異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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第七坑道で採掘停止を求めたジョンたちは、異常の原因を調べ始めた。

壁の中に見つかったのは、過去の記録に存在しない封印鉱の反応。

ゼロは、封印の仕組みが何かを補修しようとしている可能性を指摘する。

しかし、原因はまだ分からない。

そこでジョンは、安全が確認できるまで該当区域の採掘を止めることを決めた。

ところが。

第零坑道へ続く連絡通路でも、同じような異常反応が見つかる。

第七坑道だけの問題ではなかった。

百二十年前から未完了のまま残されている最終作業。

その理由が、少しずつ明らかになろうとしている。


第172話 第七坑道、採掘停止の理由

「採掘を再開していただきたい!」

 

第七坑道の入口で、貴族側の責任者が叫んでいた。

 

「すでに作業員を雇い、道具も用意しているのです! 停止が長引けば、それだけ損失が増えます!」

 

僕は困った。

 

確かに、作業を止めればお金が入らない。

 

働く人たちの給料も必要だ。

 

でも。

 

「まだ危険があるかもしれないんだよ」

 

僕が言うと、責任者は不満そうな顔をした。

 

「危険の確認は、こちらの専門家に任せればいい!」

 

「その確認が終わってないんだよ」

 

おっさんが横から説明する。

 

「設備の異常が出ている以上、原因が分かるまでは再開できない」

 

「しかし、採掘を止めたままでは利益が――」

 

「利益の話は後だ」

 

ゼロがぴしゃりと言った。

 

「人が怪我したら、治療費も補償も必要になる。坑道が崩れたら修理費まで増える。急いで掘った結果、全部失うことだってあるんだぞ」

 

責任者は口を閉じた。

 

僕は少し安心した。

 

ゼロの説明は分かりやすい。

 

いつもこうならいいのに。

 

「……分かりました。ただし、原因の調査は急いでください」

 

責任者は渋々引き下がった。

 

こうして。

 

第七坑道の調査が始まった。

 

     ◇

 

「異常があったのは、この辺りだ」

 

ゼロが壁を指した。

 

僕たちは、キュ太郎と一緒に問題の場所を調べていた。

 

壁には、紫色の光がわずかに残っている。

 

さっきまでは、もっと強く光っていたらしい。

 

「キュ!」

 

キュ太郎が壁に近づいた。

 

そして。

 

ぽす。

 

前足で壁を叩いた。

 

「何かあるの?」

 

「キュ、キュ!」

 

キュ太郎は、少し右へ移動する。

 

また叩いた。

 

ぽす。

 

今度は、壁の奥から小さな音が返ってきた。

 

コン。

 

「……空洞か?」

 

おっさんが耳を近づける。

 

ゼロが首を振った。

 

「空洞だけじゃねぇな」

 

「どういうこと?」

 

ゼロは管理箱を開いた。

 

【第七坑道・地下構造記録】

 

【異常位置:確認中】

 

【封印鉱反応:検出】

 

【過去の登録:なし】

 

「登録がない?」

 

僕は表示を見た。

 

前に発見した封印鉱は、古い記録に場所が残っていた。

 

だから、元の場所へ戻せた。

 

でも。

 

今回は違う。

 

「昔の記録にない場所ってこと?」

 

「そうだ」

 

ゼロが頷いた。

 

「この位置で封印鉱が検出された記録は、残ってねぇ」

 

リゼさんが帳簿を開いた。

 

「位置情報の記録漏れは?」

 

「可能性はある。だが、ほかの記録とも照合しねぇと断定できない」

 

僕は壁を見た。

 

「じゃあ、少し掘って確認する?」

 

「駄目だ」

 

ゼロが即答した。

 

「まだ危険の原因が分かってねぇ」

 

「……はい」

 

「返事が早いな」

 

おっさんが笑った。

 

「さっきまで掘りたがってたのに」

 

「だって、止める理由が分かったら、次に何をすればいいか考えられるでしょ?」

 

「その考え方はいいな」

 

ゼロは、管理箱の表示を切り替えた。

 

【封印鉱反応:位置照合】

 

【既存記録:不一致】

 

【封印維持状況:調査必要】

 

しばらくすると。

 

もう一つの表示が現れた。

 

【新規反応を検出】

 

「新規?」

 

僕は目を丸くした。

 

壁の一部が、淡く光り始めた。

 

紫色ではない。

 

ほとんど透明な、薄い銀色。

 

まるで。

 

石の中に、細い光の筋が走っているようだった。

 

「……こんな鉱石、見たことないぞ」

 

おっさんが呟いた。

 

ゼロも黙っている。

 

「ゼロ?」

 

「待て」

 

ゼロは壁に近づいた。

 

そして、光の筋をじっと見つめた。

 

「これは……」

 

「何?」

 

「普通の封印鉱じゃねぇ」

 

僕は息を呑んだ。

 

「じゃあ、何なの?」

 

ゼロはすぐには答えなかった。

 

代わりに、管理箱へ向かって指を動かした。

 

古い記録が、次々と表示される。

 

【封印鉱・通常型】

 

【封印鉱・再配置型】

 

【封印鉱・補修反応型】

 

そして。

 

最後の項目。

 

【未登録反応】

 

【名称:不明】

 

【発生時期:不明】

 

【原簿登録:なし】

 

「名前もないんだ……」

 

僕が呟いた。

 

「記録がねぇからな」

 

ゼロは険しい顔をした。

 

「ただ、可能性はある」

 

「何の?」

 

「封印の仕組みが、何かを補修しようとしているのかもしれねぇ」

 

おっさんが顔を上げた。

 

「つまり、封印に問題が起きたから、新しい鉱物のようなものができたってことか?」

 

「まだ断定はできねぇ。だが、調べる価値はある」

 

リゼさんが慎重に言った。

 

「でしたら、この場所は立入制限を続け、記録を取りながら観察するべきです」

 

「うん。僕もそう思う」

 

僕は頷いた。

 

「原因が分かるまで、ここは掘らない」

 

管理箱が光った。

 

【暫定管理者ジョン】

 

【安全方針を記録】

 

【第七坑道・該当区域の採掘停止を継続】

 

【調査責任者:ゼロ】

 

【安全確認補助:キュ太郎】

 

「よし」

 

ゼロが言った。

 

「これで勝手に掘ることはできねぇ」

 

「よかった」

 

僕は胸を撫で下ろした。

 

これなら、原因を調べる時間ができる。

 

ところが。

 

入口から、慌てた足音が響いた。

 

「管理者!」

 

貴族側の作業員だった。

 

「大変です! 採掘を停止した直後から、別の坑道でも同じような光が見つかりました!」

 

「……何?」

 

ゼロが振り返る。

 

「どこだ?」

 

「第零坑道へ続く、古い連絡通路です!」

 

その瞬間。

 

管理箱に、新しい警告が浮かんだ。

 

【封印鉱反応】

 

【第二地点:検出】

 

【第三地点:検出】

 

【連動状況:確認中】

 

僕は、光の筋を見つめた。

 

一か所だけの異常ではなかった。

 

封印の仕組みそのものに。

 

何かが起きているのかもしれない。

 

「ゼロ……」

 

「ああ」

 

ゼロの声が低くなった。

 

「こいつは、第七坑道だけの問題じゃねぇ」

 

キュ太郎が、僕の肩の上で鳴いた。

 

「キュ……」

 

そして。

 

三つ目の地点を示す文字の下に。

 

見覚えのある数字が浮かんだ。

 

【第零坑道・最下層】

 

僕たちは、誰も喋らなかった。

 

百二十年前の最終作業が終わっていない理由。

 

その答えが。

 

少しずつ、見え始めていた。




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
141G(銀行預け金:250G(銅貨2枚、半銅貨5枚))

ジョン
「一か所を調べたら、別の場所にも異常が見つかったよ」
おっさん
「原因はまだ分からない。まずは安全確認だな」
マクダフ
「旦那ぁ、採掘を止める場所が増えたら、仕事も増えますぜ」
ゼロ
「お前は何でも商売に結びつけるな!」

【所持アイテム】
・???のスクロール×6
・採掘計画書
・旧マーカット鉱山の古地図
・マーカット鉱山 最終採掘記録
・謎の紫色の鉱石
・謎の金属片(鑑定不能)
・採掘した紫色の鉱石×2
・新しく発見した謎の金属片
・「採掘は順調です。予定通り、地上へ出ます」と書かれた紙
・新M資金・マーカット鉱山復興応援券×1
・第零坑道採掘許可証0007
・第零坑道採掘管理記録
・第零坑道・旧採掘権証券×1
・マーカット鉱山・採掘権原簿(管理箱)
・ガレスのツルハシ(借用中)
・第七坑道作業責任者のツルハシ
・中古の斧(30Gで購入)
・新しい帳簿×5
・余り紙
・ロープ
・水筒
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群(立場:保護対象、詳細不明)
・キュ太郎(緊急保全管理権を取得)
・原簿管理妖精「ゼロ」
・旧労務台帳(確認中)
・第零坑道・最終作業記録(未完了)
・ガレス家の古い帳簿(調査中)
・副責任者の特別報酬記録

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

・旧契約6,420件が未確認
・未払賃金:金貨三枚
・受取人:ガレス家
・支払条件:第零坑道の最終作業完了後
・最終作業の副責任者:キュ太郎
・第七坑道で未登録の封印鉱反応を確認
・第零坑道へ続く連絡通路でも異常反応を検出

【M資金】
・小口M資金券が継続流通
・商人間の決済や商品購入に使用
・現金交換、転売、投資対象化
・第三者による派生券も存在
・マクダフ発行「赤字安心券」
・「採掘利益参加証」
・「旧債務連動券」
・マーカット鉱山関連券の取引市場
・M資金指数
・封印区域の調査を優先するため、該当区域の採掘停止が継続

【所有者選定】
第一段階:経済的貢献度
→ジョンがトップ

第二段階:実地運用試験
→ジョンが暫定首位

第三段階:所有責任審査
→最終判定終了

現在の立場:
✅ジョンはマーカット鉱山の暫定管理者
✅キュ太郎が緊急保全管理権を保有
✅第七坑道の異常区域は採掘停止中
✅複数地点で封印鉱の異常反応を検出
✅ゼロとキュ太郎が安全確認を担当

【本日の収支】
141G(変動なし)銀行預け金250G(変動なし)

※ジョン個人の所持金に変動はありません。

【今回の進展】
✅第七坑道の採掘停止が継続
✅壁の中に未登録の封印鉱反応を発見
✅新しい反応は通常の封印鉱と異なる可能性が判明
✅封印の仕組みが自動的に補修している可能性が浮上
✅第零坑道へ続く連絡通路でも異常反応を確認
✅異常が一か所だけの問題ではないと判明
✅調査が完了するまで採掘を再開しない方針を確認


ジョンの一言
ジョン
「原因が分かるまで掘らない。これでいいんだよね?」
ゼロ
「今はな」
おっさん
「複数の場所で反応してる理由を調べよう」
マクダフ
「旦那ぁ、今度こそ本当に採掘が遠のいてません?」
ジョン
「……僕も、そう思う」


次回。
第173話 封印は何を守っている?
複数の場所で見つかった異常反応。
ゼロは古い記録を調べ、キュ太郎は地下の音に耳を澄ます。
そして、原簿中枢に表示されたのは――封印対象の名前が記録されていないという、奇妙な事実だった。
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