異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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所有者選定の第一段階で、ジョンがまさかのトップになる。

理由は金額ではなく、M資金によって生まれた経済効果や、鉱山再開へ向けた実際の行動。

対抗する貴族は大量の資金を投入するが、金を置くだけでは評価されない。

そして始まる第二段階。

条件は――実地運用。

今度こそ採掘勝負になる……はずだった。

しかし、鉱山の所有権を巡って集まり始めた資金は、すでにジョンの想像を超える規模になっていた。



第148話 所有者選定、金貨で殴る

「僕が……トップ?」

 

ゼロが浮かびながら言った。

 

「そうだ。しかも、かなり差をつけてる」

 

「なんで?」

 

僕には理由が分からない。

 

僕がやったことなんて。

 

橋を直した。

 

鉱山で二個くらい鉱石を掘った。

 

M資金を作った。

 

それだけだ。

 

「それだけ、じゃねぇんだよ」

 

おっさんが頭を抱える。

 

「お前がM資金をばら撒いたせいで、紙屋、運送屋、鍛冶屋、冒険者ギルド、宿屋まで仕事が増えただろ」

 

「でも、それって僕が儲けたわけじゃないよ?」

 

「そこがこの世界のややこしいところだ」

 

ゼロが指を一本立てる。

 

「所有者選定で見ているのは、お前の財布じゃねぇ」

 

箱の表面に文字が浮かんだ。

 

【マーカット鉱山・経済波及評価】

 

その下に数字が並ぶ。

 

・採掘資金の創出

・雇用の発生

・周辺商業への波及

・輸送需要

・鍛冶・道具需要

・冒険者活動の増加

・将来的な継続性

 

「なにこれ……」

 

「お前が知らないうちに稼いだポイントだ」

 

マクダフが顔を引きつらせる。

 

「旦那ぁ……」

 

「なに?」

 

「これ、俺たちが考えてた金策より、ずっと金になってません?」

 

「そうなの?」

 

「そういう話じゃねぇ!」

 

おっさんが即座に突っ込んだ。

 

そのときだった。

 

外から、大きな声が響いてきた。

 

「道を空けろ!」

 

続いて馬車の音。

 

僕たちは坑道の入口へ戻った。

 

そこには、何台もの豪華な馬車が並んでいた。

 

金属の飾り。

 

立派な馬具。

 

そして。

 

箱。

 

「……まさか」

 

おっさんが嫌そうな顔をする。

 

馬車から降りてきた男が、胸を張った。

 

「マーカット鉱山復興に、我が家が巨額の資金を投入する!」

 

周囲がざわついた。

 

「巨額?」

 

「いくらです?」

 

「金貨五百枚だ!」

 

一瞬。

 

誰も喋らなかった。

 

僕も驚いた。

 

五百枚。

 

僕が持っているお金とは、桁が違う。

 

男はさらに続けた。

 

「これだけの資金を投入すれば、所有者選定の評価も――」

 

「上がらねぇぞ」

 

ゼロが言った。

 

「え?」

 

男が固まる。

 

「金を置いただけじゃ、継続運用の評価にはならない」

 

「な、なんだと!?」

 

ゼロが箱の上に座った。

 

「お前ら、金貨を積むことしか考えてねぇだろ」

 

「ぐ……」

 

「採掘に使うのか?」

 

「もちろんだ!」

 

「何人雇う?」

 

「……それは担当者が」

 

「どこへ売る?」

 

「それも商会が」

 

「輸送は?」

 

「運送業者に」

 

「利益配分は?」

 

「…………」

 

ゼロはため息をついた。

 

「ほらな」

 

僕はなんとなく納得した。

 

「つまり、お金だけあっても駄目なんだ」

 

「そういうことだ」

 

おっさんが頷いた。

 

「金を入れることより、金がどう動いて、その動きが続くかが重要なんだろ」

 

「その通り」

 

ゼロが珍しく真面目な顔をした。

 

「所有者ってのは、金庫の鍵を持つ奴じゃねぇ」

 

少し間を置く。

 

「鉱山を動かせる奴だ」

 

僕は鉱山を見た。

 

古い坑道。

 

壊れた設備。

 

足場の悪い道。

 

まだ眠っている鉱石。

 

「じゃあ……」

 

僕は言った。

 

「僕は、鉱山を動かせそう?」

 

ゼロがニヤリと笑った。

 

「問題はそこだ」

 

箱に新しい文字が浮かぶ。

 

【所有者選定・第二段階】

 

その下に。

 

【実地運用試験】

 

「実際に鉱山を動かしてみろ」

 

ゼロが僕を見る。

 

「金貨五百枚を積んだ貴族様も」

 

続いて貴族の男を見る。

 

「M資金を広げたお前も」

 

そして僕を見る。

 

「同じ条件でな」

 

「えっ」

 

僕は思わず声を上げた。

 

「僕、まだ採掘のやり方もよく分からないんだけど」

 

「そこから始めるんだよ」

 

マクダフが笑う。

 

「旦那ぁ。これは面白くなってきましたぜ」

 

「何が?」

 

「第二段階ってことは――」

 

マクダフは周囲を見回した。

 

貴族の馬車。

 

商人たち。

 

鉱山関係者。

 

そして僕たち。

 

「今度は、誰が一番うまく金を動かせるかって勝負でしょう?」

 

ゼロがニヤリとする。

 

「そういうこった」

 

おっさんが嫌な顔をした。

 

「……また始まるぞ」

 

僕は首をかしげた。

 

「今度は何が始まるの?」

 

その瞬間。

 

入口の外から声が響いた。

 

「マーカット鉱山復興のため――」

 

「新たな大規模資金計画を発表する!」

 

僕は思った。

 

……採掘。

 

いつ始まるんだろう。




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「五百枚って……すごいね」
おっさん
「お前が金貨五百枚持ったら、たぶん五分で何かに使うだろ」
ジョン
「使ってないよ!」
マクダフ
「旦那ぁなら鉱山に全部突っ込みそうですけどねぇ」
ジョン
「それなら採掘できるよ」
ゼロ
「そういう意味じゃねぇんだよ!」

【所持アイテム】
・???のスクロール×6
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・謎の金属片(鑑定不能)
・採掘した紫色の鉱石×2
・新しく発見した謎の金属片
・「採掘は順調です。予定通り、地上へ出ます」と書かれた紙
・新M資金・マーカット鉱山復興応援券×1
・第零坑道採掘許可証0007
・第零坑道採掘管理記録
・第零坑道・旧採掘権証券×1
・マーカット鉱山・採掘権原簿(管理箱)
・ガレスのツルハシ(借用中)
・第七坑道作業責任者のツルハシ
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿×5
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群(立場:保護対象、詳細不明)
・キュ太郎
・原簿管理妖精「ゼロ」

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

【M資金】
・小口M資金券
・商人間の決済に使用
・商品購入に使用
・現金交換
・転売
・投資対象化
・信用の証明として流通
・派生券として「マーカット鉱山復興記念券」などが発生
・「新M資金・マーカット鉱山復興応援券」など第三者発行券も存在
※ジョン本人が発行・管理している券とは限らない。

【所有者選定】
第一段階:経済的貢献度

現在トップ:ジョン

主な評価要素:
✅資金創出
✅雇用発生
✅周辺商業への波及
✅輸送需要
✅鍛冶・道具需要
✅冒険者活動の増加
✅鉱山再開への継続性

第二段階:実地運用試験へ移行。

ゼロ
「次は点数表だけ見てても分からねぇぞ」
おっさん
「つまり実際に働けってことだな」
ジョン
「やっと採掘できる!」

【本日の収支】
141G(変動なし)
銀行預け金250G(変動なし)

※ジョン個人の所持金に変動はありません。

【今回の進展】
✅所有者選定の第一段階でジョンがトップになる
✅金額の大きさだけでは所有者評価にならないことが判明
✅貴族側も鉱山への大規模資金投入を開始
✅所有者選定・第二段階「実地運用試験」が開始される
✅ジョン本人はようやく採掘が始まると思っている


ジョンの一言
ジョン
「今度こそ、普通に鉱石を掘る話だよね?」

ゼロ
「……たぶんな」
おっさん
「その“たぶん”が怖いんだよ」
マクダフ
「旦那ぁ、もう絶対に普通じゃありませんぜ」

次回、マーカット鉱山を巡る「実地運用試験」開始。
そしてゼロが提示する、所有者選定の本当の採点項目とは――。
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