異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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第129話 紫色の鉱石

夜。

 

番小屋の中。

 

僕は机の上に置いた紫色の鉱石を見つめていた。

 

暗い紫色。

 

光を当てると。

 

ほんの少しだけ赤く光る。

 

「きれいだな。」

 

僕が指で触れる。

 

ガレスさんが慌てて止めた。

 

「触るな。」

 

「え?」

 

「……いや。」

 

ガレスさんは一度目を閉じる。

 

「念のためだ。」

 

「危ない石なんですか?」

 

「分からん。」

 

「分からない?」

 

「それが問題なんだ。」

 

おっさんが腕を組む。

 

「普通の鉱石じゃないのか?」

 

ガレスさんは首を横に振った。

 

「鑑定士に見せたことがある。」

 

「結果は?」

 

「鑑定不能。」

 

僕は目を丸くした。

 

「鑑定不能?」

 

「そうだ。」

 

「鑑定スキルでも?」

 

「そういうことだ。」

 

僕は自分の鑑定スキルを思い出す。

 

0.3。

 

「僕なら……。」

 

「無理だ。」

 

即答だった。

 

「まだ言ってないよ。」

 

「顔に書いてある。」

 

おっさんが笑う。

 

「試したいんだろ。」

 

「うん。」

 

 

僕は鉱石を手に取った。

 

「少しだけ。」

 

ガレスさんが止めるより早く。

 

鑑定を使う。

 

【鑑定】

 

……。

 

何も表示されない。

 

もう一度。

 

【鑑定】

 

やっぱり。

 

何も出ない。

 

「本当に何も分からない。」

 

「だから言っただろ。」

 

ガレスさんが鉱石を布で包む。

 

「これは昔から。」

 

「誰にも正体が分からん。」

 

僕は首をかしげた。

 

「じゃあ。」

 

「なんで鉱山にあったんですか?」

 

「採掘したからだ。」

 

「どこで?」

 

ガレスさんが答える。

 

「第七坑道。」

 

その言葉に。

 

僕の胸が高鳴った。

 

 

「じゃあ。」

 

「第七坑道に行けば。」

 

「もっとあるかもしれない?」

 

ガレスさんは黙る。

 

「……ある。」

 

「えっ。」

 

「昔。」

 

「何個か見つけた。」

 

僕は立ち上がった。

 

「じゃあ掘ろう!」

 

「待て。」

 

「まだだ。」

 

「どうして?」

 

ガレスさんは険しい顔をした。

 

「紫鉱石を掘った日の夜。」

 

「坑道が揺れた。」

 

「次の日。」

 

「崩落した。」

 

僕は黙った。

 

「偶然かもしれん。」

 

「だが。」

 

「わしは二度と近づきたくなかった。」

 

 

マクダフが恐る恐る聞く。

 

「つまり。」

 

「石を掘ったら。」

 

「山が怒った?」

 

ガレスさんは真顔で答えた。

 

「そう考える者もいた。」

 

「……。」

 

マクダフが一歩下がる。

 

「旦那ぁ。」

 

「俺、帰ってもいいですかね。」

 

「まだ来たばっかりだよ。」

 

「そうでした。」

 

 

おっさんが鉱石を見つめる。

 

「だが。」

 

「原因不明の振動。」

 

「鑑定不能の鉱石。」

 

「そして崩落。」

 

「偶然にしては重なるな。」

 

僕は黙って考える。

 

でも。

 

怖いというより。

 

気になって仕方がない。

 

「ガレスさん。」

 

「何だ。」

 

「第七坑道へ行くには。」

 

「橋を直すだけじゃ足りないんですよね。」

 

「そうだ。」

 

「坑道の入口も塞がっている。」

 

「じゃあ。」

 

僕は採掘計画書を開いた。

 

新しく書き加える。

 

①橋を直す

 

②坑道入口を確認する

 

③安全確認

 

「これでいい。」

 

おっさんが覗き込む。

 

「ずいぶん簡単に書いたな。」

 

「だって。」

 

「やることは分かったから。」

 

ガレスさんは苦笑した。

 

「お前は本当に。」

 

「怖がらんな。」

 

僕は少し考える。

 

「怖いよ。」

 

「でも。」

 

「鉱山があるなら。」

 

「掘ってみたい。」

 

「みんなで。」

 

その言葉を聞いたガレスさんは。

 

静かに笑った。

 

 

 

翌朝。

 

僕たちは橋の修理を始めた。

 

昨日切った木を運ぶ。

 

杭を打つ。

 

ロープを張る。

 

ガレスさんが指示を出す。

 

「そこを固定しろ。」

 

「はい!」

 

「もう少し右だ。」

 

「分かりました!」

 

僕は斧を使う。

 

ガツン。

 

ガツン。

 

少しずつ。

 

橋が形を取り戻していく。

 

マクダフはロープを結びながら。

 

「旦那ぁ。」

 

「これ、結構大変ですぜ。」

 

「うん。」

 

「でも。」

 

「橋ができれば鉱山へ行ける。」

 

「それはそうですが。」

 

「俺の腰が先に閉山しそうです。」

 

おっさんが笑った。

 

「お前の腰は採掘対象じゃない。」

 

 

 

昼過ぎ。

 

最初の足場が完成した。

 

「できた!」

 

僕は喜んだ。

 

まだ完全な橋ではない。

 

それでも。

 

昨日より明らかに先へ進んでいる。

 

ガレスさんが足場を確認する。

 

「これなら。」

 

「明日には渡れる。」

 

「本当ですか?」

 

「ああ。」

 

僕は嬉しくなった。

 

「じゃあ。」

 

「明日、鉱山に行ける!」

 

その瞬間。

 

山の奥から。

 

ズン……。

 

地面が揺れた。

 

ほんの一瞬。

 

だが。

 

確かに揺れた。

 

全員が動きを止める。

 

「……今の。」

 

僕が呟く。

 

ガレスさんの顔から血の気が引いた。

 

「この振動……。」

 

「知っている。」

 

おっさんが鉱山の方を見る。

 

そして。

 

僕の懐から。

 

小さな音がした。

 

コロン。

 

昨日の紫色の鉱石だった。

 

「え?」

 

僕が取り出す。

 

紫色の石が。

 

わずかに赤く光っている。

 

キュ太郎が。

 

初めて笑ったように見えた。

 

「きゅ。」

 

僕はまだ知らない。

 

この振動が。

 

マーカット鉱山だけのものではないことを。




【あとがき:現在のステータス】
【スキル】

■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「今日は橋を直す作業をした!」
おっさん
「金は増えない。」
ジョン
「でも橋は進んだ!」
おっさん
「それは増えたな。」

【所持アイテム】
・???のスクロール 6枚
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・ガレスのツルハシ(借用中)
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿 5冊
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群
 立場:保護対象
 詳細:不明
・キュ太郎
(紫色の鉱石が光った時、なぜか嬉しそうだった)

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

ジョン
「鉱石が見つかったんだから、投資も増えてるかも!」
銀行
「運用中でございます。」
おっさん
「まだそれしか言わないのか。」

【M資金】
M資金券はジョンの管理下にはない。
町では今も。
商人。
町人。
業者。
投資家。
さまざまな人間が勝手に交換している。

さらに現在は。

「マーカット鉱山復興記念券」

など、ジョンが知らない商品まで登場。

ジョン
「僕、そんな券作ってないよ?」
おっさん
「だから作った奴に言え。」
マクダフ
「旦那ぁ。」
「俺も何か作りましょうか?」
おっさん
「お前は作るな。」

【本日の収支】
なし

橋の修理作業のみ。

ジョン
「お金は使わずに橋が少し直った!」
マクダフ
「俺の体力はかなり減りましたぜ。」

【今回の進展】
✅ 紫色の鉱石は鑑定不能と判明
✅ 過去にも同じ鉱石が採掘されていた
✅ 紫鉱石発見後に鉱山で崩落が発生していた
✅ 橋の修理が進み、明日には渡れる見込み
✅ マーカット鉱山の方向から謎の振動が発生
✅ 紫色の鉱石が振動と同時に発光



※ジョン個人の所持金に変動はありません。
ジョンの一言

ジョン
「明日はいよいよマーカット鉱山!」
おっさん
「……その前に、今の振動を調べた方がいい。」
マクダフ
「旦那ぁ……俺、明日になったら急に用事ができるかもしれませんぜ。」
ジョン
「マクダフも一緒に行くよ。」
マクダフ
「ですよねぇ……。」

次回、ついにマーカット鉱山へ。だが、橋を渡る前から異変が始まっていた。
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