異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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【エピソードまとめ】

採掘権原簿が入った箱。

その箱から。

ついに。

小さな妖精が飛び出した。

名前は。

ゼロ。

これまで箱に突然浮かんでいた文字は。

すべてゼロが。

箱の中に残っていたわずかな魔力を使って。

外へ助けを求めるために表示していたものだった。

しかし。

箱から出たゼロは。

第零坑道に大量に存在する紫色の鉱石から魔力を吸収することで。

少しずつ力を取り戻していく。

そして。

ゼロは。

採掘権原簿と所有者選定を管理する存在だった。

所有者選定には。

鉱山へ利益をもたらしたか。

資源を無駄にしなかったか。

鉱山を継続して運営できるか。

などの条件がある。

難しい仕組みだが。

ゼロが簡単な言葉で説明してくれるため。

ジョンにも少しずつ理解できるようになってきた。

ただし。

ゼロは。

とにかく口が悪い。

マクダフとは。

早くも相性最悪。

その一方で。

「なぜゼロが箱に閉じ込められていたのか」

については。

まだ多くが語られていない。

ただ。

ゼロ自身が。

「昔の俺」

という言葉を漏らしたことから。

過去に何か大きな騒動を起こした可能性がある。

そして。

ついに。

貴族一味が。

原簿を求めて石室へ到着する。

ゼロは。

楽しそうに言った。

「所有者選定第一戦、始めようぜ。」

ジョンは。

まだ知らない。

これから始まるのが。

剣による戦いではなく。

契約。

利益。

信用。

そして。

ものすごく面倒な妖精による。

採掘権争奪戦になることを。


第146話 箱の中の口うるさい妖精

「その箱をこちらへ渡してもらおう。」

 

石室の入口。

 

貴族が言った。

 

僕は箱を抱えたまま。

 

「嫌です。」

 

即答した。

 

「なぜだ?」

 

「まだ誰のものか分からないから。」

 

「だからこそ私が調べる。」

 

「じゃあ一緒に調べればいいんじゃない?」

 

貴族の眉がぴくっと動く。

 

おっさんが小さく笑った。

 

「ジョン。」

 

「何?」

 

「お前。」

 

「交渉が上手くなったな。」

 

「そう?」

 

「たぶんな。」

 

その時だった。

 

箱の中から。

 

カン。

 

「え?」

 

僕たちは黙った。

 

カン。

 

カン。

 

「まただ。」

 

マクダフが後ろへ下がる。

 

「旦那ぁ。」

 

「箱の中に何かいますぜ。」

 

「分かってる。」

 

「じゃあ開けましょう。」

 

「危ないかもしれない。」

 

「じゃあ開けるのやめましょう。」

 

「でも気になる。」

 

「旦那ぁは好奇心が強すぎますぜ。」

 

おっさんが箱を見る。

 

「さっきから音がしてる。」

 

「何かいるのは間違いない。」

 

僕は箱の蓋を見る。

 

すると。

 

蓋に薄く文字が浮かんだ。

 

『だれか……』

 

「え?」

 

続いて。

 

『開けろ』

 

さらに。

 

『早くしろ』

 

最後には。

 

『馬鹿ども』

 

「……。」

 

全員が無言になる。

 

マクダフが口を開いた。

 

「口が悪いですな。」

 

おっさんが頷く。

 

「中身が誰なのか。」

 

「なんとなく分かった。」

 

僕は。

 

箱を叩く。

 

「中にいる人。」

 

「出たいの?」

 

しばらく。

 

何も起きない。

 

やがて。

 

小さな文字。

 

『ようやくだ』

 

「開けるよ。」

 

僕は箱の蓋に手を掛けた。

 

だが。

 

鍵がない。

 

「どうやって開けるの?」

 

文字が浮かぶ。

 

『横の溝』

 

僕は見る。

 

確かに小さな溝がある。

 

「これ?」

 

『そこだ』

 

「分かった。」

 

第零坑道採掘許可証0007を差し込む。

 

カチッ。

 

箱が震えた。

 

「おお。」

 

マクダフが身を乗り出す。

 

箱の隙間から。

 

紫色の光が漏れる。

 

そして。

 

ポンッ。

 

小さな何かが飛び出した。

 

「げほっ!」

 

宙を舞ったそれは。

 

手のひらほどの大きさ。

 

背中に小さな羽。

 

尖った帽子。

 

しかも。

 

顔がものすごく不機嫌だった。

 

「……。」

 

僕たちは。

 

固まった。

 

妖精が。

 

僕たちを睨む。

 

そして。

 

第一声。

 

「遅ぇんだよ!」

 

「……。」

 

「何年待たせる気だ、この馬鹿ども!」

 

マクダフが驚く。

 

「妖精ですぜ!」

 

「見りゃ分かる!」

 

妖精は怒鳴った。

 

「お前は口を閉じろ!」

 

「はい!」

 

マクダフが即答した。

 

おっさんが吹き出す。

 

「面白いのが出てきたな。」

 

「面白くねぇ!」

 

妖精が睨む。

 

「こっちは何十年も箱詰めなんだぞ!」

 

「何十年?」

 

僕は驚いた。

 

「ずっと箱の中にいたの?」

 

「そうだよ!」

 

「食べ物は?」

 

「いらねぇ。」

 

「水は?」

 

「いらねぇ。」

 

「じゃあ何で死ななかったの?」

 

妖精は。

 

少し黙った。

 

「……魔力だ。」

 

「魔力?」

 

「この箱。」

 

「魔力を封じ込めてた。」

 

「なるほど。」

 

妖精は箱を指差す。

 

「俺はこの箱に閉じ込められてた。」

 

「じゃあ。」

 

「さっきの文字は?」

 

「俺だ。」

 

僕は目を丸くする。

 

「文字を出してたの?」

 

「そうだよ!」

 

「残ってた魔力を使って。」

 

「外に出してもらおうとしたんだ。」

 

妖精は箱を蹴る。

 

「これ、魔力を使う箱だからな。」

 

「中からじゃ。」

 

「文字くらいしか動かせねぇ。」

 

「なるほど。」

 

おっさんが納得した。

 

「だから突然文字が出たのか。」

 

「そうだ。」

 

妖精は胸を張る。

 

「分かったか、馬鹿。」

 

「分かった。」

 

「なら良し。」

 

「でも。」

 

僕は妖精を見る。

 

「外に出たら。」

 

「魔力はどうするの?」

 

妖精は。

 

にやりと笑った。

 

「この鉱石があるだろ。」

 

紫色の鉱石。

 

妖精はそこへ飛んでいく。

 

手をかざす。

 

すると。

 

紫色の鉱石から。

 

淡い光が吸い出される。

 

「おお!」

 

僕が声を上げる。

 

妖精の体が。

 

少しだけ明るくなった。

 

「……。」

 

妖精が深く息を吐く。

 

「うめぇ。」

 

「回復するの?」

 

「ああ。」

 

「この鉱石。」

 

「魔力をよく吸う。」

 

「俺にとっちゃ飯みたいなもんだ。」

 

僕は鉱石を見る。

 

「じゃあ。」

 

「食べ物みたいなもの?」

 

「全然違う!」

 

「でも魔力を吸うんだよね?」

 

「そういう意味じゃねぇ!」

 

おっさんが笑う。

 

「面倒なのが出てきたな。」

 

妖精が振り返る。

 

「お前も大概だぞ。」

 

「俺は何もしてない。」

 

「その顔で十分怪しい。」

 

「どういう意味だ。」

 

妖精は。

 

しばらく紫鉱石から魔力を吸っていた。

 

少しずつ。

 

羽がはっきりしてくる。

 

声も大きくなる。

 

そして。

 

突然。

 

箱を指差した。

 

「それと。」

 

「何?」

 

「そこの箱。」

 

「返せ。」

 

僕は箱を見る。

 

「これ?」

 

「そうだ。」

 

「中に原簿があるんだよね?」

 

「ある。」

 

「じゃあ。」

 

「開けていい?」

 

妖精は。

 

ものすごく嫌そうな顔をした。

 

「……。」

 

「どうしたの?」

 

「お前。」

 

「本当に何も知らねぇんだな。」

 

「うん。」

 

「なら説明してやる。」

 

妖精は腕を組んだ。

 

「この箱は。」

 

「採掘権原簿の管理箱だ。」

 

「所有者を決めるための道具でもある。」

 

「道具?」

 

「そう。」

 

「ただの帳簿じゃねぇ。」

 

「何をするの?」

 

妖精は。

 

指を一本立てた。

 

「簡単に言う。」

 

「誰でも鉱山の所有者になれるわけじゃない。」

 

「条件を満たした奴だけだ。」

 

「それがさっきの。」

 

「所有者選定?」

 

「そうだ。」

 

僕は頷く。

 

「じゃあ。」

 

「条件を教えて。」

 

妖精は笑った。

 

「まず第一。」

 

「鉱山に利益をもたらしたこと。」

 

「第二。」

 

「資源を無駄にしないこと。」

 

「第三。」

 

「鉱山を続けられること。」

 

「なるほど。」

 

僕は採掘計画書を見る。

 

「僕でもできそう。」

 

妖精が。

 

じっと僕を見る。

 

「……。」

 

「何?」

 

「お前。」

 

「本当に金がねぇな。」

 

「うん。」

 

「なのに鉱山を持とうとしてんのか?」

 

「持てたらいいなって。」

 

妖精は頭を抱えた。

 

「この程度の奴に任せる仕組みだったのか、昔の俺……。」

 

おっさんが聞く。

 

「昔の『俺』?」

 

妖精は。

 

しまったという顔をした。

 

「……。」

 

「何でもねぇ。」

 

「今、何か言ったよね?」

 

「言ってねぇ。」

 

「言った。」

 

「言ってねぇ。」

 

「言った。」

 

マクダフが小声で言う。

 

「この妖精。」

 

「絶対何か隠してますぜ。」

 

「お前は黙れ!」

 

僕は。

 

妖精に聞いた。

 

「名前は?」

 

妖精は胸を張った。

 

「俺は。」

 

「原簿管理妖精。」

 

「長ぇ。」

 

おっさんが言う。

 

「……。」

 

妖精の顔が引きつる。

 

「通称。」

 

「ゼロ。」

 

「ゼロ?」

 

「そう。」

 

「第零坑道の管理役だからな。」

 

「よろしく。」

 

「よろしくじゃねぇ。」

 

ゼロは僕を見る。

 

「俺がお前らを管理する。」

 

「え?」

 

「所有者選定も。」

 

「契約確認も。」

 

「権利関係も。」

 

「全部だ。」

 

僕は。

 

少し安心した。

 

「じゃあ。」

 

「難しいことは教えてね。」

 

「任せろ。」

 

ゼロは。

 

得意げに笑った。

 

「その代わり。」

 

「俺の言うことは聞け。」

 

「うん。」

 

「あと。」

 

「マクダフ。」

 

「はい?」

 

「お前は特に俺の言うことを聞け。」

 

「なんで俺だけ!」

 

「顔が信用できねぇ。」

 

「ひでぇ!」

 

おっさんが腹を抱えて笑った。

 

その時。

 

ゼロが。

 

突然。

 

耳を澄ませた。

 

「……。」

 

僕も。

 

気になって耳を澄ます。

 

何も聞こえない。

 

「どうしたの?」

 

「人が来る。」

 

「人?」

 

ゼロは。

 

箱の上へ飛び乗った。

 

「しかも。」

 

「かなり多い。」

 

石室の外。

 

足音。

 

一つ。

 

二つ。

 

三つ。

 

どんどん増える。

 

そして。

 

ゼロが。

 

にやりと笑う。

 

「実況してやるよ。」

 

「何?」

 

「現在。」

 

「貴族一味が接近中。」

 

「目的。」

 

「この箱。」

 

「ついでに。」

 

「お前らも排除する気だ。」

 

マクダフが青ざめる。

 

「実況しなくていいですぜ!」

 

ゼロは。

 

楽しそうに笑った。

 

「いや。」

 

「面白くなってきた。」

 

そして。

 

小さな体で。

 

貴族たちを指差す。

 

「さあ。」

 

「所有者選定第一戦。」

 

「始めようぜ。」




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「今日もお金を使わなかった!」
おっさん
「増えてもいない。」
ジョン
「でも。」
「妖精が出てきた!」
マクダフ
「旦那ぁ。」
「口が悪すぎますぜ。」

【所持アイテム】
・???のスクロール 6枚
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・謎の金属片(鑑定不能)
・採掘した紫色の鉱石 2個
・新しく発見した謎の金属片(鑑定不能)
・『採掘は順調です。予定通り、地上へ出ます』と書かれた紙
・新M資金・マーカット鉱山復興応援券 1枚
・第零坑道採掘許可証0007
・第零坑道採掘管理記録
・第零坑道・旧採掘権証券 1枚
・マーカット鉱山・採掘権原簿(管理箱)
・ガレスのツルハシ(借用中)
・第七坑道作業責任者のツルハシ
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿 5冊
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群
 立場:保護対象
 詳細:不明
・キュ太郎
・原簿管理妖精「ゼロ」
 状態:魔力回復中
 性格:口が悪い
 役割:所有者選定・契約・実況

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

ジョン
「妖精に契約を教えてもらえるなら安心だね。」
おっさん
「教える奴の口が悪すぎるがな。」
銀行
「別途、手数料が発生いたします。」
ゼロ
「お前は何にでも手数料付けるな。」
銀行
「……。」

【M資金】
M資金券は引き続きジョンの手を離れて流通中。
現在では。
商人の決済。
商品の交換。
現金との交換。
転売。
投資。
信用の証明。
などに利用されている。
さらに。

「マーカット鉱山復興記念券」

「M資金将来採掘利益券」

「新M資金・マーカット鉱山復興応援券」

など。
ジョンが発行していない券も流通。
今回。
M資金とは別に。
マーカット鉱山には過去から存在していた採掘権証券があることが再確認された。

ゼロによれば。
現在のM資金とは別物。
ただし。

「将来の価値を紙にする」

という発想は似ている。
そして。
鉱山の所有権を巡って。
大口の買い手。
貴族。
商人。
古い権利証券の保有者。
さまざまな人間が動き始めている。

【本日の収支】
なし

※ジョン個人の所持金に変動はありません。

【今回の進展】
✅ 採掘権原簿の箱から妖精が登場
✅ 妖精の名前は「ゼロ」
✅ これまで箱に浮かんでいた文字はゼロが残り少ない魔力で表示していたことが判明
✅ ゼロは箱の中から出るために文字で助けを求めていた
✅ ゼロが紫色の鉱石から魔力を吸収できることが判明
✅ ゼロが少しずつ魔力を回復
✅ ゼロが所有者選定と契約の仕組みを説明
✅ ゼロが原簿管理役であることが判明
✅ ゼロが非常に口が悪いことが判明
✅ ゼロが「第零坑道管理妖精」であることが判明
✅ 貴族一味が原簿を狙って接近
✅ ゼロが所有者選定の「第一戦」を宣言

ジョンの一言
ジョン
「ゼロがいてくれるなら。」
「契約のことも分かりやすく教えてもらえそう!」
おっさん
「教え方はともかく。」
「説明役としては便利そうだな。」
ゼロ
「おい。」
「俺を便利扱いすんな。」
マクダフ
「でも説明は分かりやすかったですぜ。」
ゼロ
「お前より頭が悪い奴に合わせてるんだよ。」
マクダフ
「ひでぇ!」

次回、ゼロによる「所有者選定」のルール解説。貴族とジョンのどちらが有利なのか、いよいよ勝負が始まる――。
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