異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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第136話 誰が掘っている?

翌朝。

 

僕たちは第七坑道の前に立っていた。

 

昨日から聞こえている。

 

あの音。

 

「カン。」

 

「カン。」

 

「カン。」

 

今日は。

 

まだ聞こえない。

 

「静かだね。」

 

僕が言うと。

 

おっさんが首を振った。

 

「静かな時ほど怪しい。」

 

「そうかな?」

 

「そうだ。」

 

マクダフが横から口を挟む。

 

「旦那ぁ。」

 

「俺は帰った方がいいと思いますぜ。」

 

「どうして?」

 

「危険そうだからです。」

 

「でも昨日は行こうって言ってたよね?」

 

「昨日の俺と今日の俺は別人ですぜ。」

 

「同じマクダフだよ。」

 

「そこは気にしないでくだせぇ。」

 

おっさんがため息をつく。

 

「こいつは危険を感じる能力だけは高いな。」

 

僕はツルハシを持った。

 

そして。

 

第七坑道へ入る。

 

ランタンを持って。

 

ゆっくり進む。

 

昨日採掘した紫色の鉱脈を通り過ぎる。

 

「ここだ。」

 

壁を見る。

 

紫色の鉱石。

 

昨日より。

 

少し増えている。

 

「やっぱり増えてる。」

 

ガレスさんが頷く。

 

「間違いない。」

 

「採掘した場所から。」

 

「新しい鉱石が出ている。」

 

僕は考える。

 

「これなら。」

 

「掘ってもなくならない?」

 

おっさんが答える。

 

「そんな都合のいい鉱山があるか。」

 

「でも実際に増えてるよ。」

 

「だから怖いんだ。」

 

さらに奥へ進む。

 

すると。

 

床に何かが落ちていた。

 

「これ。」

 

僕が拾う。

 

古い金属片。

 

昨日見つけたものと同じ形だ。

 

「またあった。」

 

バルドさんが近づく。

 

「……同じだ。」

 

「何の部品だろう?」

 

「分からん。」

 

おっさんが苦笑する。

 

「また分からん。」

 

僕は鑑定する。

 

【鑑定】

 

……。

 

やっぱり表示されない。

 

「鑑定できない。」

 

キュ太郎が。

 

僕の懐から顔を出す。

 

「きゅ。」

 

そして。

 

金属片を見つめた。

 

「どうした?」

 

「きゅ……。」

 

珍しく。

 

少しだけ嫌そうな声だった。

 

その時。

 

「カン。」

 

全員が止まった。

 

「……。」

 

「カン。」

 

今度は。

 

かなり近い。

 

「カン。」

 

音の方向を見る。

 

坑道の奥。

 

そこに。

 

小さな横穴があった。

 

「昨日はこんな穴。」

 

「なかったよな?」

 

おっさんが言う。

 

ガレスさんも頷く。

 

「なかった。」

 

僕は近づく。

 

穴の中には。

 

新しい土。

 

そして。

 

削ったばかりの岩。

 

「誰かが掘ったんだ。」

 

マクダフが顔を青くする。

 

「旦那ぁ。」

 

「帰りましょう。」

 

「でも。」

 

「誰かいるかもしれない。」

 

「だから帰るんですぜ。」

 

「でも確認しないと。」

 

「確認したら危険なんですぜ。」

 

僕は考える。

 

「……少しだけ見る。」

 

「旦那ぁ!」

 

僕は横穴に入った。

 

狭い。

 

一人ずつしか通れない。

 

「カン。」

 

音がする。

 

さらに奥。

 

「誰かいますか?」

 

僕が声をかける。

 

返事はない。

 

「誰かがいるなら。」

 

「出てきてください。」

 

沈黙。

 

僕は一歩進む。

 

その時。

 

足元に。

 

古い靴跡を見つけた。

 

「足跡だ。」

 

大人のもの。

 

でも。

 

不思議だった。

 

靴跡が。

 

途中で消えている。

 

「なんで?」

 

僕はしゃがむ。

 

おっさんが後ろから見る。

 

「消えてるんじゃない。」

 

「何?」

 

「岩の中に入ってる。」

 

「え?」

 

僕は見る。

 

確かに。

 

足跡が。

 

岩壁へ向かって続いている。

 

「そんな馬鹿な。」

 

マクダフが呟く。

 

すると。

 

「カン。」

 

壁の向こうから。

 

音がした。

 

僕たちは顔を見合わせた。

 

「……壁の向こう。」

 

僕が言う。

 

「誰かいる。」

 

おっさんが壁を調べる。

 

「薄いな。」

 

「壊せる?」

 

「普通ならな。」

 

僕はツルハシを握る。

 

「じゃあ。」

 

「ちょっとだけ。」

 

おっさんが止める。

 

「待て。」

 

「何?」

 

「昨日の振動。」

 

「思い出せ。」

 

僕は止まる。

 

確かに。

 

この壁の向こうには。

 

何かがある。

 

しかも。

 

今も掘っている。

 

「……。」

 

僕はツルハシを下ろした。

 

「今日はやめよう。」

 

「それがいい。」

 

すると。

 

キュ太郎が。

 

僕の肩から降りた。

 

「きゅ。」

 

「キュ太郎?」

 

黒い毛玉が。

 

壁へ近づく。

 

そして。

 

ぺた。

 

壁にくっついた。

 

「きゅ。」

 

壁が。

 

紫色に光る。

 

「まただ!」

 

ゴゴゴゴ……。

 

地面が揺れる。

 

壁に。

 

細い亀裂が走った。

 

「下がれ!」

 

おっさんが叫ぶ。

 

僕たちは後ろへ下がる。

 

そして。

 

亀裂から。

 

冷たい風が吹いてきた。

 

「風?」

 

僕は驚いた。

 

地下なのに。

 

風がある。

 

しかも。

 

その風には。

 

微かな音が混じっていた。

 

「カン。」

 

「カン。」

 

「カン。」

 

僕は思った。

 

この音。

 

壁の向こうから聞こえているんじゃない。

 

もっと奥から聞こえている。

 

突然。

 

壁の向こうから。

 

「ゴン!」

 

大きな音。

 

そして。

 

「カン。」

 

「カン。」

 

「カン。」

 

今度は。

 

明らかに。

 

こちらへ向かっている。

 

おっさんが低い声で言った。

 

「……誰かが掘ってる。」

 

僕は頷いた。

 

「うん。」

 

「でも。」

 

「変だ。」

 

「何が?」

 

僕は耳を澄ます。

 

「音が。」

 

「一人じゃない。」

 

「……。」

 

おっさんも耳を澄ませる。

 

「確かに。」

 

「複数いる。」

 

「カン。」

 

「カン。」

 

「カン。」

 

「カン。」

 

音が増えていく。

 

一つ。

 

二つ。

 

三つ。

 

いや。

 

もっと。

 

「何人いるんだ?」

 

僕が呟いた。

 

その瞬間。

 

壁の亀裂から。

 

小さな紙切れが。

 

ひらり。

 

と落ちてきた。

 

僕は拾う。

 

古い紙ではない。

 

新しい。

 

まだ汚れているだけだ。

 

そこには。

 

たった一行。

 

『採掘は順調です。予定通り、地上へ出ます』

 

僕は。

 

紙を握りしめた。

 

「……地上へ?」

 

おっさんの顔色が変わった。

 

「ジョン。」

 

「何?」

 

「この鉱山。」

 

「俺たちだけが掘ってるんじゃない。」

 

僕は。

 

壁の向こうを見る。

 

そして。

 

次の瞬間。

 

壁の奥から。

 

「ドン!」

 

ものすごい音が響いた。

 

「きゅ!」

 

キュ太郎が。

 

初めて。

 

僕の懐へ飛び込んできた。




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「今日もお金を使わなかった!」
おっさん
「増えてもいない。」
ジョン
「でも新しい紙を拾った!」
マクダフ
「旦那ぁ、それ金になりますかね?」

【所持アイテム】
・???のスクロール 6枚
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・謎の金属片(鑑定不能)
・採掘した紫色の鉱石 2個
・新しく発見した謎の金属片(鑑定不能)
・『採掘は順調です。予定通り、地上へ出ます』と書かれた紙
・ガレスのツルハシ(借用中)
・第七坑道作業責任者のツルハシ
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿 5冊
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群
 立場:保護対象
 詳細:不明
・キュ太郎
(珍しく僕の懐へ逃げ込んだ)

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

ジョン
「鉱山がもっと儲かれば。」
「投資も増えるかな?」
おっさん
「その考え方をまずやめろ。」
銀行
「別途、手数料が発生いたします。」
おっさん
「聞いてないのに出てくるな。」

【M資金】
M資金券は引き続きジョンの手を離れて流通中。

・商人の決済
・商品の購入
・現金との交換
・転売
・投資

などに利用されている。
さらに。

「マーカット鉱山復興記念券」
「M資金将来採掘利益券」

など。
ジョンが発行した覚えのない券まで増えている。

町では。

「マーカット鉱山に新鉱脈がある」

という噂が。
M資金券の価値をさらに押し上げ始めている。

ジョン
「採掘するための資金なのに。」
おっさん
「採掘前に投資市場が完成しそうだ。」

【本日の収支】
なし

紫色の鉱石の追加採掘は行わず。
ジョン個人の所持金に変動はありません。

【今回の進展】
✅ 第七坑道の奥を調査
✅ 新しい採掘跡を発見
✅ 新しい金属片を発見
✅ 金属片は鑑定不能
✅ 岩壁の向こうから採掘音を確認
✅ 採掘音が複数あることが判明
✅ 新しい紙切れを発見
✅ 「予定通り地上へ出ます」という記述を確認
✅ キュ太郎が珍しく怯える
✅ 地下で何者かが採掘している可能性が濃厚になる



ジョンの一言
ジョン
「地下にいる人たちも。」
「鉱山を掘ってるのかな?」
おっさん
「問題は。」
「何のために掘ってるかだ。」
マクダフ
「旦那ぁ。」
「俺はもう帰りたいですぜ。」
ジョン
「じゃあ先に帰っていいよ。」
マクダフ
「……。」
「旦那ぁ。」
「一緒に帰りましょうぜ。」
おっさん
「結局それか。」

次回、地下採掘者の正体へ。ジョンたちは壁を越えるのか。それとも、向こうから先にやって来るのか――。
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