異世界金策 一攫千金!〜初心者冒険者必見?転移おっさんの怪しい儲け話Readme.exe〜   作:raixip

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第94話 鉱山は誰のもの?

「鉱山?」

 

僕は思わず聞き返した。

 

「本当なんですか?」

 

「本当ですとも!」

 

マクダフは胸をどんと叩いた。

 

「この目で見てきやした!」

 

「また変な穴じゃねぇだろうな。」

 

おっさんが疑いの目を向ける。

 

「違いますって!」

 

「前もそう言って沼だった。」

 

「あれは沼じゃなくて底なし沼です!」

 

「余計悪い。」

 

僕は二人の間に入る。

 

「それで、何が採れるんです?」

 

マクダフはもったいぶるように辺りを見回した。

 

「旦那ぁ。」

 

「うん。」

 

「魔鉱石でさぁ。」

 

僕の目が輝く。

 

「本当に!?」

 

「しかも山ほど。」

 

「行きましょう!」

 

「待て。」

 

おっさんが僕の首根っこをつかんだ。

 

「まず聞く。」

 

「何です?」

 

「なんで今まで誰も見つけてねぇ。」

 

「あ。」

 

確かに。

 

そんな場所があるなら、とっくに誰か掘っている。

 

マクダフはにやりと笑った。

 

「そこなんですよ。」

 

「ほう。」

 

「ケムトレイルの縄張りで。」

 

「帰るぞ。」

 

おっさんが即答した。

 

「早い!」

 

「話は終わりだ。」

 

「待ってくださいよ!」

 

マクダフは慌てる。

 

「ちゃんと最後まで聞いてくだせぇ!」

 

「聞くだけだ。」

 

「縄張りなんですが……。」

 

マクダフは声を潜めた。

 

「誰も襲ってきやせん。」

 

「……。」

 

「俺を見ても。」

 

「……。」

 

「頭下げるんです。」

 

「……は?」

 

今度は僕も固まった。

 

「なんで?」

 

「分かりません!」

 

「お前にも分からねぇのか。」

 

「でも!」

 

マクダフは僕を指差した。

 

「全部、旦那のおかげです!」

 

「僕?」

 

「旦那の奴隷だからじゃないですかね!」

 

「そんな理由ある?」

 

「俺はそう思いやす!」

 

おっさんが頭をかいた。

 

「ジョン。」

 

「はい?」

 

「お前、また知らねぇところで何かやったか?」

 

「何もしてませんよ。」

 

「だよな。」

 

「してません。」

 

「それが一番怖ぇ。」

 

僕にも意味が分からない。

 

その時だった。

 

「失礼。」

 

後ろから声がした。

 

振り返る。

 

領主だった。

 

護衛を二人連れている。

 

「ちょうど探していた。」

 

「僕ですか?」

 

「ああ。」

 

嫌な予感しかしない。

 

「昨日の魔鉱石の件だが。」

 

「返してくれるんですか!」

 

「いや。」

 

「違うんかい!」

 

思わず突っ込んだ。

 

領主は咳払いをする。

 

「王都と協議した結果。」

 

「はい。」

 

「ケムトレイル周辺は立入禁止になった。」

 

「……え?」

 

「今後、許可なく入ることは禁止する。」

 

「えぇぇぇ!?」

 

マクダフも叫ぶ。

 

「じゃあ鉱山!」

 

「もちろん採掘も禁止だ。」

 

「そんな!」

 

「危険だからな。」

 

「でも誰も襲ってきませんよ!」

 

「それが危険なんだ。」

 

領主は真面目な顔だった。

 

「普通ではない。」

 

「普通じゃないから儲かるのに……。」

 

僕がつぶやくと、おっさんが笑った。

 

「ほら。」

 

「……。」

 

「また儲け話が逃げた。」

 

「まだ何もしてないですよ!」

 

「する前に終わったな。」

 

「ひどい……。」

 

マクダフは肩を落とした。

 

「旦那ぁ。」

 

「なんです?」

 

「俺ぁ、命がけだったんですが。」

 

「無駄だったね。」

 

「ひでぇ!」

 

「いや。」

 

おっさんが笑う。

 

「ちゃんと役には立った。」

 

「本当ですか!」

 

「王都が慌てる理由が一つ増えた。」

 

「それ役に立ってます?」

 

「俺たちには一文にもならねぇけどな。」

 

僕とマクダフは顔を見合わせた。

 

そして同時にため息をつく。

 

「「儲からない……。」」

 

その様子を少し離れた場所から見ていた領主は、小さく苦笑した。

 

「危険人物には見えんのだがな……。」

 

だが、そのすぐ後ろでは。

 

王都特別調査局の調査官が静かにつぶやく。

 

「だからこそ危険なのです。」

 

ジョンは利益しか見ていない。

 

だから。

 

誰も予想しない場所へ、平気で踏み込んでしまうのだから。




【あとがき:現在のステータス】

【スキル】
■武器系
刀剣スキル 20
盾スキル 3
戦闘技術スキル 13

■生産系
料理スキル 13

■その他
鑑定スキル 0.3

【所持金】
171g(銀行預け金:250g(銅貨2枚、半銅貨5枚))
財布の中身を見るたびにため息が出る。

【所持アイテム】
・???のスクロール 6枚
・奴隷のマクダフの野郎
・武器破損した剣
・???の指輪(バンステ金策で入手)
・ゴブリン(テイム)
・ケムトレイル群
 立場:保護対象
 詳細:不明

【投資・契約】
・中立共栄大金庫投資案件(ポーシャ支店)
 元本:金貨10枚
 状態:運用中
 想定利回り:2倍〜5倍(説明ベース)
 詳細:非公開/高リスク

【装備品】
・骨護札の首かざり
・水トカゲの手袋(呪)


【本日の収支】
鉱山発見

ジョンの一言
「なんで儲け話って、見つけた人じゃなくて偉い人が儲かるんだろう……。」
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