異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜 作:raixip
「ジョン殿!」
兵士に急かされるまま、俺たちは町の外へ向かった。
途中。
町の様子がおかしい。
「見に行くな!」
「窓を閉めろ!」
「子供は家の中だ!」
兵士たちが大声を上げている。
「大げさだな。」
「ジョン。」
おっさんが真顔になる。
「普通なら町一つ消えてもおかしくない数ですぜ。」
「そうなの?」
「巨大ゴブリン数百匹ですよ。」
「でも果物くれるし。」
「その認識を今すぐ捨ててください。」
町の門へ着く。
門番が青い顔で敬礼した。
「お、お通しします!」
「ありがとう。」
「普通そこは逃げろって言う場面なんですがねぇ……。」
門を抜ける。
その瞬間。
「……。」
「……。」
思わず足が止まった。
いた。
巨大ゴブリン。
本当に数百匹。
丘一面を埋め尽くしている。
「うわぁ。」
壮観だった。
これだけ集まると少し格好いい。
「格好いいじゃありません!」
おっさんが小声で怒鳴る。
「怖いでしょう!」
「そう?」
巨大ゴブリンたちは一斉にこちらを向く。
空気が張り詰めた。
兵士たちが槍を握る。
領主も護衛に囲まれている。
支店長まで来ていた。
なぜいる。
そして。
巨大ゴブリンの中から、一匹だけ前へ出てきた。
一番大きい。
頭には白い毛皮を巻いている。
偉そうだ。
「族長かな?」
「そんなこと分析してる場合ですか!」
おっさんの声が震えている。
その巨大ゴブリンは、ゆっくり歩いてくる。
十歩。
五歩。
三歩。
そして。
ドスン。
俺の前で片膝をついた。
「……。」
町中が静まり返る。
さらに。
後ろにいた巨大ゴブリン全員が。
一斉にひざまずいた。
ドドドドドッ!
地面が揺れる。
「……。」
「……。」
「……。」
誰も声を出さない。
俺は首をかしげた。
「何してるんだ?」
「ジョン坊……。」
おっさんが青い顔でつぶやく。
「国が滅びる時って、案外こんな静かなもんなんですかね……。」
その時だった。
「きゅ!」
キュ太郎が懐から飛び出した。
ふわり。
俺の肩へ乗る。
「きゅー!」
元気よく鳴いた。
その瞬間。
巨大ゴブリンたちが、一斉に頭を下げる。
「おおー……。」
思わず感心した。
「キュ太郎、人気者だな。」
「そこですか!?」
おっさんが頭を抱える。
すると。
族長らしき巨大ゴブリンが、大きな袋を差し出してきた。
「くれるの?」
こくり。
うなずいた。
「また果物?」
袋を開ける。
違った。
石だった。
真っ黒な石。
握り拳ほどある。
「なんだこれ。」
「石ですな。」
「見れば分かる。」
俺は一つ持ち上げた。
ずっしり重い。
鉄より重い気がする。
「売れるかな。」
その一言で。
領主が飛び上がった。
「売る!?」
「はい。」
「まさか、それを売るつもりなのか!?」
「石ですよね?」
領主は袋をのぞき込む。
次の瞬間。
顔色が変わった。
「な……。」
震える指で石を持ち上げる。
「まさか……。」
「知ってるんです?」
「知っているも何も……。」
領主は息を呑んだ。
「これは。」
兵士たちも集まる。
支店長も駆け寄る。
全員が石を見て固まる。
俺だけが分からない。
「何なんです?」
領主はゆっくり俺を見る。
「ジョン君。」
「はい。」
「これ一つで。」
間を置いた。
「家が一軒建つ。」
「…………え?」
「超高級魔鉱石だ。」
「ええええぇぇぇぇ!?」
俺は慌てて袋をのぞいた。
一個じゃない。
二個でもない。
十個。
二十個。
いや。
もっと入っている。
「きゅ!」
キュ太郎が得意げに胸を張る。
「……。」
俺は巨大ゴブリンを見る。
巨大ゴブリンは嬉しそうにうなずいていた。
どうやら。
果物では足りないと思ったらしい。
【あとがき:現在のステータス】
【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13
■生産系
料理スキル 13
■その他
鑑定スキル 0.3
【所持金】
2,171g(銀行預け金:11,250g(銀貨11枚、銅貨2枚、半銅貨5枚))
【所持アイテム】
・???のスクロール 6枚
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群
立場:保護対象
詳細:不明
【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
元本:金貨10枚
状態:運用中
想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
詳細:非公開/高リスク
【装備品】
・骨護札の首かざり
・水トカゲの手袋(呪)