異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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実地運用試験が始まり、貴族側は大量の作業員と資金を投入。

ジョンたちはわずかな道具しか持たないまま、採掘を開始する。

しかし坑道の奥から聞こえていた採掘音の正体は、地下に残っていた採掘者だった。

彼から聞かされたのは、マーカット鉱山には「掘ってはいけない場所」があるという事実。

さらに第零坑道の下には、所有権すら確定していない立入禁止区域が存在していた。

そして貴族側が一斉に採掘を開始したことで、地下構造が変化。

封印維持率が低下し始める。

ゼロが告げた。

マーカット鉱山は。

鉱石を掘るだけの場所ではない。

何かを閉じ込めている場所だった。



第150話 地下から来る採掘者?

ゴン。

 

ゴン。

 

ゴン。

 

音は、確実に近づいていた。

 

僕はツルハシを構えた。

 

「誰かいるの?」

 

返事はない。

 

ただ。

 

ゴン。

 

また一回。

 

「……怖くない?」

 

マクダフが小声で聞いてくる。

 

「マクダフ、怖いの?」

 

「旦那ぁ。俺は慎重なんです」

 

「それ、怖いってことじゃない?」

 

「違いますぜ」

 

おっさんが苦笑した。

 

「お前ら、喋ってる場合か」

 

ゼロも浮かんでいる。

 

さっきまで偉そうだった顔が、少しだけ険しい。

 

「変だな」

 

「何が?」

 

「この音」

 

ゼロが坑道の壁に手を当てる。

 

「一定じゃねぇ」

 

「一定?」

 

「普通の採掘なら、掘る場所を決めて、同じ方向に進む」

 

ゴン。

 

しばらく間が空く。

 

ゴン。

 

今度は反対側。

 

僕は首をかしげた。

 

「場所が変わってる?」

 

「そうだ」

 

ゼロが頷く。

 

「まるで――」

 

ゴン。

 

壁のすぐ向こうから音がした。

 

「――こっちを探してるみてぇだ」

 

「え?」

 

僕たちは一斉に壁を見る。

 

そして。

 

キュ太郎が。

 

僕の胸ポケットからぴょこっと顔を出した。

 

「キュ」

 

そのまま壁を見る。

 

「キュ……」

 

僕は少し嫌な予感がした。

 

「キュ太郎?」

 

キュ太郎は壁に近づく。

 

そして。

 

ぽす。

 

壁に頭をくっつけた。

 

「何してるの?」

 

すると。

 

壁の向こうから。

 

ゴン。

 

今度は一回だけ。

 

まるで返事みたいだった。

 

「……」

 

「…………」

 

「………………」

 

マクダフが後ずさる。

 

「旦那ぁ」

 

「なに?」

 

「その黒い毛玉、何なんです?」

 

「キュ太郎だよ」

 

「見れば分かります」

 

「じゃあ何?」

 

「知らねぇから聞いてんです!」

 

おっさんがため息をついた。

 

「今さらだろ」

 

その瞬間。

 

バキッ。

 

壁の一部が崩れた。

 

「うわっ!」

 

土煙が上がる。

 

僕は反射的に盾を構えた。

 

でも。

 

出てきたのは魔物じゃなかった。

 

人だった。

 

しかも。

 

すごく小さい。

 

「……子供?」

 

僕が言うと。

 

出てきた人影が怒鳴った。

 

「子供じゃねぇ!」

 

声だけは大人だった。

 

土にまみれた顔。

 

小さな身体。

 

そして。

 

手には小さなツルハシ。

 

「ドワーフ?」

 

マクダフが呟く。

 

「違う!」

 

「じゃあ何だ?」

 

「採掘者だ!」

 

男は胸を張った。

 

「俺たちは、地下採掘隊だ!」

 

僕たちは顔を見合わせた。

 

地下採掘隊。

 

聞いたことがある。

 

前に会った採掘者たちもいた。

 

でも。

 

この人たちは知らない。

 

「何人いるの?」

 

僕が聞くと。

 

男は少し黙った。

 

「……一人だ」

 

「一人?」

 

「今はな」

 

その言葉に。

 

おっさんの顔が変わった。

 

「今は、ってどういう意味だ?」

 

男は答えなかった。

 

代わりに。

 

僕たちの後ろを指差した。

 

「お前ら」

 

「うん?」

 

「ここで採掘してるのか?」

 

「今日からだよ」

 

「今日から?」

 

「あの貴族たちも採掘するって」

 

男の顔が引きつった。

 

「貴族……?」

 

「金貨五百枚使うって」

 

「五百枚……」

 

小さな採掘者は、頭を抱えた。

 

「やべぇ……」

 

「何が?」

 

「坑道が足りなくなる」

 

「え?」

 

男は真剣だった。

 

「この鉱山、見た目より掘れる場所が少ない」

 

ゼロが黙る。

 

「続けろ」

 

「昔からだ」

 

採掘者は地面を指した。

 

「掘れる場所と、掘っちゃいけない場所がある」

 

僕の頭に。

 

古い記録が浮かんだ。

 

『ここより先、掘るべからず』

 

あの看板。

 

「どうして掘っちゃいけないの?」

 

「崩れるから?」

 

僕が聞くと。

 

「違う」

 

男は首を振った。

 

「下に――」

 

その瞬間。

 

ゼロが叫んだ。

 

「言うな!」

 

「え?」

 

僕たちはゼロを見る。

 

ゼロの顔は。

 

今まで見たことがないくらい険しかった。

 

「その先は、まだ管理対象だ」

 

「管理対象?」

 

「そうだ」

 

ゼロは歯を食いしばる。

 

「第零坑道のさらに下」

 

そして。

 

箱の表面に、文字が浮かび上がった。

 

【立入禁止区域】

 

【採掘禁止】

 

【所有権:未確定】

 

僕はその文字を見た。

 

「未確定って……」

 

ゼロが答える。

 

「まだ誰のものでもない」

 

「じゃあ僕が取ればいい?」

 

「お前は本当にそういう発想しかねぇな!」

 

おっさんが吹き出した。

 

「まあジョンならそう言うよな」

 

採掘者が困った顔をする。

 

「違う」

 

「何が?」

 

「誰のものでもないんじゃない」

 

「?」

 

「誰も、まだ所有者になれないんだ」

 

その言葉の意味が。

 

よく分からなかった。

 

すると。

 

遠くから大声がした。

 

「採掘開始!」

 

貴族側だ。

 

ついに。

 

本格的な採掘が始まった。

 

ドン。

 

ドン。

 

ドン。

 

大量の人間が。

 

一斉にツルハシを振り始める。

 

僕は少し安心した。

 

これで、鉱山が動き出す。

 

そう思った。

 

次の瞬間。

 

地面が揺れた。

 

ゴゴゴゴゴゴ……。

 

「え?」

 

坑道全体が震える。

 

上から石が落ちる。

 

「うわっ!」

 

「伏せろ!」

 

おっさんが叫ぶ。

 

僕は盾を構えた。

 

ゼロが怒鳴る。

 

「馬鹿野郎!」

 

「えっ!?」

 

「一斉に掘るな!」

 

「どうして!?」

 

ゼロが叫ぶ。

 

「この鉱山――」

 

一瞬。

 

地面の下から。

 

ズズズズ……。

 

まるで巨大な何かが動くような音がした。

 

「――まだ生きてるぞ!」

 

僕は息を呑んだ。

 

鉱山が。

 

生きている?

 

その直後。

 

箱の文字が赤く変わった。

 

【警告】

 

【大規模採掘を検知】

 

【地下構造変化】

 

【第零坑道・封印維持率】

 

【残り――九十七%】

 

「……封印?」

 

僕が呟く。

 

ゼロが黙った。

 

そして。

 

初めて。

 

少し困った顔をした。

 

「しまったな」

 

おっさんが睨む。

 

「何をだ?」

 

ゼロは小さく答えた。

 

「こいつらに、鉱山の本当の意味を説明するのを忘れてた」

 

「何?」

 

「ここは昔から――」

 

ズズン。

 

地下深くから。

 

巨大な音。

 

ゼロが言い切る。

 

「掘る場所じゃねぇ」

 

「じゃあ何のための鉱山なの?」

 

僕が聞くと。

 

ゼロは。

 

静かに答えた。

 

「――何かを、閉じ込めてる場所だ」




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「鉱山って、鉱石を掘る場所じゃなかったの?」
おっさん
「普通はな」
マクダフ
「旦那ぁ、また普通じゃありませんぜ」
ゼロ
「お前ら、この鉱山で普通を期待するのはやめろ」

【所持アイテム】
・???のスクロール×6
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・謎の金属片(鑑定不能)
・採掘した紫色の鉱石×2
・新しく発見した謎の金属片
・「採掘は順調です。予定通り、地上へ出ます」と書かれた紙
・新M資金・マーカット鉱山復興応援券×1
・第零坑道採掘許可証0007
・第零坑道採掘管理記録
・第零坑道・旧採掘権証券×1
・マーカット鉱山・採掘権原簿(管理箱)
・ガレスのツルハシ(借用中)
・第七坑道作業責任者のツルハシ
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿×5
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群(立場:保護対象、詳細不明)
・キュ太郎
・原簿管理妖精「ゼロ」

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

【M資金】
・小口M資金券が継続流通
・商人間の決済に使用
・商品購入に使用
・現金交換
・転売
・投資対象化
・信用の証明として流通
・第三者による派生券も発生
・ジョン本人の手元から離れたM資金が独自に動いている

【所有者選定】
第一段階:経済的貢献度
→ジョンがトップ

第二段階:実地運用試験
→七日間の鉱山運営

評価項目:
✅採掘量
✅稼働人数
✅周辺雇用
✅利益
✅継続可能性
✅資源損失

追加条件:
✅候補者本人も採掘に参加

しかし。
大規模採掘により地下構造へ異常発生。
第零坑道下部に封印区域が存在することが判明。

【本日の収支】
141G(変動なし)
銀行預け金250G(変動なし)

※ジョン個人の所持金に変動はありません。

【今回の進展】
✅謎の地下採掘者と遭遇
✅地下採掘隊が存在していたことが判明
✅マーカット鉱山には「掘ってはいけない場所」があると判明
✅第零坑道のさらに下に立入禁止区域が存在
✅貴族側の大規模採掘で地下構造が変化
✅封印維持率が低下し始める
✅マーカット鉱山は「何かを閉じ込める場所」だった可能性が浮上

ジョンの一言
ジョン
「じゃあ……鉱石より、そっちを先に何とかしたほうがいい?」

ゼロ
「その判断ができるなら、所有者候補として少し見直してやる」
おっさん
「珍しいな」
マクダフ
「旦那ぁ、褒められてますぜ」
ジョン
「よく分からないけど、やってみる」

次回。
「所有者選定中止?」
採掘を続ければ封印が壊れる。
止めれば実地運用試験に失敗する。
ジョンは、史上初の「掘らない採掘」を考え始める。
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