をなでると、嬉しそうに丸くなった。
宿の主人が見送ってくれる。
「気を付けてな。」
「はい!」
「鉱山を見てきます!」
主人は笑顔で手を振る。
「いい報告を待ってる。」
「任せて!」
僕は元気よく歩き出した。
町の門へ着く。
門番が驚いた顔をした。
「ジョン君。」
「本当に行くのか。」
「うん。」
「見に行くだけ。」
門番は笑う。
「最近は皆、その話ばかりだ。」
「そうなの?」
「『マーカット鉱山が復活する』ってな。」
僕は苦笑いする。
「まだ分からないよ。」
「まずは見ないと。」
門番はその答えに安心したように頷いた。
「そうだな。」
「気を付けて行ってこい。」
町を出る。
街道は静かだった。
荷馬車が一台。
反対方向からやって来る。
御者が声を掛ける。
「兄ちゃん!」
「マーカット鉱山へ行くのか?」
「うん!」
「視察だよ!」
「そうか!」
御者は親指を立てた。
「頑張れ!」
荷馬車は去っていく。
マクダフが苦笑する。
「旦那ぁ。」
「町中が知ってますぜ。」
「応援してくれてるんだ。」
「……そうとも言いますな。」
昼。
街道脇で休憩。
弁当を広げる。
パン。
干し肉。
ゆで卵。
質素だけど、おいしい。
「外で食べると違うね。」
おっさんが空を見上げる。
「今日は天気もいい。」
「歩きやすい。」
その時。
近くで薪を拾っていた老人が声を掛けてきた。
「旅人か?」
「はい。」
「マーカット鉱山へ。」
老人の表情が変わる。
「あそこか……。」
「知ってるんですか?」
「ああ。」
「若い頃、一度だけ働いた。」
僕は思わず身を乗り出した。
「どんな鉱山だったんですか?」
老人は少し考える。
「銀は出た。」
「魔石も少し。」
「だが。」
「採れる量が減ってな。」
「みんな去っていった。」
「そうなんだ。」
老人は最後に、ぽつりと付け加えた。
「……ただな。」
「誰も、一番奥までは掘っておらん。」
「え?」
「崩落が起きてな。」
「そこで終わった。」
老人はそれ以上話さなかった。
僕たちは再び歩き出す。
マクダフが小声で言う。
「旦那ぁ。」
「聞きました?」
「うん。」
「奥は掘ってないって。」
僕の胸は高鳴る。
「じゃあ。」
「まだ何かあるかもしれない。」
おっさんはすぐには賛成しなかった。
「期待しすぎるな。」
「現実は甘くない。」
「分かってる。」
「でも。」
「見に行く価値はあるよ。」
その言葉に、おっさんは小さく笑った。
「そういうところは嫌いじゃない。」
同じ頃。
ポーシャの町。
商人ギルド。
「ジョン君は出発しました。」
報告を受けたギルド長は静かに頷く。
「そうですか。」
窓の外では。
M資金券が今日も流通している。
荷車は忙しく走り回る。
町はいつも通り。
それでも。
どこか落ち着かない空気があった。
「もし。」
受付係がつぶやく。
「本当に鉱山が復活したら。」
ギルド長は答えた。
「その時は。」
「この町の歴史が変わります。」
夕方。
山道。
木々の間から。
古びた石橋が見えてきた。
橋の手前には倒木。
石は崩れ。
中央部分は大きく沈んでいる。
古地図に描かれていた橋だ。
僕は足を止めた。
「ここが……。」
「マーカット鉱山への入口。」
風が吹く。
橋の向こうには、静かな森。
そのさらに奥には。
誰も近づかなくなった鉱山が眠っている。
ジョンは大きく息を吸った。
「いよいよだ。」
その橋を渡れば。
M資金が生まれた本当の理由と向き合うことになる。
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
171G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))
ジョン
「ついに橋まで来た!」
おっさん
「ここから先は気を引き締めろ。」
【所持アイテム】
???のスクロール 6枚
採掘計画書
旧マーカット鉱山の古地図
新しい帳簿 5冊
余り紙
ロープ
水筒
弁当(残り半分)
奴隷のマクダフの野郎
(歩き疲れて文句が増えた)
武器破損した剣
???の指輪(バンステ金策で入手)
ゴブリン(テイム)
ケムトレイル群(保護対象)
キュ太郎
(橋の向こうをじっと見つめている)
【投資・契約】
中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
元本:金貨10枚
状態:運用中
ジョン
「帰る頃には結果が出てるかな?」
銀行
「契約どおり運用しております。」
おっさん
「その返事だけは崩れんな。」
【本日の収支】
なし
ジョン
「今日は歩いただけ!」
マクダフ
「足の疲れだけは大赤字ですぜ。」
【M資金速報】
今回の出来事
✅ ジョンたちがポーシャを出発
✅ 元鉱夫から「最奥部は未採掘」という話を聞く
✅ マーカット鉱山へ続く崩れた石橋へ到着
⬜ 橋を渡る方法を探す
⬜ マーカット鉱山内部の調査
⬜ ツルハシ購入
※ジョン個人の所持金に変動はありません。
ジョンの一言
ジョン
「橋を越えたら夢に近づける!」
おっさん
「橋は渡る前が一番危ない。慎重にな。」
マクダフ
「旦那ぁ、橋より先に俺の足が限界ですぜ……。」