異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜 作:raixip
朝。
僕は借りたツルハシを肩に担いで、崩れた橋の前に立っていた。
「よし。」
「今日は橋を直す方法を考えよう。」
マクダフが橋を見上げる。
「旦那ぁ。」
「考えるだけなら無料ですぜ。」
「うん。」
「だから考える。」
おっさんがため息をついた。
「問題は。」
「どうやって直すかだ。」
僕は橋を観察する。
橋脚は残っている。
石も全部なくなったわけじゃない。
ただ。
中央部分が崩れている。
「石を戻せば?」
ガレスさんが首を振る。
「無理だ。」
「水の流れが強い。」
「足場を作らないと作業できん。」
「なるほど。」
僕は採掘計画書を開く。
※橋の修理方法
その下に書く。
①足場
「足場が必要。」
「木材が必要。」
「人手も必要。」
「そして金。」
おっさんが最後だけ強調した。
「そこが一番重要だ。」
僕は財布を見る。
171G。
「……。」
財布を閉じる。
「金は後で考えよう。」
マクダフが笑う。
「旦那ぁ。」
「いつもそれですな。」
その時。
ガレスさんが橋の横を指差した。
「木ならある。」
森には太い木が何本も生えている。
「これを切って。」
「足場にする。」
僕は目を輝かせた。
「じゃあ!」
「まず木を切ろう!」
ツルハシを握る。
ガレスさんが慌てて止めた。
「それは木を切る道具じゃない。」
「あ。」
おっさんが笑う。
「早速やったな。」
「じゃあ剣で……。」
「やめろ。」
「武器も壊れてるだろ。」
僕は困った。
「じゃあ斧が必要だ。」
マクダフがニヤリとする。
「旦那ぁ。」
「また買い物ですぜ。」
昼。
僕たちは近くの集落まで戻った。
道具屋を探す。
店先には。
斧。
ロープ。
杭。
木材。
そして。
ツルハシ。
僕はツルハシを見て驚いた。
「高い。」
昨日まで普通に売られていたツルハシが。
かなり値上がりしている。
「これ。」
「いくらですか?」
店主が答える。
「一本、金貨一枚。」
「えっ。」
僕は固まった。
「昨日より高くない?」
店主は苦笑する。
「マーカット鉱山の話が広まってな。」
「採掘道具が売れてるんだ。」
おっさんが小声で言う。
「完全に投機だな。」
僕は財布を確認する。
171G。
金貨一枚どころか。
銀貨すら厳しい。
「……。」
店主が僕の肩にあるツルハシを見る。
「それ。」
「ガレスのじゃないか?」
「はい。」
「借りました。」
店主は少し驚いた。
「なら。」
「買わなくてもいいだろ。」
僕は首を振る。
「借り物です。」
「いつか返さないと。」
店主は少し笑った。
「なるほどな。」
店の奥から。
古い斧を一本出してきた。
「これは?」
「中古だ。」
「少し刃が欠けてる。」
「でも木を切るくらいなら使える。」
値段を聞く。
「30G。」
僕は財布を見る。
171G。
「買います。」
チャリン。
30Gを支払う。
財布が少し軽くなった。
でも。
初めて採掘のために使ったお金だった。
「これで木が切れる!」
僕は斧を握った。
その頃。
ポーシャ。
町の掲示板。
新しい紙が貼られていた。
『マーカット鉱山復興記念券 予約受付開始』
さらにその横。
『採掘関連商品の価格上昇が予想されます』
その横。
『ツルハシ先行予約』
その横。
『木材価格上昇のお知らせ』
町人が掲示板を見る。
「木まで値上がりするのか?」
「鉱山を掘るなら必要だろ。」
「じゃあ買っておこう。」
「どれくらい?」
「分からん。」
「でも上がるらしい。」
誰も。
鉱山が本当に復活するかは知らない。
それでも。
物だけが先に動いていく。
夕方。
僕たちは橋へ戻った。
買った斧を使い。
倒木を切る。
ガツン。
ガツン。
「結構疲れる。」
マクダフも手伝う。
「旦那ぁ。」
「これ、金策なんですかね?」
「うん。」
僕は汗を拭う。
「鉱山を掘るためだから。」
「じゃあ。」
「これも金策。」
おっさんが笑った。
「ついに木を切るところまで金策になったか。」
ガレスさんも笑っている。
そして。
何本か木を切り終えた頃。
僕は橋の下を覗き込んだ。
「これなら。」
「足場を作れそう。」
ガレスさんが頷く。
「明日から作業できる。」
僕は嬉しくなった。
「じゃあ。」
「明日には橋を渡れる?」
ガレスさんは少し考える。
「……うまくいけばな。」
その時。
キュ太郎が突然。
「きゅ。」
と鳴いた。
僕の胸元から飛び出す。
そして。
橋の下へ。
ふわり。
「キュ太郎?」
黒い毛玉が。
崩れた橋脚の奥へ向かっていく。
「待って!」
僕が追いかけようとした瞬間。
橋の下から。
ゴトン。
何かが落ちた。
土の中から。
古びた金属製の箱が転がり出てきた。
「……箱?」
ガレスさんの顔色が変わった。
「それは。」
おっさんが箱を見つめる。
「何だ?」
ガレスさんは答えなかった。
ただ。
震える声で。
一言だけ呟いた。
「……最後の採掘隊が。」
「持っていた箱だ。」
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))
斧を購入したため、30G減少。
ジョン
「これで橋を直せる!」
おっさん
「財布も30G直してくれ。」
【所持アイテム】
・???のスクロール 6枚
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・ガレスのツルハシ(借用中)
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿 5冊
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群
立場:保護対象
詳細:不明
・キュ太郎
(橋の下で何かを見つけた)
【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
元本:金貨10枚
状態:運用中
想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
詳細:非公開/高リスク
ジョン
「そろそろ増えてるかな?」
銀行
「運用しております。」
おっさん
「質問の答えになってないな。」
【M資金】
発行したM資金券は現在もジョンの手を離れて流通中。
ジョン自身が売買しているわけではない。
商人同士。
町人同士。
商人と町人。
さらに一部の業者まで。
M資金券と商品や現金を勝手に交換している。
ジョン
「僕の知らないところで売買されてる……。」
おっさん
「だから言っただろ。」
「一度流通した紙は、発行者の手から離れる。」
マクダフ
「旦那ぁ。」
「俺にも一枚くださいよ。」
ジョン
「何に使うの?」
マクダフ
「……秘密です。」
おっさん
「絶対ろくなことに使わないな。」
【本日の収支】
-30G
中古の斧を購入。
ジョン
「採掘のための必要経費!」
マクダフ
「財布には大打撃ですぜ。」
【今回の進展】
✅ 橋の修理に必要な木材を確保
✅ 中古の斧を30Gで購入
✅ ツルハシは高騰中のため購入せず
✅ マーカット鉱山への道を少しずつ整備
✅ 橋の下から謎の金属箱が出現
✅ ガレスが「最後の採掘隊の箱」と発言
※ジョン個人の所持金に変動あり。
ジョンの一言
「これ、もしかして鉱山の秘密が入ってるのかな?」
おっさん
「お前の場合、秘密より先に金の心配をしろ。」
マクダフ
「旦那ぁ……箱の中身が金貨なら、俺にも少し――」
ジョン
「みんなで使おう!」
マクダフ
「……。」
おっさん
「お前、今ものすごく嫌そうな顔したな。」
次回、最後の採掘隊が残した箱。その中身が明らかになる。