異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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第130話 マーカット鉱山へ

朝。

 

僕はいつもより早く起きた。

 

今日は。

 

ついにマーカット鉱山へ向かう。

 

「よし。」

 

僕は借り物のツルハシを背負う。

 

中古の斧も持った。

 

ロープもある。

 

地図もある。

 

「準備完了!」

 

マクダフが眠そうな顔で出てきた。

 

「旦那ぁ……。」

 

「本当に行くんですか?」

 

「行くよ。」

 

「鉱山だよ?」

 

「金があるかもしれない。」

 

「その一言で目が覚めましたぜ。」

 

おっさんが呆れる。

 

「お前らしいな。」

 

ガレスさんは橋の前に立っていた。

 

昨日作った足場を確認している。

 

「渡れる。」

 

「本当に?」

 

「ああ。」

 

僕は橋を見る。

 

まだ完全ではない。

 

でも。

 

人一人なら十分渡れそうだ。

 

「じゃあ。」

 

「行こう!」

 

僕が最初に足を踏み出す。

 

ギシッ。

 

橋が鳴った。

 

「……。」

 

一歩。

 

また一歩。

 

大丈夫。

 

「渡れた!」

 

向こう岸に着く。

 

振り返る。

 

「みんなも早く!」

 

マクダフが恐る恐る渡る。

 

「揺れてますぜ!」

 

「大丈夫!」

 

「旦那ぁ!」

 

「大丈夫じゃありません!」

 

おっさんが笑いながら続く。

 

最後にガレスさんが渡った。

 

「これで。」

 

「鉱山への道が戻ったな。」

 

その言葉を聞いた瞬間。

 

僕は少し嬉しくなった。

 

たった一本の橋。

 

でも。

 

ここまで来るのに。

 

いろんな人の力が必要だった。

 

「みんなで直したんだね。」

 

ガレスさんが頷いた。

 

「そうだ。」

 

山道を進む。

 

古い道だった。

 

草が生い茂っている。

 

ところどころ石が崩れている。

 

それでも。

 

道そのものは残っていた。

 

「昔は。」

 

ガレスさんが話し始める。

 

「ここを何十人も歩いた。」

 

「採掘した鉱石を運ぶ荷車も通った。」

 

「すごい。」

 

僕は周囲を見る。

 

今は静かだ。

 

鳥の声しか聞こえない。

 

「ここに。」

 

「鉱山があったんだ。」

 

「まだある。」

 

おっさんが言う。

 

「閉鎖されたからって。」

 

「山が消えるわけじゃない。」

 

「うん。」

 

僕はツルハシを握った。

 

しばらく歩く。

 

やがて。

 

木々の隙間から。

 

大きな岩壁が見えてきた。

 

その中央。

 

黒い穴。

 

「……あれ?」

 

僕は立ち止まった。

 

「あれが。」

 

「マーカット鉱山だ。」

 

ガレスさんが答える。

 

入口は崩れている。

 

木材の柱も朽ちている。

 

看板が一枚。

 

半分折れた状態で残っている。

 

そこには。

 

マーカット鉱山

 

と書かれていた。

 

僕は思わず近づく。

 

「ここから。」

 

「鉱山の中なんだ。」

 

胸が高鳴る。

 

「掘れるかな。」

 

おっさんが横を見る。

 

「まず入口を片付けろ。」

 

「そうだった。」

 

僕たちは崩れた石を取り除き始めた。

 

大きな石。

 

小さな石。

 

古い木材。

 

一つずつ運ぶ。

 

「これは重い。」

 

「旦那ぁ!」

 

マクダフが呼ぶ。

 

「こっちに何かありますぜ。」

 

「何?」

 

見に行く。

 

古い看板だった。

 

泥に埋まっている。

 

マクダフが泥を払う。

 

文字が現れた。

 

『第七坑道 立入禁止』

 

僕は首をかしげた。

 

「第七坑道。」

 

ガレスさんの顔が険しくなる。

 

「……入口の近くに。」

 

「こんな看板が?」

 

おっさんが看板の裏を見る。

 

「古い。」

 

「かなり前から立てられていたみたいだ。」

 

ガレスさんは黙っている。

 

「ガレスさん?」

 

「この看板。」

 

「わしが立てた。」

 

「え?」

 

ガレスさんは鉱山の奥を見る。

 

「最後の採掘隊が入った後だ。」

 

「第七坑道で異常があった。」

 

「だから閉じた。」

 

「でも。」

 

僕は最終採掘記録を思い出す。

 

「採掘継続可能って書いてありました。」

 

「ああ。」

 

「だったら。」

 

「どうして閉じたんですか?」

 

ガレスさんは答えない。

 

長い沈黙。

 

やがて。

 

「怖かったからだ。」

 

その一言だった。

 

「山が。」

 

「生きているように揺れた。」

 

「岩が崩れた。」

 

「誰も触れていないのに。」

 

「坑道の奥から音がした。」

 

僕は黙って聞く。

 

「どんな音?」

 

ガレスさんは目を細める。

 

「掘る音だ。」

 

「……え?」

 

「誰もいないはずの奥から。」

 

「カン。」

 

「カン。」

 

「カン。」

 

「まるで。」

 

「誰かがツルハシで掘っているような音がした。」

 

マクダフが青ざめる。

 

「旦那ぁ。」

 

「帰りません?」

 

「まだ入口だよ。」

 

「だから今なら間に合いますぜ。」

 

おっさんがため息をつく。

 

「幽霊話か。」

 

「分からん。」

 

ガレスさんは首を振った。

 

「だから。」

 

「閉鎖した。」

 

その時。

 

鉱山の奥から。

 

カン。

 

全員が固まった。

 

カン。

 

もう一度。

 

カン。

 

僕は思わずツルハシを握った。

 

「……今の。」

 

ガレスさんが顔を上げる。

 

「聞いたか。」

 

おっさんも頷く。

 

「聞いた。」

 

マクダフは震えている。

 

「旦那ぁ……。」

 

僕は鉱山の入口を見る。

 

暗い。

 

何も見えない。

 

それなのに。

 

確かに聞こえる。

 

カン。

 

カン。

 

カン。

 

僕は小さく息を吸った。

 

「誰か。」

 

「中で掘ってるのかな?」

 

おっさんが僕を見る。

 

「ジョン。」

 

「なんだ?」

 

「それなら。」

 

「採掘者を見つければいい。」

 

「うん。」

 

僕は一歩前へ出た。

 

すると。

 

懐のキュ太郎が。

 

突然、外へ飛び出した。

 

「キュ太郎?」

 

黒い毛玉は地面へ落ちる。

 

そして。

 

鉱山の入口へ向かって転がっていく。

 

「待って!」

 

僕も追いかける。

 

その瞬間。

 

紫色の鉱石が。

 

また赤く光った。

 

そして。

 

坑道の奥から。

 

今度は。

 

カン。

 

ではなく。

 

ドンッ!

 

巨大な音が響いた。

 

入口の岩が。

 

一斉に揺れた。

 

「危ない!」

 

ガレスさんが叫ぶ。

 

僕たちは後ろへ飛び退く。

 

砂埃が舞う。

 

そして。

 

崩れた入口の奥から。

 

一本の古いツルハシが。

 

ゆっくりと転がってきた。

 

誰も触れていない。

 

誰も投げていない。

 

ただ。

 

暗闇の奥から。

 

転がってきた。

 

僕はそれを見つめた。

 

柄には。

 

古い文字が刻まれている。

 

『第七坑道 作業責任者』

 

ガレスさんが呟く。

 

「……そんなはずはない。」

 

僕はツルハシを拾い上げる。

 

冷たい。

 

その瞬間。

 

坑道の奥から。

 

また音がした。

 

カン。

 

カン。

 

カン。

 

今度は。

 

さっきより近かった。




【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「今日はお金を使わなかった!」
おっさん
「鉱山に着くまでな。」
マクダフ
「旦那ぁ……鉱山の中では何が起きるか分かりませんぜ。」

【所持アイテム】
・???のスクロール 6枚
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・ガレスのツルハシ(借用中)
・中古の斧(30Gで購入)
・第七坑道作業責任者のツルハシ(NEW)
・新しい帳簿 5冊
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群
 立場:保護対象
 詳細:不明
・キュ太郎
(勝手に鉱山へ入ろうとする)

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

ジョン
「鉱山が見つかったなら、投資も増えるかな?」
銀行
「運用中でございます。」
おっさん
「まだ確認できないのか。」
銀行
「確認には手数料が発生します。」
おっさん
「やっぱりそれか。」

【M資金】
M資金券は現在もジョンの手を離れて流通中。
現在では。
M資金券=採掘資金
という当初の意味を超えて、
M資金券=町で使える交換券
のような扱いになりつつある。
ジョンが知らないところで。
商人同士が交換。
町人同士が交換。
さらに別の紙と交換。
そして一部では。

「将来値上がりする」として保有する者まで現れている。

ジョン
「みんな、採掘したいのかな?」
おっさん
「……そういうことにしておけ。」

【本日の収支】
なし

橋を渡り、マーカット鉱山へ到着。

ジョン
「ついに来た!」
マクダフ
「俺は帰りたい!」

【今回の進展】
✅ 修復した橋を渡る
✅ マーカット鉱山へ到着
✅ 第七坑道の立入禁止看板を発見
✅ ガレスが過去の異常を語る
✅ 坑道内部から謎の採掘音を確認
✅ 第七坑道作業責任者のツルハシが坑道奥から出現
✅ 紫色の鉱石が再び発光
✅ キュ太郎が勝手に鉱山内部へ向かう


※ジョン個人の所持金に変動はありません。
ジョンの一言

ジョン
「誰かいるなら、話を聞いてみよう!」
【おっさんの一言】
「その前に、生きてる相手か確認しろ。」
【マクダフの一言】
「旦那ぁ……俺は生きてる相手でも怖いですぜ。」
キュ太郎
「きゅ。」
ジョン
「キュ太郎は行く気満々だね。」
おっさん
「……あいつが一番怖いんだがな。」

次回、第七坑道へ。そこでジョンたちを待っていたものとは――。
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