異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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所有者選定の第二段階が始まった。

貴族側は大量の資金を投入し、専門家を多数雇用。

対するジョンたちは、ほとんど資金を持たない。

しかし試験で重要なのは、投入金額ではない。

鉱山をどれだけ継続的に動かせるか。

人を働かせ。

道具を使い。

鉱石を運び。

利益を生み。

明日も採掘できる状態を残す。

そんな「仕組み」そのものが評価される。

そしてジョンは、自らツルハシを握ることになった。

ところが。

誰もいないはずの坑道から。

謎の採掘音が近づいてくる。



第149話 実地運用試験

「では、実地運用試験を開始する」

 

ゼロがそう言った瞬間。

 

坑道の入口に、一本の板が立った。

 

【マーカット鉱山・所有者選定試験】

 

【試験内容】

 

・鉱山を稼働させること

・採掘資源を無駄にしないこと

・働く者へ適切に利益を分配すること

・継続して運用可能な仕組みを作ること

 

その下に、さらに小さな文字。

 

【期間:七日間】

 

「七日?」

 

僕は首をかしげた。

 

「短くない?」

 

「短いからこそ面白ぇんだよ」

 

ゼロが笑った。

 

「一年計画を出して、実際には何もしねぇ馬鹿が多いからな」

 

貴族側の代表が顔をしかめる。

 

「我々には五百枚の金貨がある!」

 

従者たちが一斉に動いた。

 

馬車から大量の資材が降ろされていく。

 

木材。

 

鉄材。

 

食料。

 

道具。

 

テント。

 

そして大量の金貨が入った箱まで運び出された。

 

「うわ……」

 

思わず声が出た。

 

「本当に持ってきたんだ」

 

おっさんが苦笑する。

 

「そりゃ五百枚もあるなら使うだろ」

 

「でも、どうやって採掘するの?」

 

僕が聞くと。

 

貴族側の現場責任者が答えた。

 

「専門の採掘業者を雇う」

 

「何人?」

 

「三十名」

 

「採掘した鉱石は?」

 

「精錬業者へ送る」

 

「運ぶのは?」

 

「運送業者だ」

 

「売るのは?」

 

「商会へ」

 

僕は頷いた。

 

「すごいね」

 

おっさんが横から言った。

 

「ジョン」

 

「なに?」

 

「お前はもう少し疑え」

 

「なんで?」

 

おっさんは答えなかった。

 

一方。

 

僕たちの前には。

 

何もなかった。

 

あるのは。

 

借り物のツルハシ。

 

中古の斧。

 

ロープ。

 

水筒。

 

そして。

 

三十Gで買った帳簿。

 

「……」

 

マクダフが黙り込む。

 

「旦那ぁ」

 

「なに?」

 

「向こう、金貨五百枚ですぜ」

 

「うん」

 

「こっち、三十Gです」

 

「うん」

 

「勝てます?」

 

僕は考えた。

 

「採掘すればいいんじゃない?」

 

マクダフが頭を抱えた。

 

「その発想だけで勝負するの、旦那ぁくらいですよ……」

 

ゼロが笑った。

 

「それでいい」

 

「え?」

 

「お前らは金を競う必要がない」

 

ゼロが箱から飛び出した。

 

「この試験で見るのは、七日後にどれだけ鉱山が動いているかだ」

 

そして。

 

空中に数字が浮かぶ。

 

【採掘量】

 

【稼働人数】

 

【周辺雇用】

 

【利益】

 

【継続可能性】

 

【資源損失】

 

「最後の数字、嫌だな」

 

僕が言う。

 

「当然だろ」

 

ゼロがニヤニヤする。

 

「鉱山で一番怖ぇのは、掘れないことじゃねぇ」

 

「?」

 

「掘りすぎて、明日掘れなくなることだ」

 

僕は鉱山の奥を見る。

 

確かに。

 

掘れば掘るほど儲かる。

 

そんな気がしていた。

 

でも。

 

全部掘ってしまえば。

 

終わりだ。

 

「じゃあ、少しずつ掘るの?」

 

「それだけじゃねぇ」

 

ゼロは指を二本立てた。

 

「人間も壊れる」

 

「え?」

 

「七日間、寝ずに掘らせたらどうなる?」

 

マクダフが即答した。

 

「死にますな」

 

「道具も壊れる」

 

「それもありますな」

 

「運ぶ奴も必要だ」

 

「いますな」

 

「食料もいる」

 

「宿も必要ですぜ」

 

僕は気づいた。

 

採掘って。

 

鉱山だけの話じゃない。

 

人が動く。

 

道具が動く。

 

お金も動く。

 

「……M資金と同じだ」

 

僕が呟く。

 

おっさんが頷いた。

 

「やっと分かってきたな」

 

そのとき。

 

貴族側から歓声が上がった。

 

「第一採掘班、準備完了!」

 

大勢の作業員が坑道へ入っていく。

 

僕たちも後ろからついていく。

 

すると。

 

ゼロが突然、僕の肩を叩いた。

 

「ジョン」

 

「なに?」

 

「お前の試験には、もう一つ条件がある」

 

「聞いてないよ」

 

「今決めた」

 

「ええっ!?」

 

ゼロは笑った。

 

「所有者になるなら――」

 

一拍。

 

「自分で掘ってみろ」

 

「僕が?」

 

「そうだ」

 

おっさんが笑った。

 

「まあ、お前の場合。人に任せるより自分でやったほうが早いかもな」

 

僕はツルハシを握った。

 

「じゃあ、やってみる」

 

その瞬間。

 

坑道の奥から。

 

ゴン。

 

という音が響いた。

 

ゴン。

 

もう一度。

 

ゴン。

 

僕たちは顔を見合わせる。

 

「誰か掘ってる?」

 

マクダフが首を傾げる。

 

ゼロの顔から笑みが消えた。

 

「……いや」

 

「え?」

 

「今、誰も入ってねぇ坑道だ」

 

ゴン。

 

また音がした。

 

しかも。

 

少しずつ。

 

こちらへ近づいている。




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「自分で掘るんだ」
おっさん
「初心に戻ったな」
マクダフ
「旦那ぁ、もうちょっと金持ちっぽい試験を期待してましたぜ」
ゼロ
「金持ちっぽい奴は、もう向こうで金貨を積んでるだろ」
マクダフ
「それもそうですな」

【所持アイテム】
・???のスクロール×6
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・謎の金属片(鑑定不能)
・採掘した紫色の鉱石×2
・新しく発見した謎の金属片
・「採掘は順調です。予定通り、地上へ出ます」と書かれた紙
・新M資金・マーカット鉱山復興応援券×1
・第零坑道採掘許可証0007
・第零坑道採掘管理記録
・第零坑道・旧採掘権証券×1
・マーカット鉱山・採掘権原簿(管理箱)
・ガレスのツルハシ(借用中)
・第七坑道作業責任者のツルハシ
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿×5
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群(立場:保護対象、詳細不明)
・キュ太郎
・原簿管理妖精「ゼロ」

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

【M資金】
・小口M資金券が継続流通
・商人間の決済に使用
・商品購入に使用
・現金交換
・転売
・投資対象化
・信用の証明として流通
・第三者による派生券も発生
・ジョン本人の手元から離れたM資金が独自に動いている

【所有者選定】
第一段階:経済的貢献度
→ジョンがトップ

第二段階:実地運用試験
→七日間の鉱山運営

評価項目:
✅採掘量
✅稼働人数
✅周辺雇用
✅利益
✅継続可能性
✅資源損失

追加条件:
✅候補者本人も採掘に参加する

【本日の収支】
141G(変動なし)
銀行預け金250G(変動なし)

※ジョン個人の所持金に変動はありません。

【今回の進展】
✅所有者選定・第二段階が開始
✅貴族側が金貨500枚を投入
✅金額だけでは評価されないことが判明
✅鉱山の採掘だけでなく、人・道具・輸送・食料なども重要と判明
✅ジョン自身が実地採掘に参加することになる
✅誰も入っていない坑道から謎の採掘音が聞こえ始める

ジョンの一言
ジョン
「誰か先に掘ってるのかな?」
ゼロ
「だから誰も入ってねぇって言ってんだろ」
おっさん
「つまり……」
マクダフ
「また何か出ますなぁ」

次回。
「地下から来る採掘者?」
所有者選定どころか、マーカット鉱山そのものの秘密が動き始める。
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