異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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ガレス家に残る古い帳簿を調べたジョンたちは、キュ太郎にそっくりな存在が百二十年前の第零坑道で副責任者を務めていた記録を発見した。

その役目は、封印鉱の確認や管理設備の異常通知など。

さらに、未払賃金とは別に、特別報酬が予定されていたことも判明する。

報酬は、原簿中枢の管理権限の一部。

しかも、記録上の本人識別はキュ太郎と一致した。

しかし、どんな権限が戻るのかはまだ分からない。

ゼロは再認証を止め、内容の確認を求める。


第170話 キュ太郎、百二十年前の副責任者?

「キュ太郎が、副責任者?」

 

僕は、もう一度帳簿を見た。

 

【最終作業の副責任者:キュ太郎】

 

間違いない。

 

僕の胸ポケットにいる黒い毛玉と、同じ名前だ。

 

「キュ?」

 

キュ太郎は、何も分かっていないように鳴いた。

 

「……お前、百二十年前からいたの?」

 

「キュ!」

 

「いや、返事されても困るんだが」

 

おっさんが頭を抱えた。

 

「とにかく、ガレスさんの家に残っている記録を調べよう」

 

僕たちは、橋の近くにあるガレスさんの小屋へ向かった。

 

「百二十年前の記録か」

 

ガレスさんは腕を組んだ。

 

「古い帳簿なら、先祖から受け継いだ箱に入ってる。ただ、何が書いてあるかは知らねぇぞ」

 

そう言って、床下から木箱を引っ張り出した。

 

ふたを開けると。

 

古い紙束が、ぎっしり詰まっていた。

 

「うわぁ……」

 

マクダフが顔をしかめる。

 

「旦那ぁ。これ、全部読むんですか?」

 

「うん」

 

「俺、急に目が痛くなってきました」

 

「まだ何も読んでないよ?」

 

「予防です」

 

「便利な体だな、おい」

 

おっさんが笑った。

 

僕たちは手分けして、古い記録を調べ始めた。

 

そして。

 

一冊の帳簿から、古びた紙が落ちた。

 

「何だろう?」

 

拾い上げると、そこには小さな絵が描かれていた。

 

黒くて丸い体。

 

ふわふわした毛。

 

短い手足。

 

そして、頭の上には小さな三本の線。

 

「……キュ太郎?」

 

僕は胸ポケットを見る。

 

紙を見る。

 

もう一度、キュ太郎を見る。

 

そっくりだった。

 

「キュ!」

 

キュ太郎が紙に飛び乗った。

 

すると。

 

紙の端に描かれた印が、淡く光った。

 

「えっ?」

 

ゼロが飛んできた。

 

「ちょっと見せろ!」

 

紙をひったくる。

 

「……間違いねぇ」

 

「何が?」

 

「第零坑道の副責任者を示す管理印だ」

 

おっさんが眉をひそめた。

 

「じゃあ、キュ太郎は本当に百二十年前の作業に関係していたのか?」

 

「記録上はな」

 

ゼロは紙を裏返した。

 

そこには、短い説明があった。

 

【副責任者の役割】

 

・封印鉱の状態確認

・管理設備への異常通知

・作業責任者への警告

・原簿中枢の緊急保全

 

僕は驚いた。

 

「キュ太郎、そんなことができるの?」

 

「キュ?」

 

キュ太郎は、紙の上で転がった。

 

「……全然、仕事をしているようには見えないな」

 

おっさんが言った。

 

「そこは同感だ」

 

ゼロまで頷いた。

 

ひどい。

 

でも。

 

僕は、少しだけうれしくなった。

 

キュ太郎が昔から鉱山を守っていたのなら。

 

きっと、何か大切な役目があるのだろう。

 

そのとき。

 

ガレスさんが別の帳簿を開いた。

 

「おい。こっちにも何か書いてあるぞ」

 

僕たちは集まった。

 

【第零坑道・特別報酬記録】

 

【対象:副責任者】

 

【報酬:管理権限の一部】

 

【支給条件:最終作業の完了】

 

「……管理権限?」

 

僕が聞く。

 

ゼロは、急に黙り込んだ。

 

リゼさんが記録を読み直す。

 

「通常の賃金とは別に、特別な権限が与えられる契約ですね」

 

「それって、お金じゃないの?」

 

「はい。設備や記録に関する権限のようです」

 

マクダフが首をかしげた。

 

「つまり、キュ太郎は給料のほかに、特別な報酬をもらえるはずだったんですな」

 

「そういうことになる」

 

ゼロは紙を見つめている。

 

僕は、キュ太郎を持ち上げた。

 

「キュ太郎。これ、もらってないの?」

 

「キュ!」

 

キュ太郎は僕の手から飛び降りた。

 

そして。

 

帳簿の上に乗ると、前足で報酬記録を押した。

 

ポン。

 

紙が光った。

 

【副責任者を確認】

 

【本人識別:照合中】

 

「ええっ!?」

 

僕たちは一斉に後ずさった。

 

表示が続く。

 

【識別結果:一致】

 

【管理権限の一部を再認証しますか?】

 

ゼロが叫んだ。

 

「待て! まだ認証するな!」

 

「どうして!?」

 

僕が聞く。

 

ゼロは真剣な顔で答えた。

 

「何の権限が戻るのか、確認できてねぇ!」

 

リゼさんも頷く。

 

「内容を確認せずに承認するのは危険です」

 

「……」

 

僕はキュ太郎を見た。

 

キュ太郎は。

 

いつものように。

 

「キュ」

 

と鳴いた。

 

管理権限の一部。

 

それが何を意味するのか。

 

まだ分からない。

 

でも。

 

百二十年前の仕事は、賃金の未払いだけでは終わらなかったらしい。

 

僕たちが紙を片づけようとした、そのとき。

 

帳簿の最後のページに、新しい文字が浮かんだ。

 

【副責任者の報酬は、本人へ直接付与する】

 

【付与先:原簿中枢】

 

【現在の管理者候補:ジョン】

 

「……え?」

 

僕は自分を指差した。

 

「どうして僕なの!?」

 

ゼロが、ものすごく嫌そうな顔をした。

 

「お前が暫定管理者だからだよ」

 

「でも、報酬はキュ太郎のものなんでしょ?」

 

「そうだ」

 

「じゃあ、キュ太郎に渡せばいいんじゃない?」

 

「……」

 

ゼロは黙った。

 

おっさんが笑う。

 

「また、当たり前のことを言ったな」

 

僕はキュ太郎を抱き上げた。

 

「じゃあ、報酬はキュ太郎に渡そう」

 

その瞬間。

 

原簿中枢から、低い音が響いた。

 

ゴン。

 

そして。

 

【権限移譲の準備を開始】

 

という文字が浮かび上がった。

 

ゼロは頭を抱えた。

 

「……百二十年前の未払いを片づけたら、もっと面倒なものが起きそうだな」

 

僕はキュ太郎を見た。

 

キュ太郎は。

 

何事もなかったように、僕の胸ポケットへ戻っていった。

 

「キュ!」

 

……本当に、分かっているのだろうか。




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「キュ太郎、昔は立派な仕事をしていたんだね」
おっさん
「今も何かしてるのかもしれないぞ」
マクダフ
「旦那ぁ。俺にも特別報酬はありませんかね?」
ゼロ
「まず自分の仕事を終わらせろ」
マクダフ
「……はい」

【所持アイテム】
・???のスクロール×6
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・謎の金属片(鑑定不能)
・採掘した紫色の鉱石×2
・新しく発見した謎の金属片
・「採掘は順調です。予定通り、地上へ出ます」と書かれた紙
・新M資金・マーカット鉱山復興応援券×1
・第零坑道採掘許可証0007
・第零坑道採掘管理記録
・第零坑道・旧採掘権証券×1
・マーカット鉱山・採掘権原簿(管理箱)
・ガレスのツルハシ(借用中)
・第七坑道作業責任者のツルハシ
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿×5
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群(立場:保護対象、詳細不明)
・キュ太郎
・原簿管理妖精「ゼロ」
・旧労務台帳(確認中)
・第零坑道・最終作業記録(未完了)
・ガレス家の古い帳簿(調査中)
・副責任者の特別報酬記録

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

・旧契約6,420件が未確認
・未払賃金:金貨三枚
・受取人:ガレス家
・支払条件:第零坑道の最終作業完了後
・副責任者:キュ太郎
・特別報酬:原簿中枢の管理権限の一部
・最終作業は未完了

【M資金】
・小口M資金券が継続流通
・商人間の決済や商品購入に使用
・現金交換、転売、投資対象化
・第三者による派生券も存在
・マクダフ発行「赤字安心券」
・「採掘利益参加証」
・「旧債務連動券」
・マーカット鉱山関連券の取引市場
・M資金指数
・旧契約整理を巡る権利売買が継続

【所有者選定】
第一段階:経済的貢献度
→ジョンがトップ

第二段階:実地運用試験
→ジョンが暫定首位

第三段階:所有責任審査
→最終判定終了

現在の立場:
✅ジョンはマーカット鉱山の暫定管理者
✅旧契約の確認と整理を進行中
✅最終作業の完了にはガレス家とゼロの確認が必要
✅副責任者の特別報酬が未付与

【本日の収支】
141G(変動なし)銀行預け金250G(変動なし)

※ジョン個人の所持金に変動はありません。

【今回の進展】
✅ガレス家に残る古い帳簿を調査
✅キュ太郎にそっくりな存在が百二十年前の記録に描かれていた
✅キュ太郎が第零坑道の副責任者だった可能性が高まる
✅副責任者には賃金とは別に特別報酬が予定されていた
✅報酬は原簿中枢の管理権限の一部
✅キュ太郎本人の識別が一致
✅管理権限の再認証が始まりそうになる


ジョンの一言
ジョン
「キュ太郎に報酬を渡すだけなのに、どうしてこんなに大変なの?」
ゼロ
「権限の中身が分からねぇからだ!」
おっさん「まずは内容を確認してからだな」
マクダフ
「旦那ぁ。俺の報酬も確認してくだせぇ」
ジョン
「マクダフはまず働いてね」



次回。
第171話 キュ太郎の特別報酬
百二十年前から保留されていた報酬が、ついに再認証されるのか。
そして原簿中枢がジョンに示したのは、予想外の管理権限だった――。
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