異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜 作:raixip
「鉱山が赤字になった場合、どうする?」
ジョンは、採掘だけに頼らず、設備維持や輸送、宿、食料など周辺の仕事を継続し、鉱山が止まっている期間でも地域経済を動かす方法を提案した。
この考えは所有者選定でも評価される。
しかし。
話を聞いていたマクダフが勝手に動いた。
「赤字安心券」を大量発行。
しかも、それを保証する資金も、正式な権利も存在しない。
ところが。
鉱山復興への期待を背景に、券を買いたい人間が現れ始める。
鉱山はまだ本格稼働すらしていない。
それなのに。
鉱山の赤字を材料にした新しい市場が生まれようとしていた。
ジョンは気づく。
自分が何もしていないのに。
また。
お金だけが動き始めている。
「鉱山が赤字になった場合、どうする?」
箱に浮かんだ質問。
僕は考えた。
赤字。
つまり。
使ったお金より、入ってくるお金が少ない状態。
「……掘る」
「だからそれじゃ駄目だって言ってんだろ!」
ゼロに怒られた。
「じゃあ、どうするの?」
「それを考える試験だ」
「うーん……」
僕は鉱山を見る。
採掘できない日もある。
事故もある。
道具も壊れる。
天気が悪ければ運べない。
鉱石の値段だって変わる。
なら。
「鉱山だけでお金を稼がなければいいんじゃない?」
「ほう」
おっさんが反応した。
「どういう意味だ?」
「採掘できない日でも、鉱山の仕事をするんだよ」
「例えば?」
「坑道の点検」
「うん」
「道具の修理」
「うん」
「運ぶ道の整備」
「うん」
「食料を売る人も必要だし、宿も必要」
「なるほどな」
僕は帳簿を開く。
「鉱山が止まっても、人がお金を使うなら、周りのお店は仕事が続く」
ゼロが目を細める。
「つまり?」
「鉱山が赤字でも、町全体が動いていれば、すぐには困らない」
少し。
静かになった。
おっさんが笑う。
「ジョン」
「なに?」
「お前、また鉱山の話をしてるのに、いつの間にか町全体の話になってるぞ」
「そうなの?」
「そうなんだよ」
ゼロが箱に数字を出した。
【赤字時対応評価】
【単一事業依存:低】
【周辺収益:継続】
【雇用維持:可能】
【再稼働準備:継続】
「……点が入った」
僕が驚く。
「今の話だけで?」
「方針を出しただけだ」
ゼロが答える。
「実際にできるなら、さらに評価する」
マクダフが帳簿を覗き込む。
「旦那ぁ」
「なに?」
「これ、鉱山が赤字でも儲ける方法になりません?」
「どうだろう」
「なりますぜ」
マクダフは急に目を輝かせた。
嫌な予感がした。
「何をする気?」
「赤字でも安心!」
マクダフが紙を一枚取り出した。
そこには。
【マーカット鉱山・赤字安心券】
と書いてある。
「……」
「……」
「…………」
ゼロが無言になる。
「マクダフ」
「へい」
「それ、誰の許可を取った?」
「取ってません」
「誰が保証する?」
「旦那ぁ」
「僕?」
「はい」
僕は固まった。
「僕、そんな話してないよ?」
「でも旦那ぁ、鉱山の責任者になるんでしょう?」
「まだ決まってないよ」
「なら予約です」
おっさんが額を押さえた。
「また勝手に始めやがった」
マクダフは楽しそうだ。
「赤字になったら、この券を一枚につき十Gで買い戻します」
「その十Gは?」
「鉱山が儲かったときの利益から」
ゼロが即座に怒鳴った。
「それ、利益が出なかったらどうすんだ!」
「……」
マクダフが止まった。
「旦那ぁ」
「なに?」
「何とかしてください」
「僕に聞かないでよ!」
その瞬間。
外から騒ぎ声が聞こえた。
「赤字安心券って何だ!?」
「もう売ってるぞ!」
「十Gなら安い!」
「鉱山が再開すれば儲かるらしい!」
僕は嫌な予感がした。
「マクダフ」
「はい」
「何枚作ったの?」
「……五百枚ほど」
「五百!?」
おっさんが叫ぶ。
「お前、金貨五百枚を見たからって対抗したのか!?」
「いやぁ。紙なら軽いですから」
「そこじゃねぇ!」
外を見る。
いつの間にか。
何人もの人が紙を持っていた。
「旦那ぁ!」
「何?」
「一枚二十Gで買うって人が出てきましたぜ!」
「え?」
「人気商品になってます」
ゼロが頭を抱える。
「……こいつ、本当にどうしようもねぇな」
すると。
箱が光った。
【第三段階・審査対象追加】
【新規発生商品:赤字安心券】
【発行者:マクダフ】
【所有候補者への影響】
【責任の所在:不明】
「……」
僕は券を見る。
僕は作っていない。
でも。
僕の鉱山の名前が入っている。
「これ……」
おっさんが真顔になる。
「まずいな」
「何が?」
「この券が売買され始めたら、実際の鉱山より先に、鉱山の赤字を材料にした金の動きが始まる」
ゼロも頷いた。
「そうなったら、所有者選定どころじゃねぇ」
箱に文字が浮かぶ。
【市場混乱リスク:上昇】
【第三者発行権利:増加】
【鉱山再開期待:過熱傾向】
僕は券を一枚つまんだ。
「……僕たち、鉱山を掘ってないのに」
おっさんが答える。
「また金策だけが先に進んでる」
そのとき。
外から。
さらに大きな声がした。
「赤字安心券、買い占めます!」
「一枚五十Gだ!」
「いや、百G出す!」
僕は呆然とした。
ゼロが小さく呟く。
「……こりゃ第三段階、別の意味で地獄だな」
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))
ジョン
「赤字になったら、仕事を増やせばいいんだね」
おっさん
「考え方は悪くない」
マクダフ
「旦那ぁ! 俺も考え方は悪くないでしょう?」
ゼロ
「お前は券を作る前に考えろ」
【所持アイテム】
・???のスクロール×6
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・謎の金属片(鑑定不能)
・採掘した紫色の鉱石×2
・新しく発見した謎の金属片
・「採掘は順調です。予定通り、地上へ出ます」と書かれた紙
・新M資金・マーカット鉱山復興応援券×1
・第零坑道採掘許可証0007
・第零坑道採掘管理記録
・第零坑道・旧採掘権証券×1
・マーカット鉱山・採掘権原簿(管理箱)
・ガレスのツルハシ(借用中)
・第七坑道作業責任者のツルハシ
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿×5
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群(立場:保護対象、詳細不明)
・キュ太郎
・原簿管理妖精「ゼロ」
【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
元本:金貨10枚
状態:運用中
想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
詳細:非公開/高リスク
【M資金】
・小口M資金券が継続流通
・商人間の決済に使用
・商品購入に使用
・現金交換
・転売
・投資対象化
・信用の証明として流通
・第三者による派生券も発生
・ジョン本人の手元から離れたM資金が独自に動いている
・旧採掘権証券との関係も疑われている
・新たにマクダフが「赤字安心券」を独自発行
【所有者選定】
第一段階:経済的貢献度
→ジョンがトップ
第二段階:実地運用試験
→ジョン暫定首位
第三段階:所有責任審査
→継続中
今回の評価:
✅赤字時でも雇用を維持する方針
✅周辺商業を維持する方針
✅再稼働準備を継続する方針
新たな問題:
・マクダフが無断で「赤字安心券」を発行
・第三者による売買が開始
・券の価格が上昇し始める
・所有者選定にも影響する可能性
【本日の収支】
141G(変動なし)
銀行預け金250G(変動なし)
※ジョン個人の所持金に変動はありません。
【今回の進展】
✅鉱山が赤字になった場合の運営方針を提示
✅採掘停止中でも周辺事業を動かす考えが評価される
✅マクダフが「赤字安心券」を勝手に発行
✅第三者による売買が発生
✅ジョンが知らないうちに新しい権利商品が流通
✅鉱山そのものより先に金融的な動きが加速する
ジョンの一言
ジョン
「これ、僕が責任を取るの?」
ゼロ
「発行したのはお前じゃねぇ」
おっさん
「でも名前は鉱山だ」
マクダフ
「旦那ぁ、大人気ですぜ」
ジョン「困るよ!」
次回。
「赤字安心券、販売停止?」
所有者選定を続けるためには、マクダフの勝手な金策を止めなければならない。
だが、その頃には。
券を買った人間が、すでに鉱山の前に集まり始めていた――。