異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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第128話 最後の箱

橋の下。

 

僕たちは土に半分埋まった金属箱を見つめていた。

 

「これが……。」

 

ガレスさんは黙っている。

 

顔が険しい。

 

「ガレスさん?」

 

「触る前に聞いておく。」

 

「はい。」

 

「その箱。」

 

「何が入っていると思う?」

 

僕は少し考えた。

 

「採掘道具?」

 

マクダフが口を挟む。

 

「金貨ですぜ。」

 

「たぶん。」

 

おっさんが呆れる。

 

「お前は金しか考えてないな。」

 

「だって鉱山だよ?」

 

「そういう問題じゃない。」

 

僕は箱を見る。

 

錆びている。

 

かなり古い。

 

鍵穴もある。

 

「開けていいんですか?」

 

ガレスさんはすぐには答えなかった。

 

やがて。

 

「開けよう。」

 

「ただし。」

 

「中身は誰の物か分からん。」

 

「だから勝手に持っていくな。」

 

僕は頷いた。

 

「分かりました。」

 

 

箱を橋の上まで運ぶ。

 

重い。

 

マクダフと二人で持っても大変だった。

 

「旦那ぁ。」

 

「これ、中身が空だったら泣きますぜ。」

 

「なんでマクダフが泣くの?」

 

「重かったからです。」

 

「理由が違うだろ。」

 

おっさんが笑う。

 

「開けるぞ。」

 

ガレスさんが古い鍵を取り出した。

 

「鍵?」

 

「昔から持っていた。」

 

「じゃあ開くんですね!」

 

「たぶんな。」

 

カチャ。

 

錆びついた音が響く。

 

ギギギ……。

 

蓋がゆっくり開いた。

 

 

中に入っていたのは。

 

金貨ではなかった。

 

「……紙?」

 

古い紙束。

 

その下に。

 

小さな鉱石。

 

そして。

 

一冊の帳簿。

 

僕は少しがっかりした。

 

「金貨じゃない。」

 

マクダフも肩を落とす。

 

「残念ですなぁ。」

 

ガレスさんが帳簿を手に取る。

 

表紙には文字が刻まれていた。

 

**『マーカット鉱山 最終採掘記録』**

 

「これは……。」

 

ガレスさんの手が震えた。

 

 

帳簿を開く。

 

古い文字が並んでいる。

 

採掘量。

 

作業人数。

 

坑道の状態。

 

毎日の記録。

 

僕には少し難しい。

 

でも。

 

最後のページだけは読めた。

 

そこには大きく。

 

『第七坑道、採掘継続可能』

 

と書かれていた。

 

「え?」

 

僕は顔を上げる。

 

「採掘継続可能?」

 

ガレスさんは黙っている。

 

おっさんが帳簿を覗き込む。

 

「つまり。」

 

「最後の採掘隊は。」

 

「まだ掘れると判断していた?」

 

ガレスさんは頷いた。

 

「そうだ。」

 

「だが。」

 

「その直後に崩落した。」

 

 

僕は地図を見る。

 

「第七坑道って。」

 

「どこですか?」

 

ガレスさんが古地図を広げる。

 

指が止まる。

 

「……ここだ。」

 

山の奥。

 

古地図には小さな印がある。

 

**第七坑道。**

 

その場所は。

 

マーカット鉱山の最奥部だった。

 

「まだ掘れるんだ。」

 

僕の胸が高鳴る。

 

「じゃあ!」

 

「本当に採掘できるかもしれない!」

 

ガレスさんは頷いた。

 

「可能性はある。」

 

「ただし。」

 

「問題が一つある。」

 

「何ですか?」

 

ガレスさんは帳簿の最後のページを指差した。

 

そこには。

 

採掘記録とは別に。

 

小さな文字が残されていた。

 

『坑道奥部に異常な振動あり。原因不明。調査中。』

 

僕は首をかしげる。

 

「振動?」

 

「地震じゃないんですか?」

 

ガレスさんは首を横に振る。

 

「分からん。」

 

おっさんの表情が変わった。

 

「ジョン。」

 

「なんだ?」

 

「明日からは。」

 

「遊び半分で行くな。」

 

僕は頷く。

 

「分かった。」

 

 

その夜。

 

番小屋。

 

僕は帳簿を何度も読み返していた。

 

マーカット鉱山。

 

第七坑道。

 

採掘継続可能。

 

そして。

 

原因不明の振動。

 

「何があるんだろう。」

 

胸ポケットからキュ太郎が顔を出す。

 

「きゅ。」

 

「気になるよね。」

 

キュ太郎は答える代わりに。

 

帳簿の上へ乗った。

 

そして。

 

第七坑道の文字を。

 

小さな黒い体で隠した。

 

「キュ太郎。」

 

「そこ見えないよ。」

 

僕が持ち上げようとする。

 

その瞬間。

 

帳簿の下から。

 

小さな鉱石が転がった。

 

コロン。

 

「これ。」

 

拾い上げる。

 

暗い紫色。

 

普通の石には見えない。

 

ガレスさんがそれを見た瞬間。

 

顔色を変えた。

 

「……それは。」

 

「何ですか?」

 

ガレスさんは答えなかった。

 

ただ。

 

窓の外。

 

山の奥を見つめる。

 

「まさか。」

 

小さく呟いた。

 

その声を。

 

僕は聞き逃さなかった。

 

「ガレスさん。」

 

「この石。」

 

「何なんですか?」

 

ガレスさんはしばらく黙ったあと。

 

ようやく口を開いた。

 

「昔。」

 

「この石を見つけた者がいた。」

 

「そして。」

 

「その翌日に。」

 

「マーカット鉱山は閉鎖された。」

 

僕は石を握りしめた。

 

鉱山の奥で。

 

何かが。

 

まだ眠っている。

 

そんな気がした。

 




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3



【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「今回は何も買ってない!」
おっさん
「財布だけは平和だったな。」


【所持アイテム】

・???のスクロール 6枚
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・**謎の紫色の鉱石(NEW)**
・ガレスのツルハシ(借用中)
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿 5冊
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群
 立場:保護対象
 詳細:不明
・キュ太郎
(なぜか第七坑道の文字を隠した)



【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

ジョン
「鉱山も当たりかもしれないし、投資も当たりかもしれない。」
おっさん
「両方とも中身が分からんな。」
銀行
「契約内容をご確認ください。」
ジョン
「銀行はいつもそれだね。」



【M資金】

M資金券はジョンの手を離れたまま流通中。

現在では、

・商人同士の決済
・商品との交換
・転売
・投資目的の保有

など、採掘とは関係のない用途まで増加。

ジョン
「僕は鉱山を掘るために作ったんだけど。」
おっさん
「市場は発行者の予定なんて聞かない。」
マクダフ
「旦那ぁ。」
「だったら俺も勝手に新しい使い方を――」
おっさん
「やめろ。」


【本日の収支】

なし

ジョン
「今日はお金を使わずに大きな発見をした!」
マクダフ
「金貨はありませんでしたが、紫色の石はありましたぜ。」
おっさん
「お前、まだ金貨を探してたのか。」


【今回の進展】

✅ 最後の採掘隊が残した金属箱を発見
✅ 「マーカット鉱山 最終採掘記録」を入手
✅ 第七坑道は採掘可能だったことが判明
✅ 坑道奥部に「原因不明の振動」があったことが判明
✅ 謎の紫色の鉱石を発見
✅ ガレスがその石について何か知っている様子


※ジョン個人の所持金に変動はありません。
ジョンの一言

「採掘できる場所が残ってた!」
おっさん
「問題は、その奥に何があるかだ。」
マクダフ
「旦那ぁ……俺は金貨が入ってる箱の方が好きですぜ。」
ジョン
「でも、鉱石があるなら儲かるかも!」
おっさん
「お前は結局そこに戻るのか。」

次回、ガレスが語る「紫色の鉱石」の正体。そしてマーカット鉱山が閉山した本当の理由へ。
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