異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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第三段階の最初の質問。

「鉱山が赤字になった場合、どうする?」

ジョンは、採掘だけに頼らず、設備維持や輸送、宿、食料など周辺の仕事を継続し、鉱山が止まっている期間でも地域経済を動かす方法を提案した。

この考えは所有者選定でも評価される。

しかし。

話を聞いていたマクダフが勝手に動いた。

「赤字安心券」を大量発行。

しかも、それを保証する資金も、正式な権利も存在しない。

ところが。

鉱山復興への期待を背景に、券を買いたい人間が現れ始める。

鉱山はまだ本格稼働すらしていない。

それなのに。

鉱山の赤字を材料にした新しい市場が生まれようとしていた。

ジョンは気づく。

自分が何もしていないのに。

また。

お金だけが動き始めている。


第153話 赤字になったらどうする?

「鉱山が赤字になった場合、どうする?」

 

箱に浮かんだ質問。

 

僕は考えた。

 

赤字。

 

つまり。

 

使ったお金より、入ってくるお金が少ない状態。

 

「……掘る」

 

「だからそれじゃ駄目だって言ってんだろ!」

 

ゼロに怒られた。

 

「じゃあ、どうするの?」

 

「それを考える試験だ」

 

「うーん……」

 

僕は鉱山を見る。

 

採掘できない日もある。

 

事故もある。

 

道具も壊れる。

 

天気が悪ければ運べない。

 

鉱石の値段だって変わる。

 

なら。

 

「鉱山だけでお金を稼がなければいいんじゃない?」

 

「ほう」

 

おっさんが反応した。

 

「どういう意味だ?」

 

「採掘できない日でも、鉱山の仕事をするんだよ」

 

「例えば?」

 

「坑道の点検」

 

「うん」

 

「道具の修理」

 

「うん」

 

「運ぶ道の整備」

 

「うん」

 

「食料を売る人も必要だし、宿も必要」

 

「なるほどな」

 

僕は帳簿を開く。

 

「鉱山が止まっても、人がお金を使うなら、周りのお店は仕事が続く」

 

ゼロが目を細める。

 

「つまり?」

 

「鉱山が赤字でも、町全体が動いていれば、すぐには困らない」

 

少し。

 

静かになった。

 

おっさんが笑う。

 

「ジョン」

 

「なに?」

 

「お前、また鉱山の話をしてるのに、いつの間にか町全体の話になってるぞ」

 

「そうなの?」

 

「そうなんだよ」

 

ゼロが箱に数字を出した。

 

【赤字時対応評価】

 

【単一事業依存:低】

 

【周辺収益:継続】

 

【雇用維持:可能】

 

【再稼働準備:継続】

 

「……点が入った」

 

僕が驚く。

 

「今の話だけで?」

 

「方針を出しただけだ」

 

ゼロが答える。

 

「実際にできるなら、さらに評価する」

 

マクダフが帳簿を覗き込む。

 

「旦那ぁ」

 

「なに?」

 

「これ、鉱山が赤字でも儲ける方法になりません?」

 

「どうだろう」

 

「なりますぜ」

 

マクダフは急に目を輝かせた。

 

嫌な予感がした。

 

「何をする気?」

 

「赤字でも安心!」

 

マクダフが紙を一枚取り出した。

 

そこには。

 

【マーカット鉱山・赤字安心券】

 

と書いてある。

 

「……」

 

「……」

 

「…………」

 

ゼロが無言になる。

 

「マクダフ」

 

「へい」

 

「それ、誰の許可を取った?」

 

「取ってません」

 

「誰が保証する?」

 

「旦那ぁ」

 

「僕?」

 

「はい」

 

僕は固まった。

 

「僕、そんな話してないよ?」

 

「でも旦那ぁ、鉱山の責任者になるんでしょう?」

 

「まだ決まってないよ」

 

「なら予約です」

 

おっさんが額を押さえた。

 

「また勝手に始めやがった」

 

マクダフは楽しそうだ。

 

「赤字になったら、この券を一枚につき十Gで買い戻します」

 

「その十Gは?」

 

「鉱山が儲かったときの利益から」

 

ゼロが即座に怒鳴った。

 

「それ、利益が出なかったらどうすんだ!」

 

「……」

 

マクダフが止まった。

 

「旦那ぁ」

 

「なに?」

 

「何とかしてください」

 

「僕に聞かないでよ!」

 

その瞬間。

 

外から騒ぎ声が聞こえた。

 

「赤字安心券って何だ!?」

 

「もう売ってるぞ!」

 

「十Gなら安い!」

 

「鉱山が再開すれば儲かるらしい!」

 

僕は嫌な予感がした。

 

「マクダフ」

 

「はい」

 

「何枚作ったの?」

 

「……五百枚ほど」

 

「五百!?」

 

おっさんが叫ぶ。

 

「お前、金貨五百枚を見たからって対抗したのか!?」

 

「いやぁ。紙なら軽いですから」

 

「そこじゃねぇ!」

 

外を見る。

 

いつの間にか。

 

何人もの人が紙を持っていた。

 

「旦那ぁ!」

 

「何?」

 

「一枚二十Gで買うって人が出てきましたぜ!」

 

「え?」

 

「人気商品になってます」

 

ゼロが頭を抱える。

 

「……こいつ、本当にどうしようもねぇな」

 

すると。

 

箱が光った。

 

【第三段階・審査対象追加】

 

【新規発生商品:赤字安心券】

 

【発行者:マクダフ】

 

【所有候補者への影響】

 

【責任の所在:不明】

 

「……」

 

僕は券を見る。

 

僕は作っていない。

 

でも。

 

僕の鉱山の名前が入っている。

 

「これ……」

 

おっさんが真顔になる。

 

「まずいな」

 

「何が?」

 

「この券が売買され始めたら、実際の鉱山より先に、鉱山の赤字を材料にした金の動きが始まる」

 

ゼロも頷いた。

 

「そうなったら、所有者選定どころじゃねぇ」

 

箱に文字が浮かぶ。

 

【市場混乱リスク:上昇】

 

【第三者発行権利:増加】

 

【鉱山再開期待:過熱傾向】

 

僕は券を一枚つまんだ。

 

「……僕たち、鉱山を掘ってないのに」

 

おっさんが答える。

 

「また金策だけが先に進んでる」

 

そのとき。

 

外から。

 

さらに大きな声がした。

 

「赤字安心券、買い占めます!」

 

「一枚五十Gだ!」

 

「いや、百G出す!」

 

僕は呆然とした。

 

ゼロが小さく呟く。

 

「……こりゃ第三段階、別の意味で地獄だな」




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「赤字になったら、仕事を増やせばいいんだね」
おっさん
「考え方は悪くない」
マクダフ
「旦那ぁ! 俺も考え方は悪くないでしょう?」
ゼロ
「お前は券を作る前に考えろ」

【所持アイテム】
・???のスクロール×6
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・謎の金属片(鑑定不能)
・採掘した紫色の鉱石×2
・新しく発見した謎の金属片
・「採掘は順調です。予定通り、地上へ出ます」と書かれた紙
・新M資金・マーカット鉱山復興応援券×1
・第零坑道採掘許可証0007
・第零坑道採掘管理記録
・第零坑道・旧採掘権証券×1
・マーカット鉱山・採掘権原簿(管理箱)
・ガレスのツルハシ(借用中)
・第七坑道作業責任者のツルハシ
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿×5
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群(立場:保護対象、詳細不明)
・キュ太郎
・原簿管理妖精「ゼロ」

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

【M資金】
・小口M資金券が継続流通
・商人間の決済に使用
・商品購入に使用
・現金交換
・転売
・投資対象化
・信用の証明として流通
・第三者による派生券も発生
・ジョン本人の手元から離れたM資金が独自に動いている
・旧採掘権証券との関係も疑われている
・新たにマクダフが「赤字安心券」を独自発行

【所有者選定】
第一段階:経済的貢献度
→ジョンがトップ

第二段階:実地運用試験
→ジョン暫定首位

第三段階:所有責任審査
→継続中

今回の評価:
✅赤字時でも雇用を維持する方針
✅周辺商業を維持する方針
✅再稼働準備を継続する方針

新たな問題:
・マクダフが無断で「赤字安心券」を発行
・第三者による売買が開始
・券の価格が上昇し始める
・所有者選定にも影響する可能性

【本日の収支】
141G(変動なし)
銀行預け金250G(変動なし)

※ジョン個人の所持金に変動はありません。

【今回の進展】
✅鉱山が赤字になった場合の運営方針を提示
✅採掘停止中でも周辺事業を動かす考えが評価される
✅マクダフが「赤字安心券」を勝手に発行
✅第三者による売買が発生
✅ジョンが知らないうちに新しい権利商品が流通
✅鉱山そのものより先に金融的な動きが加速する

ジョンの一言
ジョン
「これ、僕が責任を取るの?」
ゼロ
「発行したのはお前じゃねぇ」
おっさん
「でも名前は鉱山だ」
マクダフ
「旦那ぁ、大人気ですぜ」
ジョン「困るよ!」


次回。
「赤字安心券、販売停止?」
所有者選定を続けるためには、マクダフの勝手な金策を止めなければならない。
だが、その頃には。
券を買った人間が、すでに鉱山の前に集まり始めていた――。
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